香港競馬の専門家チームが、3月23日にシャティン競馬場で行われる2025年BMW香港ダービーの有力馬をランキング形式で発表する。
香港ダービーの情勢はこれまで不透明だったが、4歳馬による一戦を12日後に控えた今、その構図はようやく明確になってきた。
有力馬たちはすでにその地位を確立しており、あとは出走ギリギリの馬たちが最後の選考でダービー出走の夢を掴めるかどうかに注目が集まる。
Idol Horseの専門家パネルは、金曜日に発表される最終登録馬リストを前に、香港ダービーの有力馬をランキング形式でまとめた。
このランキングは、10人の香港競馬専門家がダービー候補馬を1位から14位までランク付けし、その結果を基に決定されたものである。専門家たちは3月23日の本番に向け、重要なタイミングでリストを更新していく予定だ。
1. ルビーロット (AUS)
前回のランキング順位 | 1 |
調教師 | デヴィッド・ヘイズ |
レーティング | 100 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
ルビーロットは、2020年のゴールデンシックスティ以来となるクラシックカップとダービーの二冠達成を目指す。鞍上のブレントン・アヴドゥラ騎手にとっては、昨年エリプティカルに騎乗して11着に敗れて以来、2度目のダービー騎乗となる。

2. ヨハネスブラームス (GB)
前回のランキング順位 | 2 |
調教師 | ピエール・ン |
レーティング | 95 |
前の調教師 | エイダン・オブライエン |
ヨハネスブラームスほど、ダービーに向けて浮き沈みの激しい道のりを歩んできた馬も珍しい。当初は高評価を受けていたが、クラシックマイルで最下位に沈んだことで評価が急落。その後、クラス2で勝利し、クラシックCでは不運ながらも見どころのある3着に入った。昨年のダービー馬マッシヴソヴリンに続き、エイダン・オブライエン厩舎出身の元バリードイル勢から2年連続のダービー勝ち馬となれるか注目される。
3. バンドルアワード (AUS)
前回のランキング順位 | 13 |
調教師 | ジョン・サイズ |
レーティング | 75 |
改名前 | Prince Prawn |
前の調教師 | アラン & ジェイソン・ウィリアムズ |
ジョン・サイズ調教師は、ダービーに向けた適切なタイミングで馬を仕上げる名手だ。近年の例で言えば、ピンハイスターがそれに当たる。バンドルアワードは、日曜日のクラス2戦で最後方から豪快に差し切る勝利を挙げ、一気に注目の存在となった。昨年はダービーを観客席から見守る立場だったベン・トンプソン騎手にとって、今年は本格的なダービー挑戦のチャンスとなる。
Bundle Award punches his 2025 @BMW Hong Kong Derby ticket! 🔥@BenThompson2102 gets John Size's galloper home from the back of the field for a first Class 2 win at Sha Tin… #HKracing pic.twitter.com/erpfaq3dNP
— HKJC Racing (@HKJC_Racing) March 9, 2025
4. マイウィッシュ (AUS)
前回のランキング順位 | 3 |
調教師 | マーク・ニューナム |
レーティング | 97 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
クラシックマイルの勝ち馬ながら、近ごろはあまり話題に上らなくなった。しかし、実際にはクラシックマイル・ダービーの二冠の方が、クラシックC・ダービーの二冠よりも達成しやすい傾向にある。ロマンチックウォリアーやヴォイッジバブルもクラシックCでは敗れながら、ダービーで巻き返している。マイウィッシュは1800mのクラシックCで2着と好走しており、そうした過去の勝ち馬よりも優れた実績を持っている。
5. パッキングエンジェル (NZ)
前回のランキング順位 | 4 |
調教師 | フランシス・ルイ |
レーティング | 86 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
クラシックCでは1番人気に推されたものの、結果は4着だった。過去3年のダービー馬(スカイダーシー、ロマンチックウォリアー、ヴォイッジバブル)は、いずれもクラシックCで着外に敗れた後、2000mのダービーで巻き返している。
6. ノイジーボーイ (AUS)
前回のランキング順位 | 5 |
調教師 | デニス・イップ |
レーティング | 84 |
前の調教師 | トッド・ハウレット |
ランキング上位14頭のうち、唯一のコース&距離勝ち馬であるリアルスティール産駒。クラシックCでは後退したが、厳しい展開だったことを考慮すれば、2000mでの距離延長での巻き返しが期待される。

7. スタニングピーチ (IRE)
前回のランキング順位 | 7 |
調教師 | トニー・クルーズ |
レーティング | 87 |
前の調教師 | ジョセフ・オブライエン |
クラシックCでは平凡な内容だったが、1月に2000m戦でノイジーボーイに敗れた際よりも、今回9ポンドの斤量差が味方する。
8. ステップスアヘッド (AUS)
前回のランキング順位 | 6 |
調教師 | フランシス・ルイ |
レーティング | 83 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
クラシックCでは5着に粘り込む堅実な競馬を見せた。唯一の凡走は、クラシックマイルの前哨戦となるクラス3戦で外を回らされ続けた一戦のみ。2000mは血統的に未知数だが、堅実なタイプであることは間違いない。
9. カリフォルニアトータリティ (AUS)
前回のランキング順位 | 9 |
調教師 | トニー・クルーズ |
レーティング | 81 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
クラシックCでは大外枠の不利を克服できなかった。今シーズンの7戦全てで二桁馬番を引いているだけに、ダービーで良い枠を引ければ上位争いが期待できる。
10. マークウィン (AUS)
前回のランキング順位 | ランキング圏外 |
調教師 | コディ・モー |
レーティング | 81 |
輸入区分 | ISG(香港国際セール取引馬) |
前走はバンドルアワードに敗れて2着だったが、5ポンドの斤量差があったことを考慮し、5ポイントのレーティング上昇を得た。この結果により、コディ・モー調教師にとって初のダービー出走馬となる可能性が高まった。

11. カップフェラ (AUS)
前回のランキング順位 | 11 |
調教師 | フランシス・ルイ |
レーティング | 83 |
前の調教師 | クリス・ウォーラー |
オーストラリアでのカップフェラの戦績は、今でも高く評価されている。G1・スプリングチャンピオンステークスで彼を下したトムキトゥンは、先週末のG1・オールスターマイルでミスターブライトサイドを破った。一方、G1・ローズヒルギニーでカップフェラよりも一つ上の着順だったチェオルウルフも、今秋の飛躍が期待される。カップフェラがダービーで好走するには、こうした実績をそのまま香港で発揮するしかない。なお、海外ではまだ未勝利戦に出走する資格がある。
12. プレイフォーミア (AUS)
前回のランキング順位 | 11 |
調教師 | コディ・モー |
レーティング | 76 |
輸入区分 | PPG(未出走の輸入馬) |
コディ・モー調教師が、開業2年目のシーズンで2頭のダービー出走馬を送り出すには運も必要だが、プレイフォーミアはそのギリギリのラインにいる。前走の2000m戦では最後まで粘り強く走ったものの、8ポンド重い斤量を背負っていたエンスロールドに差し切られてしまった。もしダービーに出走できれば、積極策を取り、しばらくは前々で粘る展開に持ち込むことも考えられる。
13. ローライダー (GB)
前回のランキング順位 | 15 |
調教師 | キャスパー・ファウンズ |
レーティング | 78 |
前の調教師 | M.ハルフォード & T.コリンズ |
先週末のバンドルアワードとの一戦で4着に敗れ、ダービー出走は厳しい状況になったと思われた。しかし、他の候補馬が脱落していく中で、完全に除外されたわけではない。もし出走できたとしても、バンドルアワードやマークウィンとの差を詰める必要がある。
14. エンスロールド (USA)
前回のランキング順位 | 24位タイ |
調教師 | ジョン・サイズ |
レーティング | 78 |
前の調教師 | サー・マイケル・スタウト |
エンスロールドがレーティング73でダービー出走を果たすことになれば、レーティング80のモンディアルらを抑えての出走となり、物議を醸すことになるかもしれない。しかし、前走のプレイフォーミア戦での最後方からの差し切り勝ちによって、彼は出走候補の一角に食い込んだ。我々の専門家パネルも、モンディアルよりもエンスロールドの方が、もし出走枠を得られた場合にチャンスがあると考えている。
専門家パネル: デイヴィッド・モーガン(Idol Horse)、アンドリュー・ホーキンス(Idol Horse)、マイケル・コックス(Idol Horse)、スティーヴン・ホー(Idol Horse)、ゾヘル・アブドゥルカリム(タイム誌アジア版元編集者・香港競馬専門家)、ピート・トゥーミー(ブラッドストックエージェント)、グラント・コートニー(競馬写真家)、マイク・ドゥルーズ(香港競馬アナリスト)、ルーク・ミドルブルック(香港競馬アナリスト)