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2025 スプリンターズステークス

  • 開催日 9月28日
  • 競馬場 中山競馬場(右回り)
  • 所在地 千葉県船橋市
  • 格付け(国内) G1
  • 格付け(国外) G1
  • 出走条件 3歳以上
  • コース
  • 距離 1200m
  • 総賞金 3億6990万0000円
  • 総賞金(米ドル) 約246万6000ドル
  • 創設 1967年(初代優勝馬オンワードヒル)
  • IHFA世界トップ100競走ランキング 89位タイ

G1・スプリンターズステークスは、日本の秋の短距離G1レースである。

サイレントウィットネスやテイクオーバーターゲットといった海外の伝説的スプリンター、ロードカナロアやグランアレグリアといった日本の名馬もこのレースを制してきた。日本の秋のG1戦線の幕開けを告げる一戦として定着している。

歴史上、このレースを勝った種牡馬が、その産駒で再びスプリンターズステークスを勝った例はまだない。しかし今年は、このレースを2度制した名馬ロードカナロアが、おそらく1番人気に推されるサトノレーヴを送り出し、歴史を塗り替えるチャンスを迎えている。

昨年の覇者であるルガル(2024年)や一昨年覇者のママコチャ(2023年)が2度目の勝利を狙って出走する一方、香港から参戦するラッキースワイネスは、2010年のウルトラファンタジー以来となる外国馬による勝利を目指す。

勝ち馬は概して人気サイドから出る。直近14回のうち11回で、勝ち馬は単勝3番人気以内だった。一方で、三連系などの組み合わせ馬券は手広く構えると妙味が大きい。2011年以降、5番人気以下から勝ち馬3頭・2着7頭・3着11頭が出ており、その間の14回のうち6回で、三連単に単勝40倍超の大穴が絡んでいる。

近年はセントウルステークスが最重要前哨戦となり、過去13年で7頭の勝ち馬を輩出。今年はカンチェンジュンガ(1着)、ママコチャ(2着)、トウシンマカオ(3着)、ヨシノイースター(7着)がここを経て参戦する。

過去10年間で、海外で前走を使ってこのレースに出走してきた馬は8頭いるが、いずれも3着以内に入っていない。今年はサトノレーヴ、ダノンマッキンリー、ラッキースワイネス、ルガルが、前走海外というローテーションでこのレースに臨む。

枠順では内枠有利が顕著で、1~8番ゲートから7頭の勝ち馬と15頭の3着以内馬が出ている。外枠(9番より外)からは3頭の勝ち馬と5頭の3着以内馬にとどまる。

さらに、直近のレースで第4コーナーを5~9番手で回った馬が、過去10年間で9頭勝利している。今年はジューンブレア、カピリナ、ルガル、トウシンマカオ、ヨシノイースターが該当する。

視点: 実力差

難しく考える必要はない。昨年のスプリンターズステークスで7着に敗れて以降、7番サトノレーヴは父ロードカナロア以来の日本最強スプリンターへと成長し、地元勢では格上の存在だ。

ロードカナロアは2012年と2013年にスプリンターズステークスを連覇。初年度の勝利後、国際レーティングでは不当に低い120を与えられたが、翌年の香港スプリントを圧勝すると128に評価が引き上げられた。

サトノレーヴはそこまでの高みに達していないが、3月のG1・高松宮記念を制した後、シャティンでカーインライジングの2着、ロイヤルアスコットではラザットの2着と世界トップレベルと互角に渡り合った。

この戦績は現役スプリント路線で最高評価と言える内容であり、国際レーティングはまだ発表されていないが、シャティンでカーインライジングに2馬身1/4差で敗れた内容から推測すると119前後が見込まれる。この数字はロードカナロア以降ではグランアレグリア(121)を除く歴代勝ち馬を上回る。

国内の現役スプリンターで国際レーティング120以上の馬は見当たらず、さらにライバルになり得る有力馬の何頭かは海外に遠征しているため、サトノレーヴは国内では明確に頭一つ抜けた存在となっている。

香港馬ラッキースワイネスは前走、カーインライジングにサトノレーヴと同じ着差の2着だったが、9ポンド軽い斤量での結果。サトノレーヴは同斤量で戦っており、7歳となったラッキースワイネスが脚部手術を経て復活しても、ここで勝ち切るのは難しいかもしれない。

7番ゲートは理想的で、ジョアン・モレイラ騎手が好位追走のベストポジションを取りやすい。三連系の軸に最適だ。

推奨馬: 7-2-4-13

買い目: 7番サトノレーヴを軸に、2番ヨシノイースター、4番ママコチャ、13番ジューンブレアを抑える。

視点: コース適性

日本の主要競馬場は世界的に見てもシンプルな構造だが、中山は東京競馬場と比較すると特殊なコースだ。小回りのコーナーと最後の坂が特徴で、タフな馬でも苦戦する厳しい条件だ。有馬記念が年末の「最終決戦」と呼ばれるのも納得できる。

このコースと距離で同年に勝利している馬はスプリンターズステークスで好走傾向が強い。
2022年のジャンダルム(単勝20.3倍)、2015年2着サクラゴスペル(28.8倍)、2017年3着ワンスインナムーン(16.0倍)などが好例だ。

13番ジューンブレアは中山1200mで3戦3勝。直近では2025年3月にアクアマリンSを逃げ切った。

今年、この条件で勝っているのはジューンブレアのほか、昨年の覇者ママコチャ、堅実派ヨシノイースターの3頭。

ジューンブレアは前走G3・CBC賞からの参戦。このレースは国際的にも注目度が高く、勝ち馬インビンシブルパパはG1・ブリーダーズカップターフスプリント(デルマー)、3着シュトラウスはラッセルボールディングステークス(ランドウィック)に出走予定だ。ここで好走すれば、ジューンブレア自身もG1・香港スプリントなど海外遠征が視野に入る。

中山巧者ジューンブレアを軸にした馬券戦略が有効だ。

推奨馬: 13-7-4-2

買い目:  13番ジューンブレアを軸に、2番、4番、5番、7番へ流す。

視点: スピード能力

昨年のスプリンターズステークスで驚異のハイペースを刻んだあの馬が(あの9.9秒の区間ラップを覚えているだろうか?)、まったく新しいアプローチで戻ってくる。1番ピューロマジックはサトノレーヴほどの格には及ばないかもしれないが、G1・アルクオーツスプリントで2走前に初めて見せた戦法の変化により、安田翔伍厩舎の“元・逃げ一辺倒の馬”は人気薄ながら検討対象に浮上してくる。

ドバイでは、ゲートでわずかに出遅れて窮屈になったあと、オイシン・マーフィー騎手が控える競馬を選択した。ピューロマジックがコーナーまで先頭に立たなかったのは、2023年9月の新馬勝ち以来これが初めてで、その後の9戦はすべて前でペースを作っていた。結果はビリービングの5着。控えた馬の中では群を抜く内容だった。

8月3日の秋初戦、G3・アイビスサマーダッシュでは好スタートを切ったものの、新コンビのクリストフ・ルメール騎手が数完歩で再び手綱を抑える選択。戦術はさらに効果的に働き、4.6倍の2番人気ながら中団より後ろから進み、もう一頭の快速馬テイエムスパーダをじわじわと差し切って僅差で制した。

昨年のように終始厳しいラップを刻んで終いに8着へと失速する “逃げの役回り” を担うのではなく、今回は内枠を生かし、松山弘平騎手が本馬の戦術的スピードと新たに得た自在性を引き出して先頭集団の直後という要所の好位を取りにいけるはずだ。

三連系の穴として有力な一頭である。

推奨馬: 6-7-1-11

買い目: 1番ピューロマジックと6番ナムラクレア、7番サトノレーヴの組み合わせ。

IDOL HORSEの記者の見解推奨馬
マイケル・コックス7-2-4-13
アンドリュー・ホーキンス13-7-4-2
コスタ・ロルフ6-7-1-11
ルガル / 2024 G1 スプリンターズステークス
ママコチャ / 2023 G1 スプリンターズステークス
ジャンダルム / 2022 G1 スプリンターズステークス
ピクシーナイト / 2021 G1 スプリンターズステークス
グランアレグリア / 2020 G1 スプリンターズステークス

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