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水曜日、大井競馬場で行われた3歳ダート三冠の最終戦、Jpn1・ジャパンダートクラシックでは、フィンガーの“ダート三冠”達成は実現しなかった。一方、この一戦を制したサンデーレーシング所有のシルバーレシオには、あらゆる選択肢が開けているようだ。

田中博康厩舎のフィンガーは今年、大井で行われた羽田盃と東京ダービーを制し、ダート三冠の最初の二戦を勝ち取った。

その実績を携えて太平洋を渡り、G1・パシフィッククラシックステークスに挑戦したものの、ナイツブリッジが制したレースで11頭立ての最下位に敗戦。米国遠征での敗北は、遠征帰りの同馬に影響を残したようで、レース前の調教でも、動きの鈍さとぎこちなさが目立っていた。

フィンガーが失速して9着に終わる一方、東京ダービー2着馬のシルバーレシオは横山武史騎手を背に輝きを放った。野中賢二調教師によれば、まだ成長が追いついていない3歳馬だけに、今後の上積みも期待できるという。

次走にはJBCクラシックの可能性があるが、12月に再び大井で行われる東京大賞典も選択肢となる。

東京大賞典は地方競馬で唯一の国際G1。同じ年にジャパンダートクラシックと東京大賞典を制した直近の馬は、2024年のフォーエバーヤングだ。なお、同馬は両レースの中間に出走したG1・ブリーダーズカップクラシックで、3着に入っている。

シルバーレシオの野中師はレース後、「賞金的に心配することなくなったので、どこでも行けます」と今後のみと見通しを語った。

「心肺機能は元々すごい馬だって獣医さんに言われていました。まだちょっと体がそこについてきていないという状態は、(横山)武史くんも言ってたんですけどね」

「みんな跨った人言うんですけど、ちょっとまだ硬いというか、関節の可動域とかが、徐々に良くなってるんですけど、それでもまだ心臓に追い付いていないという状況です」

こうした点から野中師は、シルバーレシオの完成度を「良くても70パーセントくらい」と見積もる。その成長段階に加え、追い込み脚質も次走選びを左右しそうだ。

野中師としては、JBCクラシックが今年開催される舞台については、「(金沢競馬場の小回りは)ちょっとイメージはわかないですよね。脚質的に。距離は2100というのは全然こなせるかなと思うんですけど、こういう脚質なんで」と見ている。

「権利は取ったので、次走候補として全くなしというわけではありません。たださっきも言ったように、ここまでしっかり賞金も加算できてますし、あまり詰めて使いたくはありません」

「(東京大賞典についても)年内どうなんですかね。1戦とかでもいいのかなとか思いますけどね。大井は二回ともしっかり走れていますし、候補としてはありかなと思います」

なお、横山武史騎手が実戦でシルバーレシオに騎乗するのは今回が初めて。これまで騎乗していた岩田望来騎手は、先日の阪神で勝利したレース中の斜行による騎乗停止処分を受けていた。

Silver Ratio after winning the Japan Dirt Classic
SILVER RATIO / Jpn1 Japan Dirt Classic // Oi /// 2026 //// Photo by @s1nihs (X)

この日、シルバーレシオは無難にスタートを切り、鞍上の横山武史は馬のリズムを優先して走らせた。1コーナーでは後ろから3番手、先頭から20馬身以上離れていた。その先頭で息の入らない速いペースを刻んでいたのは、坂井瑠星騎手が乗るフィンガーだった。

向正面の終わりに差し掛かると、鞍上はシルバーレシオを外へ持ち出し、進出を促した。最後のコーナーを回る頃には先行勢を射程に捉え、勢いもついていた。

横山武史騎手は勝利した一戦を、「前半は馬のリズムを大事にしました」と振り返る。

「向正面ではすごく離れていたので、心配な面が結構あったんですけど、3~4コーナーの反応が結構、想像以上に良くて、直線を向いたときは前をしっかりとらえてくれるんじゃないかなと期待して追い出しました」

フィンガーが後退する中、シルバーレシオはワンダーディーンをじわじわと追い詰め、最後は1馬身差で勝利。相手も骨のある顔ぶれだった。2着馬のワンダーディーンは今年、G2・UAEダービーを制し、G1・ケンタッキーダービーでも8着の実績。3着にはG3・レパードステークス覇者のチェリヴェントが入った。

シルバーレシオの通算成績は9戦4勝、2着は3回ある。この路線の有望株として、父ルヴァンスレーヴのようなダートのスターへ成長する可能性を秘めている。ルヴァンスレーヴは3歳時の2018年、Jpn1・マイルチャンピオンシップ南部杯とG1・チャンピオンズカップを連勝してシーズンを締めくくった。

そして、来年初めには、シルバーレシオのサウジアラビアやドバイへの遠征もあるかもしれない。

「古馬になったらかなりもっと走れると思う」と野中師は展望を明かす。

「そこまでうまくどう持っていくかは、デビュー当時から考えていました」

「少しずつですけど成長していますし、あれだけ脚を使うと馬への負担もけっこう大きいので、そこをうまくケアしながら状態を見て、次を決めたいなと思っています」

フランク・チャン、Idol Horseのジャーナリスト。世界を旅する競馬ファンとして、アメリカ、カナダ、チリ、イギリス、フランス、ドバイ、オーストラリア、香港、そして日本の競馬場を訪れた経験を持っている。

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デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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