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暗い雲がシャティン競馬場の上空に広がり、雷鳴が響く中、日曜のG1・チャンピオンズ&チャターカップへ向け、日本から遠征した2頭が強い存在感を示した。ロマンチックウォリアーは、香港競馬史上3頭目となる香港三冠達成を狙う。その挑戦を阻もうとする日本馬たちが、本番前に警鐘を鳴らした。

香港三冠シリーズを完全制覇したのは、1994年のリヴァーヴァードンと、昨季のヴォイッジバブルのみ。

1600mのスチュワーズカップ、2000mの香港ゴールドカップ、そして日曜に行われる2400mの長距離戦。異なる距離への高い対応力が求められる偉業であり、達成すればレース賞金とは別に1000万香港ドル(約2億円)のボーナスも与えられる。

木曜の追い切りで2頭が見せた動きは、世界賞金王のロマンチックウォリアーにとって、日本馬たちも本番で侮れない存在であることを示すものだった。もっとも、8頭のライバルの中で最も警戒する相手を問われたロマンチックウォリアーのダニー・シャム調教師は、その言葉に迷いは無かった。

「警戒するのは、いつも日本馬です」とシャム師は断言する。

「日本馬は常に強い相手ですし、世界中に力のある馬を送り出しています。日本のG1競走は非常にレベルが高いので、軽く見ることはできません」

ROUSHAM PARK, CHRISTOPHE LEMAIRE / G2 Sankei Sho // Nakayama /// 2023 //// Photo by JRA

田中博康厩舎のローシャムパークは、すでに香港へと2度遠征しており、いずれも2000mでロマンチックウォリアーに敗れているが、今回は2400mへの挑戦となる。

2024年、デルマー競馬場のG1・BCターフでは、当時5歳馬だったローシャムパークは世界を転戦するレベルスロマンスにクビ差まで迫った。距離延長は、むしろ歓迎材料となるはずだ。直近では3月、中山競馬場のG2・日経賞(2500m)に出走し、鋭く追い込んで3着に入っている。

小雨が降る中、ローシャムパークは最初に芝コースで追い切りを実施。コーナーまでは余力を残して進み、渋った馬場でも最後の400mを23.2秒でまとめた。

今回の遠征をサポートしているノーザンファームの齋友祐氏は、ローシャムパークの様子について次のように話す。

「こちらに来てからも落ち着いて過ごせています。日曜に到着しましたが、日本で本格的な追い切りは済ませてきました。今回は状態を整える程度の内容です。大きなストライドの馬なので、こういう馬場は普通なら理想的ではありません。ただ、ハービンジャー産駒ですし、今日は問題なく動けていました」

日曜日に迫ったレースでは、ヒュー・ボウマン騎手がローシャムパークに騎乗する。

この日、ディープモンスターが続いてコースに姿を現した。序盤はやや重たく見えたものの、最後の400mは22.4秒と鋭い伸びを見せた。

8歳馬のディープモンスターは、三冠馬のオルフェーヴルを送り出し、ロマンチックウォリアーをドバイターフで破ったソウルラッシュも手掛けた池江泰寿厩舎の管理馬。G1勝利はまだないが、前走、カタールのG2・アミールトロフィー制覇から香港へと転戦する。

なお、チャンピオンズ&チャターカップでの鞍上は、ジョアン・モレイラ騎手を予定している。香港で輝かしいキャリアを築いてきたブラジル出身の名手にとって、このレースはまだ手にしていない唯一の香港G1タイトルだ。

ロマンチックウォリアーが香港で最後に敗れたのは、3年前のこのレースだった。2000mを超える距離に出走したのも、この一戦だけである。その事実が、すでに競馬史に残るキャリアを築いてきたロマンチックウォリアーの香港三冠挑戦に、もう一つの見どころを加えている。

週末は晴れて暑くなり、気温は32度まで上がる予報となっている。雨の可能性は低く、木曜に日本馬2頭が走った渋った馬場よりも、硬い馬場で本番を迎えることになりそうだ。

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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