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ダニー・シャム調教師は、ロマンチックウォリアーが脚の手術から復帰し、12月のG1・香港カップで史上初の4連覇に挑むため、9月27日にハッピーバレー競馬場でのバリアトライアルを目標に調整を進めていることを明らかにした。

7歳馬のロマンチックウォリアーは、すでに総獲得賞金が2億1470万香港ドルを超え、世界で最も稼いだ現役競走馬となっている。今年5月下旬、負担の大きかった中東遠征を終えた後、左前脚の球節にボルトを挿入する手術を受けた。手術からわずか3カ月余り、先週木曜には初めて速い調教を消化し、11月の復帰に向けて順調な仕上がりを見せている。

「すでにキャンターをこなしていますし、順調ですよ。27日にハッピーバレーでバリアトライアルを行う予定です」と、シャム師は水曜夜のハッピーバレー開催で語った。

バリアトライアルを無事に終えれば、ロマンチックウォリアーは香港国際競走で4年連続のG1・香港カップ制覇を目指すことになる。香港国際競走で同一レース4連覇を達成した馬はこれまで存在せず、前人未踏の偉業となる。

復帰戦の舞台には11月23日のG2・ジョッキークラブカップ(2000m)、またはG2・ジョッキークラブマイル(1600m)が有力視されている。

5月に計画されていたロマンチックウォリアーの凱旋パレードは故障のため中止となったが、香港ジョッキークラブ(HKJC)の関係者は、手術が関節を安定させ、早期復帰を促す最良の選択だったと説明。シャティン競馬場内の競走馬病院で起立したままの状態で行われた手術は、ごく一般的な手術であり、合併症もなく終了したという。

ROMANTIC WARRIOR / September 4 gallop // Sha Tin /// 2025 //// Video by HKJC

シャム師は今後の遠征プランについては多くを語っていないが、今年のサウジカップでフォーエバーヤングに惜敗した雪辱を果たすため、2026年のサウジカップ再挑戦も視野に入れていることを示唆している。

「サウジに戻る可能性もありますし、今年と同じくドバイに行くかもしれません。一戦一戦、しっかり見極めて慎重に判断したいと思います」

また、シャム師自身も最近膝の手術を受けたばかりで、まだ足に痛みを抱えながら厩舎を回っている。そして、厩舎の看板馬の復帰が近づく一方で、ダービー候補の新戦力は早くも試練に直面している。

アイルランドから高額で購入され、鳴り物入りで香港に輸入された愛ダービー2着馬のシリアスコンテンダー(香港での登録名は未定)は、厩舎入りからわずか1週間で右前脚球節に跛行の兆候を見せた。

「1週間ほど調教して、ウォーキング、トロット、そして軽めのキャンターまで進めたところで跛行が出たんです」とシャム師は説明。HKJCの公式サイトでは「右前脚球節の負傷」と発表されたが、シャム師は「それほど深刻なものではありません」と強調した。

 「幸い、早い段階で気付くことができました。右前脚に少し跛行が見えたので、すぐに痛めていると分かりました。もし見逃していたら、もっとひどくなっていたかもしれません」と述べ、復帰時期については明言を避けた。

2026年の香港ダービーを目指す同馬は、チャン・カムフン氏の所有馬で、同氏は2024年にG1・香港ダービーをマッシヴソヴリンで制している。現時点でレーティング88を保持しており、通常であれば出走権をほぼ確実に得られる水準だ。だが、休養が長引けば準備期間は限られ、3月の大一番に向けて時間との戦いを強いられることになる。

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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