ジャック・ダウリング
ロイヤルアスコット開催4日目は、G1競走のコモンウェルスカップとコロネーションステークスを中心とした3歳馬の戦いとなる。
3歳牝馬のマイル戦であるコロネーションSでは、フランシスアンリ・グラファール調教師が送り出すザリガナが、G1・フランス1000ギニーでの劇的な勝利に続き、10頭のライバルと対決する。このフランスからの遠征馬は、前走は後方から猛烈な追い込みを見せ、ゴール前で1位に入線したシーズパーフェクトがグラファール厩舎の牝馬に進路妨害をしたとみなされ、審議の結果、裁決委員によって勝利が認められた。ザリガナの主なライバルは、両方とも追加登録された無敗馬のファラケヤとコンティキの2頭のようだ。
コモンウェルスCでは、G1・英2000ギニーで3着に入ったシャドーオブライトが、水曜日のプリンスオブウェールズSを制したオンブズマンと木曜日のゴールドカップを制したトローラーマンに続き、ゴドルフィン調教師に今週3つ目のG1タイトルをもたらすことを目指す。
イチオシ推奨馬: 6Rキングエドワード7世S・1番 アミロック
デイヴィッド・モーガン
マイルのクラシックで3着以内に入った2頭が、その数週間後にG1のスプリント戦に出走することは滅多にないが、今年のコモンウェルスCは、ゴドルフィンのシャドーオブライトとジャドモントのジョンキルという、これまでで最高のメンバー構成となる可能性がある。ジョンキルはロンシャンの仏2000ギニーで2着、一方のシャドーオブライトはニューマーケットの英2000ギニーで3着だった。それだけでなく、シャドーオブライトは昨年、G1・ミドルパークステークスとG1・デューハーストステークスを制した2歳チャンピオンでもある。ただし、電光石火の速さを誇るアスコットの芝で、彼は最高の切れ味を見せる必要があるだろう。
スピードのある強力なライバルたちの中には、昨年のG2・クイーンメアリーステークス勝ち馬レオヴァニ、ジャドモントの快速牝馬バブーシュ、エイダン・オブライエン厩舎のアイデスオブマーチとホイッスルジャケット、そしてこのレースの指定トライアルを初戦で制したものの、前走ヘイダックで不運に見舞われたビッグモジョらが名を連ねる。
無敗の2歳馬レディイマンはアスコットを回避したが、今週のG2・クイーンメアリーSをトゥルーラヴが制したことで、彼女の評価はさらに上がっている。G3・アルバニーステークスでは、ナース競馬場でレディイマンに次ぐ2着、3着だったグリーンセンスとシニョーラが再び激突するため、レディイマンの株をさらに高める可能性がある。興味深い17頭立てのこのレースには、前走ガルフストリームパークのクイーンメアリーSで3着だったレニルーに次ぐ2着に入り、今年のプリークネスSを制したウンベルト・リスポリ騎手が騎乗するビビダールも含まれる。
イチオシ推奨馬: 4RコロネーションS・11番 ザリガナ
アンドリュー・ホーキンス
3歳馬の競走は、G1レースだけでなく、G2・キングエドワード7世ステークスとパレスオブホリールードハウスステークスにも及ぶ。キングエドワード7世Sはアスコットダービーとも呼ばれ、エプソムダービーからの参戦馬が集まることがある。過去10年の勝ち馬のうち5頭は、このレースに出走する前にダービーを走っていた。しかし今年は、ナイトウォーカーとグリーンストームしかダービーからの臨戦過程に該当しないため、他の馬がはるかに魅力的に見える。コックドハットステークスの勝ち馬アミロック、リングフィールドダービートライアルの勝ち馬パペットマスター、前走キングジョージ5世カップを制したザフランは、昨年のロイヤルロッジS勝ち馬ウィンブルドンホークアイと同様に、距離適性があれば有力候補となる。
その後のレースだが、全く異なる見込みなのが5ハロンのパレスオブホリールードハウスSだ。2020年に追加されたこのレースは、紙面上では波乱含みとなるはずだが、これまでの5年間は比較的順当な結果となっている。ワスナンレーシングは今週の開催で注目を集めている勢いのある陣営だが、アスコットの5ハロン戦で人気を集めたブルーポイント産駒のリアラインで、その成功は続くだろう。ウィリアム・ハガス調教師が管理するこの牡馬は、前走ソールズベリーで未勝利戦を制したが、昨年はコモンウェルスCの有力馬シャドーオブライトに次ぐ2着でデビューし、短い距離が合いそうだ。
イチオシ推奨馬: 1Rアルバニーステークス・14番 シニョーラ
ロイヤルアスコット開催4日目は、現地時間午後2時30分（日本時間午後11時30分）に第1レースが発走予定。∎
