ジェームズ・マクドナルド騎手は4月1日に延期された地元オーストラリアでのG1レース、タンクレッドステークスの騎乗をキャンセルし、ドバイでの大一番に専念することになった。
ドバイで待つのは、同じく4月1日火曜日の朝に行われるロマンチックウォリアーのメイダン競馬場での追い切りだ。来週末のG1・ドバイターフ(1800m)に向けて、ロマンチックウォリアーとの調整を進める。
当初、マクドナルド騎手は日曜日の夜にシドニーを出発する予定だったが、その計画は開催延期があっても変更されることなく、最初の予定通りであることが確認された。シドニーはマクドナルド騎手が拠点を構える街であり、競馬の最も忙しい時期と重なるため、これまでドバイワールドカップデーで騎乗したことはなかった。
「どんな大きなレースも欠席するのは大きな決断ですが、今回はそのいくつかを欠席することになりました」とマクドナルド騎手は語る。
「来週土曜日はシドニーで最も重要な日の一つです。だからこそ、私をこの時期に遠くへ行かせる理由は、非常に特別なものだったということです」
その『非常に特別なもの』とは、香港のチャンピオンであるロマンチックウォリアーだ。ロマンチックウォリアーは、1月にメイダンで行われたG1・ジェベルハッタ(1800m)で圧倒的な強さを見せつけ、その実力を証明した。
ダニー・シャム調教師が管理するロマンチックウォリアーは、再びメイダンの舞台に戻り、G1・ドバイターフ(1800m)に挑むこととなる。サウジカップ(1800m)ではフォーエバーヤングに次ぐ2着という素晴らしい結果を残した後、今度は芝の舞台での再挑戦となる。
「ダニーは先日、ロマンチックウォリアーはサウジアラビアよりもドバイでの方が居心地が良いようだと言っていました。彼はドバイの環境を非常に気に入っていて、調整も順調です。今週騎乗するのが楽しみです」
「芝に戻ることは彼にとって明らかに有利ですし、リバティアイランドのような強敵がいても、このレースは彼にとって非常に適した舞台だと思います。1800mはまさに彼のための距離で、メイダンでの経験、コース、距離すべてが彼にとって馴染みのあるものです」
「リバティアイランドやソウルラッシュ、昨年の優勝馬のファクトゥールシュヴァルといった強力なライバルがいる中で、最高のパフォーマンスを見せないといけませんが、最高の状態の時にロマンチックウォリアーがどれほど素晴らしいか私たちは知っています」
マクドナルド騎手はサウジカップでの騎乗が批判を浴びた。コーナーでロマンチックウォリアーを外から押し上げ、リヤドの直線で早めに追い出したことが問題視されたのだ。騎手自身はその批判を認めつつ、もし時間を戻せるなら変えたい部分もあると認める一方で、ロマンチックウォリアーの実力に対する賛辞を惜しまない。
「リプレイを見返すことができなかったですよ」とマクドナルド騎手は冗談交じりに話す。
「いや、もちろん見ましたし、何度も頭をよぎります。どうすれば違う結果になったか、何を変えられたかを考えるのは避けられませんが、それが競馬です」
「もし他の馬が追いかけてきていたら、あんなに近づけなかったでしょう。彼を本当に誇りに思っています。彼は決して自分の仕事を放棄しませんでした。初めてのダートだったにもかかわらず、しっかりと走り切りました。負けたとはいえ、正直に言って、それは彼の最高のパフォーマンスの一つだったと言えます」
マクドナルド騎手は、香港から出走予定のジョン・サイズ調教師が管理するハウディープイズユアラブにG1・アルクオーツスプリント(1200m)で、またフランキー・ロー調教師が管理するソードポイントにG2・ゴドルフィンマイル(1600m)で騎乗予定だ。
「ハウディープイズユアラブがベストの状態で出走すれば、打ち負かすのは相当難しいはずです。このレースは混戦な感じがしていて、彼が最高の状態ならカーインライジングと比べてもそれほど差がありません」
「もちろん、レース展開の運も影響しますが、ジョン・サイズ調教師がついていますし、シャティンの直線1000mのレースではありますが勝っていますので、その経験が役立つはずです」
「1月に私が感じたことから言うと、このコースはの6ハロン戦は非常に厳しいレースでした。平坦なコースではありますが、そのレースの走り方からするとまるで1400mのレースのように感じました。昨年のカリフォルニアスパングルの走りからもそのことが分かります」
「ハウディープイズユアラブはクイーンズシルバージュビリーカップで1400mを走った経験があり、それが良い結果に繋がるはずです。彼にはスタミナがあるのでそれが助けになると思います」
「ソードポイントは今シーズン、ダートで別格のようですが、一方でそれはクラス2のレースに過ぎません。おそらく最も激戦のレースになるでしょうから、厳しい戦いになると思いますが、挑戦する価値はあります」

マクドナルド騎手がシドニーでのザ・チャンピオンシップス開催の初日を欠席するため、ライアン・ムーア騎手が代わりにランドウィック競馬場で騎乗する。
G1・T Jスミスステークス(1200m)ではクールモアのスイッツァランドに、G1・ATCサイアーズプロデュースステークス(1400m)ではウォートンに騎乗することになり、これは大陸を跨いだイス取りゲームのようだ。
一方で、マクドナルド騎手はムーア騎手の代役として、エイダン・オブライエン調教師のコンティニュアスでG2・ドバイゴールドカップ(3200m)に騎乗することになる。
しかし、クールモアのもう1頭の出走馬でアルクオーツスプリント出走予定のビリーヴィングはハウディープイズユアラブの先約があるため騎乗しない予定だ。
「クールモアのコンティニュアスに騎乗するのは素晴らしい機会です。こんな馬に騎乗できるのは本当に嬉しいことです。彼はG1の勝ち馬で、ベストの状態なら十分に能力を発揮できる馬です。エイダンの馬にはあまり騎乗したことがありませんが、数年前のメルボルンカップで一度騎乗したことがあります。また騎乗できるのが楽しみです」
(訳者注:コンティニュアスは後にマクモナグル騎手へと鞍上が変更)
ドバイでの騎乗を終えた後、マクドナルド騎手はシドニーに戻る。ザ・チャンピオンシップス2日目では、G1・クイーンエリザベスステークス(2000m)に出走予定のヴィアシスティーナに騎乗する。