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この時期になると、世界の競馬界の注目は、メイダン競馬場のドバイワールドカップへ集まる。

だが、中東で続く紛争がドバイにも日々影響を及ぼしていることで、実際にどれだけの馬、騎手、調教師が現地入りできるのか、開催そのものが実現するのか、さらに各レースの頭数を十分にそろえられるのかという疑問が浮上している。

日本のトップホース、フォーエバーヤングはG1・サウジカップ制覇後、すでにドバイ入りしている。現地入りを予定している矢作芳人調教師は、日本のメディアに対し、現地のスタッフや馬たちは無事だと説明し、危険が強調されて報じられていることに戸惑いも示していると話した。

それでも、ドバイに現実的なリスクが残っているのは確かだ。第30回目を迎えるG1・ドバイワールドカップの開催予定日まで2週間半となった水曜、ドバイ空港近くにイランのドローンが落下し、4人が負傷した。

2月28日に始まった今回の紛争により、ドバイでは1人が死亡し、アラブ首長国連邦全体では死者が6人に達している。

日曜には、イランが湾岸地域の米軍基地やその他の戦略目標に戦力の60%を向け、残る40%をイスラエル方面に向けていると表明した。

ドバイでの今回の負傷者発生は、ブリティッシュ・エアウェイズがドバイ便の運航停止を決めた翌日のことだった。

同社は月末まで少なくとも欠航を続ける主要航空会社の一つで、香港のキャセイパシフィック航空も、ドバイワールドカップ開催予定日の3月28日まではドバイ便の運航を取りやめている。

イランが水曜朝に“第37波”と呼ぶドローンやミサイル攻撃を湾岸地域一帯へ放ち、また隣国のバーレーンやカタールでは競馬を含むスポーツ開催が中止されたにもかかわらず、公式には、ドバイでの競馬開催は継続され、ワールドカップも予定通り実施されるという立場だ。

ドバイレーシングクラブはIdol Horseに対し、次のような声明を寄せた。

「第30回ドバイワールドカップは、2026年3月28日土曜にメイダン競馬場で予定通り開催されます。準備は計画通り進んでおり、イベント当日にゲストおよび競馬関係者の皆さまをお迎えできることを楽しみにしています」

ただし、航空便の欠航を受け、現地取材を予定していた一部メディア関係者は渡航を取りやめた。また、ここ数日で、まだ出国していない馬のうち、海外からドバイのレースに向かう予定だった一部のオーナーや調教師も回避を決断しており、とりわけ日本勢でその動きが目立っている。

香港のファストネットワークも、同開催のG1・アルクオーツスプリントへの出走を見送る見通しとなっている。

日本馬の回避リストは、さらに増える可能性がある。過去1週間で少なくとも11頭が回避となっており、主なところではマスカレードボール、ウィルソンテソーロ、ミッキーファイト、ウインカーネリアン、コスタノヴァ、そしてドバイシーマクラシックの前年覇者であるダノンデサイルが含まれる。

ダノンデサイルについては、安田翔伍調教師がSNSを通じて不参加を明らかにした。なお、マスカレードボールはその後、軽い故障も判明しており、どのみち出走は難しかった。

ダノンデサイルの不在で、シーマクラシックはとりわけ手薄な顔ぶれに映る。さらに、昨年のワールドベストレースホース、カランダガンがフランスからドバイへ遠征するかどうかも不透明なままだ。

Danon Decile wins Sheema Classic
DANON DECILE / G1 Dubai Sheema Classic // Meydan /// 2025 //// Photo by Shuhei Okada

一方で、栗東所属の9頭は、状況がこれ以上悪化しなければ、3月18日の便でドバイへ向かう意向を保っている。関東の美浦トレセンから向かう馬の一覧は、まだJRAから公表されていない。なお、JRAは今回の開催に職員を派遣しない予定だ。

出発予定の栗東勢には、G1・有馬記念馬のミュージアムマイルが含まれており、同馬はG1・ドバイターフを目標としている。そのほか、テーオーエルビス、ガイアフォース、ルガル、パイロマンサーも渡航予定馬に名を連ねている。

すでに現地にいるフォーエバーヤングに加え、アメリカンステージ、シンフォーエバー、ルクソールカフェ、ワンダーディーンもサウジでの出走を経て、そのままドバイで走る予定だ。

ただし、サウジ経由でドバイ入りしているケイアイアギトは、3月16日の便に搭乗し日本へ帰国予定となっている。

ドバイ・スーパーサタデー開催は、当局がミサイルやドローンの迎撃態勢を敷くなかでも、開催を続行する構えであることを示した。

そう考えると、地元の馬たちに加え、すでに現地入りしている海外勢、これから渡航する陣営がいる以上、開催規模を縮小しながらでもミーティング自体は実施される可能性が高い。もちろん、情勢がさらに悪化しない限り、という条件付きではある。

1976年の北米最優秀2歳牡馬、シアトルスルーは、1977年3月9日にハイアリアパーク競馬場で3歳初戦を迎えた。

7ハロン戦を楽な手応えのままコースレコードの1分20秒3/5で快勝し、その後のフラミンゴステークス、ウッドメモリアルでの完勝、さらにはケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスでの米三冠制覇へとつながっていった。

1808年3月10日、1780年に英エプソムで第1回ダービーを制したダイオメドが、米バージニア州で31歳の生涯を閉じた。

殿堂入りジョッキーのジョン・ロングデン騎手は、1966年3月12日、サンタアニタパーク競馬場のサンフアンカピストラーノハンデキャップで、40年に及ぶ現役生活最後の騎乗を勝利で飾った。そのとき騎乗していたジョージロイヤルは、ロングデンにとって通算6032勝目の勝利をもたらした。

ウマ娘は、競馬を題材にした高い評価と受賞歴を誇るゲームであり、ゲームにとどまらず多方面に展開するシリーズでもある。

自然発生的に競馬へ新たな層のファンを呼び込んできたが、競馬業界とそのマーケティング担当者たちは、この現象を十分に生かせているのだろうか。デイヴィッド・モーガン記者が考察する。

今週のIdol Thoughtsでは、香港競馬のエキスパートで元騎手のシェーン・ダイ氏が、マスタートリリオンを巡る異議申し立てを振り返り、優れた裁決委員の条件と、多くの裁決委員が見落としがちな点を論じる。あわせて、テンティリスのニューマーケットHでの敗戦についても語る。

日曜の中山競馬場で行われた、芝1800メートルの3歳未勝利戦。ラベルセーヌは、同世代のライバル相手に力の違いを感じさせる走りを披露した。クラシック戦線のトライアルに名乗りを上げても不思議ではない内容だった。

黒鹿毛牝馬のラベルセーヌはこれがデビュー戦。荻野極騎手を背に中団後方でレースを進めた。荻野は、同じ中山で2022年のG1・スプリンターズステークスをジャンダルムで制した騎手として知られる。

荻野は最終コーナーでラベルセーヌを大外へ持ち出し、大きく回して進出。サンデーレーシング所有のこの牝馬は余裕十分に先頭へ立つと、残り250メートルからさらに加速し、5馬身差の圧勝を収めた。

2着のトーセンブリラーレは既走2戦で5着、11着だった。一方、3着のランウェイミューズは、デビュー戦で次走リステッド好走馬の2着に敗れていた。

ラベルセーヌを管理する鹿戸雄一調教師は、スクリーンヒーロー、エフフォーリア、そして最近ではウインカーネリアンで大舞台の勝利を挙げてきた実績がある。今回の勝ちっぷりから見ても、この牝馬が今後ハイレベルの活躍馬へ成長していく余地は十分に感じられる。

父はキズナ。母のラフォルスは米G2勝ち馬でG1でも好走歴があり、母系には、G1・カドラン賞勝ち馬ルミラクルや、1966年の英オークスと愛1000ギニーを制したヴァロリスがいる。

ゴールデンスリッパー・デー
ローズヒル(オーストラリア)、3月21日

先週末のランドウィックで行われたG2・トッドマンステークスを勝ったパラドキシウムが、混戦模様の前売りオッズで中心に立った。ビョルン・ベイカー厩舎のこの牡馬は、ストレタンルーラーを1馬身半退けて勝利を掴んだ。

この勝利により、ベイカー厩舎のウォーウーヴンは前売り1番人気の座を明け渡した。ウォーウーヴンはデビュー2連勝の後、前走G2・スカイラインステークスで4着に入っている。

候補の一頭としては、アナベル&ロブ・アーチボルド厩舎の牝馬、チャヤンもいる。こちらは土曜のランドウィックで行われたG2・レイスリングステークスを3馬身差で圧勝した。

ドバイワールドカップデー
メイダン(ドバイ)、3月28日

予定通り開催されれば、フォーエバーヤングにとっては、昨年のG1・ドバイワールドカップでの健闘しながらも本来の力を出し切れなかった3着を、今年こそ巻き返す好機となる。先月リヤドで2度目のG1・サウジカップを制しており、態勢は整っている。

もう1頭、サウジからドバイへの連勝を狙うのが、キングアブドゥルアジーズ競馬場の1351ターフスプリントを制したアメリカのリーフランナーだ。

オーストラリアンカップデー
フレミントン(オーストラリア)、3月28日

G1・オーストラリアンカップは芝2000メートルで争われ、これまでマカイビーディーヴァ、ロンロ、ボーンクラッシャー、ダルシファイといった名馬が制してきた。

今年は、先週末のG1・オールスターマイルで連覇を果たしたトムキトゥン、同レース3着で実力牝馬のプライドオブジェニが出走する可能性がある。オーストラリアンギニー勝ち馬のオブザーバーも有力候補の一頭だ。

タンクレッドステークスデー
ローズヒル(オーストラリア)、3月28日

英国からの遠征馬ドバイオナーは、2023年にG1・ランヴェットステークスとG1・クイーンエリザベスステークスを制しており、今回はウィリアム・ハガス調教師のもとでG1・タンクレッドステークスを狙う公算が大きい。

ほかの有力候補にはサーデリウス、アエリアナがいる。同日のカードでは、香港のオーナーたちがG2・タロックステークスの出走馬の中から将来の移籍候補を物色することになりそうだ。

また、G1・ヴァイナリースタッドステークスは、オークス路線へ向かう牝馬にとって重要な前哨戦となる。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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Racing Roundtable, Idol Horse

ワールド・レーシング・ウィークリー、世界の競馬情報を凝縮してお届けする週刊コラム。IHFAの「世界のG1レース・トップ100」を基に、Idol Horseの海外競馬エキスパートたちが世界のビッグレースの動向をお伝えします。

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