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2,000万豪ドル(約19億円)の総賞金を誇るジ・エベレスト(1200m)への遠征を進める香港のカーインライジング。今回、無事に出走枠を確保したことを受け、デヴィッド・ヘイズ調教師は10月の本番に向けた調整方法と輸送面の課題に主眼を置いている。

これまでヘイズは、新シーズン開幕日に組まれている香港特区行政長官盃(1200m)をカーインライジングが走る可能性を否定してきた。135ポンド(約61.2キロ)という過酷なトップハンデが見込まれるからだ。しかし、62歳の同調教師は、その考えを改めつつあるようだ。

「まだ決めていません」とヘイズはIdol Horseの取材に対して考えを語る。。

「トライアルでの動きを見て判断しますが、レースに出すか公開調教にするかのどちらかでしょう」

「7か月ぶりでいきなりぶっつけ本番というのは気掛かりです。オーストラリアのライバルたちは9月に一回走りますから。カーインライジングは初戦でもジ・エベレストに臨めるとは思いますが、やはり一叩きして6週間の間隔を空けたいですね」

ヘイズはまた、前哨戦をシドニーではなく香港で走らせるプランに前向きだと説明した。

「海外では2走だけさせたいと考えており、その2走はエベレストと、その後にもう1レースというプランです。もしエベレストで勝てなければ、おそらくすぐ香港へ戻ります」

調教師はさらに、香港と豪州・カンタベリーでの検疫期間中、カーインライジングに同行させる帯同馬を探しており、ブルーポイント産駒でレーティング46のカーインリジリエンスが候補に挙がっていると明かした。

「まだ決定ではなく、シーズン終盤の走り次第ですが、今のところカーインリジリエンスが同行馬の最有力です」

「調教では良く動くのに、これまでレースではあまり結果を出せていません。もし調子を上げれば香港に残すかもしれませんが、そうなった場合はカーインライジングと一緒に検疫に入る馬として、厩舎のポニー(誘導馬)を連れて行きます。そして、リンジーパークの厩舎にいる私の馬を1頭、カンタベリーで合流させるつもりです」

香港ジョッキークラブの競馬担当エグゼクティブディレクター、アンドリュー・ハーディング氏は、オーストラリア・ターフクラブ(ATC)のスロットを2年間確保し、延長オプションもあると明かした。

「ATCは長年にわたりクラブの良きパートナーであり、今回も共に取り組めるのは喜ばしいことです」とハーディング。「今年のカーインライジングの参戦は非常に楽しみですし、香港のファンとオーストラリア競馬界に大きな価値をもたらすでしょう」

「将来的には、このスロットを活用して香港馬の出走を後押しするだけでなく、ジ・エベレスト後に香港国際競走へ向かうオーストラリアやニュージーランドのスプリンターも誘致したいと考えています」

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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