ロマンチックウォリアーが火曜日の朝、シャティン競馬場の芝コースで行われた、1600mのバリアトライアルに登場。鞍上のヒュー・ボウマン騎手は「これまでで最高の感触」と称賛し、ダニー・シャム調教師は今シーズンの「最大の目標」について、フォーエバーヤングとのサウジカップでの再戦が目標だと明かした。
今年、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で迎えた両馬の対戦は、競馬史に残る激戦の一つとして記憶されている。結果はフォーエバーヤングが最後の数完歩でクビ差の差し切り勝ち、ロマンチックウォリアーは惜敗の2着に敗れた。
ダート初挑戦ながら “日本史上最高のダートホース” と互角に渡り合い、レコードを更新する走破時計で走りきったロマンチックウォリアー。クビ差での2着は歴史的な快挙に変わりないが、シャム師は痛恨の敗戦の悔しさが今も残っていると振り返る。
火曜日の朝、バリアトライアル直後の取材でシャム調教師はIdol Horseに対し、「あの時は本当に悔しかった。それでも、彼は素晴らしいレースをしましたし、(サウジカップでの再戦が)間違いなく最大の目標です」と語った。
「フォーエバーヤングと再び対決できるとしたら非常に楽しみですね。フォーエバーヤングはかなり強い馬で、おそらく世界最高のダートホースですが、もう一度挑戦したいと思っています。ロマンチックウォリアーはダートでも走れることは実証済みです。3着馬には大差をつけていましたからね」
この日の朝、シャム師は非常に前向きな様子だった。世界の賞金王でもあるロマンチックウォリアーは、来月のG2・ジョッキークラブカップ(2000m)での復帰初戦に向けて、ボウマン騎手を背に力強く駆け抜けた。
シャム師は「良いトライアルでした」と振り返る。「ちょうど良い刺激になりましたが、非常に力強く走りましたし、満足そうに見えました。もちろん、上がった馬自身がどのようにリカバリーできるかも見守るつもりです」
ロマンチックウォリアーはトニー・クルーズ厩舎のスタニングピーチと併走し、ボウマン騎手がしっかり抑える形で入線。2024年2月以降、7度目の騎乗となったボウマンは今日の走りを振り返って最上級の賛辞を贈った。
「彼は特別な競走馬で、走るのが大好きなんです。長い休養明けでしたし、前回のハッピーバレーでは軽めのトライアルだったので、今日はもう少しやらせました」
「この2年ほどは跨がった回数もあまり多くはないですが、今がこれまでで一番良さそうですし、乗ってみた感触も最高でした」
ロマンチックウォリアーは、4月のG1・ドバイターフ(1800m)での惜敗後、左前脚の球節に故障が判明し、5月に患部にネジを挿入する手術を受けた。香港ジョッキークラブが過酷な中東遠征後、「関節に潜在的な変化が見られる」と診断したため、シャム師と馬主のピーター・ラウ氏は手術を選択した。
9月27日、ハッピーバレー競馬場での1700mに続く今季2度目のトライアルを終え、「以前の状態に戻ったか」と問われたシャム師は立ち止まり、「戻ったか?そもそも調子を崩したわけではありませんから」と否定した。
シーズン開幕前に自身も膝の手術を受け、足を引きずりながらシャティンを歩くシャム師だが、目先の目標である11月23日のジョッキークラブカップへ向けて調整はすべて順調だと話す。
「次走は11月23日です。レースではジェームズ・マクドナルド騎手が騎乗することが、すでに決まっています。今日のバリアトライアルで乗ったヒュー(ボウマン騎手)の報告では、非常に良い走りだったとのことで、おそらくもうトライアルは必要ないでしょう。芝コースでの追い切りで仕上げていくことになると思います」
さらにシャム師は、今季のローテーションについて問われると、11月23日のG2・ジョッキークラブカップ、12月14日のG1・香港カップ、2026年2月14日のG1・サウジカップ、そして4月のドバイ遠征を可能性として挙げた。
「香港での最初の2戦でどんな走りを見てから、サウジへ向かいます。サウジでぜひ勝ちたい。最高の一戦にしてほしいですね」
「(遠征計画としては)サウジカップの12日前に香港を出発する予定で、今回は長期滞在は予定していません。その後は再び、ドバイワールドカップ開催に転戦することも視野に入れています」