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世界的ジョッキー、ジョアン・モレイラ騎手が、来月5月3日(現地時間)に行われるG1・ケンタッキーダービーで同レース初騎乗を果たすことが決まった。コンビを組むのは日本からの遠征馬、ルクソールカフェだ。

ブラジルから世界の舞台へと成り上がり、その名を世界的に馳せているモレイラ。堀宣行厩舎のルクソールカフェとは前走の中山競馬場で行われた伏竜ステークスで初コンビを組み、圧勝している。

41歳にしてケンタッキーダービー初騎乗が実現したモレイラは、ブラジルの片田舎で騎手人生をスタートさせたころ、そして香港やシンガポールで騎乗していたころには想像すらしていなかったと打ち明けた。

「アジアで乗っていたころ、ケンタッキーダービーに乗れる日が来るとは思いもしませんでした」と、Idol Horseの取材に対してモレイラは語る。

「北米ではもちろんのこと、南米でも有名なレースなんです。ヨーロッパ、オーストラリア、アジアにはそれぞれ地域ごとのビッグレースがありますが、南米の場合はケンタッキーダービーが世界一有名なレースです」

過去に騎乗し、勝利を挙げた騎手はモレイラを含めて3人いる。モレイラ以外はオーストラリアのレイチェル・キング騎手(ヒヤシンスSと黒竹賞)、そしてライアン・ムーア騎手(UAEダービー馬のアドマイヤデイトナを破った新馬戦)の2人だ。

現在、ルクソールカフェはケンタッキーダービーの前売りでは3番人気に位置付けられている。1番人気のG1・サンタアニタダービー馬のジャーナリズムだが、この馬の手綱を取るのはかつて香港でモレイラのライバルだった、ウンベルト・リスポリ騎手である。

ルクソールカフェの父は2015年のケンタッキーダービー馬、そして米国三冠馬のアメリカンファラオ。全兄のカフェファラオはG1・フェブラリーS連覇の実績を誇るほか、2023年のパンサラッサが制したG1・サウジカップでも3着に入着している。

レースへの意気込みについて問われると、モレイラは「間違いなくビッグチャンスです」と自信を見せた。

「日本での前走は印象に残る強い競馬でしたが、それでも全力を出したわけではありません。余力を残した状態で臨めるのは良いことです。精神面も身体面も素晴らしい馬なので、距離についての不安はありません」

「堀先生は本当に素晴らしい調教師です。細部に拘り、仕事にとことん真面目な方です。このような大舞台でのチャンスに相応しいトレーナーだと思います」

モレイラのアメリカでの騎乗経験は2013年まで遡るが、当時は17レースに騎乗して2勝をマーク。チャーチルダウンズ競馬場での芝のメイドンも2勝の中に含まれる。

また、ウェスリー・ウォード厩舎のジュディザビューティに騎乗し、ダートのG3・ウイニングカラーズSで2着に食い込むと、続くコールダー競馬場のG1・プリンセスルーニーハンデキャップでも2着に入る活躍を見せている。

アメリカ行きが決定したモレイラだが、まずは今週末に中山競馬場で行われるG1・皐月賞でミュージアムマイルに騎乗する予定だ。その後、香港へと向かい、G1・チェアマンズスプリントプライズではサトノレーヴ、G1・チャンピオンズマイルはチェンチェングローリー、メインのG1・QE2世Cではモーメンツインタイムに騎乗する。

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの国際担当。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。

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