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ジ・エベレスト遠征を控えるカーインライジングについて、デヴィッド・ヘイズ調教師は遠征プランが「確定した」と明言。レーシング・ヴィクトリアの獣医プロトコルが緩和されたことを受け、注目が集まっていたメルボルンでの出走だが、今回は計画に組み込まれないことが確定した。

カーインライジングはまず、シーズン開幕直前のイベントのバリアトライアルに出走し、その7〜8日後、9月の第2週に開催されるシャティン開催の2025/26シーズン開幕日に登場する。そこではトップハンデ、135ポンド(61.2キロ)を背負っての出走が予想されている。

ヘイズ調教師は出走の意図について、「出走しないよりはトップハンデで走らせたい。半年もレースから遠ざかるのは避けたいからだ」と説明。実戦経験を重視する姿勢を示した。

10月18日、シドニーで開催される賞金2000万豪ドル(約19億円)のG1・ジ・エベレスト。カーインライジングは香港ジョッキークラブ(HKJC)が確保した出走枠を使い、このレースに出走することになっている。

カーインライジングは目下12連勝中だが、前走は4月27日のレース。G1・チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)を勝利して以来、出走していない。

ヘイズは、シーズン開幕日に組まれるクラス1・香港特区行政長官盃の競走条件を変更するよう、HKJCに働きかけていたが、同レースは引き続きハンデ戦として開催予定。カーインライジングの高いレーティング(現在は134で香港最高峰)を考慮すると、135ポンドのトップハンデは避けられない。

それだけでなく、現在カーインライジングから20ポイント以内に格付けされている短距離馬がいないことを考えると、彼のライバルはすべて最低斤量の115ポンド(52.1kg)での出走が可能となる。

「もし本当のハンデ戦であれば、カーインライジングはさらに重い斤量を背負うことになるだろう。ライバルの多くがハンデ圏外であることを考えると、140ポンド(63kg)を超える斤量を背負っても不思議ではない」とヘイズ師。

「(国内で走ることは)香港全体にとって良いことです。彼は昨年トップハンデでこのレースを勝っているし、今はもっと良い馬になっている」

ジ・エベレストへの現地調整として、レースの10日前にランドウィック競馬場でバリアトライアルに出走することも決まった。主戦騎手のザック・パートンが現地入りし、鞍上を務めると調教師は明かした。

また、ヘイズ調教師はレーシング・ヴィクトリアの獣医プロトコルの変更に好意的な反応を示す一方、オーストラリア遠征中のメルボルン転戦は考えず、すでに計画は確定していると述べた。

今回の規則変更により、コックスプレート、コーフィールドカップ、メルボルンカップの3競走に出走しない馬は、メルボルン到着後に行われる2回目のCTスキャンを省略できるようになった。これにより、関係者は11月8日のG1・チャンピオンズスプリント(フレミントン・1200m)にカーインライジングを誘致できる可能性を関係者は期待していた。

「その決定を称賛するが、今年は特に初めての遠征なので、シドニーへの一度の遠征で十分です。メルボルンへのさらなる長距離輸送は考えていません」

「12月の香港スプリントという重要な目標を念頭に置いてのプランです。このローテーションならば、香港スプリントに向けて5〜6週間の準備期間を確保できます」

ヘイズ調教師はさらに、カーインライジングがジ・エベレストで1着を獲った場合、11月1日に開催される総賞金300万豪ドル(約2.8億円)のラッセルボールディングステークス(芝1300m)に向かう可能性を示唆。

このレースとジ・エベレストを連勝した場合、勝ち馬には100万豪ドルのボーナスが提供される。

「もし勝てば、ボーナス獲得を狙った後に帰国の途に就きます。それでも香港スプリントに向けて5週間の準備期間が残されていますから」

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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