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競馬場: 中山競馬場

距離: 2500m

総賞金: 10億9000万0000円 (約726万7000円)

有馬記念は、日本の年末を締めくくるファン投票選出のグランプリであり、シンボリルドルフ、オグリキャップ、グラスワンダー、ディープインパクト、オルフェーヴル、イクイノックスといった、競馬界を代表するチャンピオンたちが勝ってきたレースでもある。

今年、圧倒的なファン投票一位を獲得したのはレガレイラ。過去最多得票となる612,771票を獲得した。これは、2024年に出走取消となったドウデュースの478,415票を上回る数字だ。コロナ禍以前の時代における最多記録は、1989年に5着に敗れた強豪オグリキャップの197,682票だった。

レガレイラ、連覇で“絶対女王”なるか?

レガレイラはこの秋、G2・オールカマーとG1・エリザベス女王杯を勝ち、充実一途の状態で中山に乗り込む。そして昨年の有馬記念を制している彼女は、連覇を狙う本命馬でもある。

有馬記念を2勝した馬は過去に6頭おり、そのうち4頭は連覇で2勝を挙げているが、そのグループに牝馬は1頭もいない。レガレイラが日曜日に勝てば、別次元の領域に踏み込み、文句なしの有馬記念の女王となるだろう。

ミュージアムマイル、3歳勢の強さを示すか

この秋の日本では、3歳のクラシック出身馬たちが台頭している。G1・天皇賞秋ではマスカレードボールとミュージアムマイルが1着、2着となり、続くG1・ジャパンカップでは、マスカレードボールがフランスのチャンピオン、カランダガンの2着に入り、日本馬最先着となった。

4月に行われた今年最初の牡馬クラシック、G1・皐月賞を制したミュージアムマイルは、有馬記念制覇によってその強さを証明し、今年の3歳世代が古馬勢より優位であることを示したいところだ。過去15年ではほぼ拮抗しており、3歳馬が8勝を挙げている。

MUSEUM MILE, JOAO MOREIRA / G1 Satsuki Sho // Nakayama /// 2025 //// Photo by Shuhei Okada

4歳牡馬の代表格はダノンデサイル

2024年の日本ダービー馬、ダノンデザイルは、昨年の有馬記念3着馬。今年は、主役になる運命を感じさせる2つの勝利で始動した。G2・アメリカジョッキークラブカップ、そしてG1・ドバイシーマクラシックだ。後者のドバイ遠征での勝利は、世界がその手中にあるかのような可能性を示唆するものだった。

8月、ヨーク競馬場で行われたG1・英インターナショナルSでは、難しい展開の中で結果を残せなかったが、前走のG1・ジャパンカップで3着に入り、復調しつつあることを示した。有馬記念を勝てば、日本のトップ牡馬であるという立場を改めて確かなものにするだろう。

前川師がさらなる“史上初”へ

前川恭子調教師は、待望されていたJRA初の女性調教師として、すでに歴史に名を刻んでいる。だが初出走馬を送り出してからわずか9か月後、今度は有馬記念に出走馬を送り出す初の女性となろうとしている。

しかも日曜日の中京で、厩舎7勝目となるミトノオルフェが勝利した直後に、中山へ向かうことになる。

その代表馬、サンライズジパングは今年の大穴候補。もし勝てば大番狂わせとなるが、興味深い存在でもある。前川の師である矢作芳人調教師のように型破りな舵取り、というべきか、4歳馬のサンライズジパングは、2024年のG1・東京優駿(日本ダービー)で12着に敗れて以来、初めてダートから芝へ戻ってくる。

今年はダートのG1・フェブラリーSで2着に入り、前走はG1・チャンピオンズカップで8着だった。

松本大輝騎手が大舞台にチャレンジ

もう一頭の大穴だが、やや現実味があるかもしれないのがミステリーウェイだ。鞍上はJRAで最も背の高いジョッキー、松本大輝騎手が騎乗する。23歳の松本は身長176cmで、ミステリーウェイに騎乗してG2・アルゼンチン共和国杯を勝ち、重賞初勝利を挙げた。

そのレースは、小林真也厩舎の7歳馬にとっても重賞初挑戦であり、今年が充実一途であることを示す内容だった。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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