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デイヴィッド・モーガン

グッドウッドで『名勝負必至の一戦』を求めるなら、ナッソーステークスがその筆頭だ。ウィジャボードとアレクサンダーゴールドランの壮絶な叩き合い、ルビータイガーの連覇、ミッデイの華麗な3連覇、そして6年前のディアドラによる日本馬初制覇。どれも忘れられない名場面だ。

今年の出走馬は5頭のみと少数精鋭だが、レースの格式にふさわしい顔ぶれがそろった。G1・プリティポリーステークスを制し、英オークスで2着となったワール、シンデレラストーリーを歩むG1・コロネーションステークス勝ち馬セルセーヌ、仏オークス2着馬ベッドタイムストーリーといった3歳勢に加え、昨年の2着馬シーザファイア、そして実績充分の5歳馬ランニングライオンが参戦する。

ワールとベッドタイムストーリーは、過去にこの10ハロン戦を5度制しているエイダン・オブライエン調教師の管理馬だ。1990年代から2000年代にかけては3歳馬が圧倒していたが、過去21年間では3歳馬11勝に対し古馬10勝と、ほぼ互角の戦いとなっている。

ワールは前走でカルパナを下して勝利しており、そのカルパナは先週のG1・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでカランダガンの2着に入った。これは非常に高い評価に値する結果だ。一方、セルセーヌが1マイル以上の距離に対応し、さらなる成長を示せるかにも注目が集まる。

イチオシ推奨馬:R4・5番ワール

アンドリュー・ホーキンス

G3・ゴードンステークスは、グッドウッド開催の中でも将来のスターを見極める上で欠かせないレースだ。9月のG1・セントレジャーのみならず、その後の国際舞台で活躍する馬を輩出してきた。

これまでにゴードンSを勝った10頭がセントレジャーを制しており、昨年のヤンブリューゲルもその一頭だ。さらに21世紀に入ってからは、フェニックスリーチ、コンデュイット、ハイランドリール、クロスカウンターといった国際的なG1馬が名を連ねている。

今年の注目はマーチャントだ。前走キングジョージ5世ハンデキャップ勝ちで、重賞級の資質を証明済み。その際の2着馬シリアスコンテンダーは、後にG1・愛ダービーで僅差の2着に入っており、レースレベルの高さが裏付けられている。調教師ウィリアム・ハガスと主戦トム・マーカンド騎手のコンビは、2年前にデザートヒーローでこのレースを制しており、将来有望なステイヤーを再び送り出そうとしている。

また、ヨークでのハンデ戦でマーチャントの2着、ロイヤルアスコットのG2・クイーンズヴァーズ3着のライエブは、今回は斤量差8ポンドの恩恵を受けて巻き返しを狙う。さらにG2・G3で善戦歴のあるガルヴェストン、ウィンブルドンホークアイ、ウィンドロードも見逃せない。

イチオシ推奨馬:R3・2番マーチャント

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの副編集長。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。また、競馬以外の分野では、ナイン・ネットワークでオリンピック・パラリンピックのリサーチャーも務めた。

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