ジャスティン・スネイス調教師は今週末、ケニルワース競馬場で行われるG1・ケープタウンメットで3連覇を狙う。陣営の先陣を切るのは、才能豊かな3歳馬エイトオンエイティーンだ。
一方、チャンピオントレーナーの看板牝馬であるダブルグランドスラムは、今季3連勝を目指しG1・マヨルカステークスへ出走する。この日はケープタウン最大のレースデーで、G1・ケープフライングチャンピオンシップを含む3つのG1が組まれている。
スネイス調教師はこれまでに2018年のオースザンナ、2023年のジェットダーク、2024年のダブルスーパーレイティヴでケープタウンメットを制してきた。
エイトオンエイティーンは、記録破りな実績を持つ南アフリカのリチャード・フーリエ騎手を鞍上に迎えての出走。ケニルワース競馬場では6戦2勝の戦績を誇り、直近では12月14日のG1・ケープギニー(1600m)で2着。勝ち馬ワンストライプは、続くG1・キングズプレートで古馬を撃破しその実力を証明している。
これにより、クラシック世代が南アフリカの主要定量G1を短期間で連勝するという珍しい可能性が生まれている。
「今年の古馬は少し層が薄い。引退して種牡馬入りした馬も多く、3歳馬にとってチャンスが広がっている」とスネイス調教師。
南アフリカのリーディングトレーナー(現在94勝)は、エイトオンエイティーンにとって距離延長がプラスに働くと見ている。
「ギニーでは後方から長く脚を使って勝ち馬に迫った。まだ完成されていないが、今回のレースでピークに持っていけることを願っている」とスネイス調教師。
「この距離こそが彼に合っている。もっとも、マイルでも十分やれる馬だと思っているが。ただ、まだ少し幼いので慎重に仕上げてきたんだ」
とはいえ、スネイス調教師は16頭立ての混戦を見据え、楽観視はしていない。
陣営はエイトオンエイティーンのほかに、ロイヤルオージー、フューチャースウィング、パカヤ、マジックヴァースを送り込むが、G1・ケープタウンメット3連覇を阻む最大のライバルとなりそうなのが、マイケル・ロバーツ厩舎の5歳馬シーイットアゲインだ。
シーイットアゲインは前走G1・キングズプレート(1600m)でまさかの13着最下位に沈んだが、本来の力を発揮すれば脅威となる存在だろう。
「展開次第だね。このレースは非常に読みづらい一戦になると思っている。エイトオンエイティーンがうまく走れなければ、どの馬にも勝つチャンスが生まれるだろう」とスネイス調教師。
「このメンバーには本来定量戦向きではなく、ハンデ戦の方が力を発揮できる馬もいる。だからこそこのレースは混戦模様だ。格上馬でも距離が合わない可能性があるからね」

一方、G1・マヨルカステークスに出走するダブルグランドスラムに関しては、スネイスの見立ても異なる。
前走G1・パドックステークス(1800m)を圧巻の走りで制した4歳牝馬は、昨年の同レースではG1・5勝の名牝プリンセスカラの3着に敗れているが、今年はリチャード・フーリエ騎手を鞍上に迎え、7頭立ての一戦に臨む。
「非常に印象的な牝馬だよ。これまで敗れた時は、大抵トラブルに巻き込まれた時だ」とスネイスは話す。
「状態は絶好調だ。前走は負けるはずがないと思っていたが、今回も同じ気持ちだよ。彼女を負かすには相手に相当な力が求められるだろう。もちろん競馬だから何が起こるかは分からないが、並大抵のパフォーマンスでは彼女を負かせないはずだ」
スネイス厩舎の管理馬は、同日行われるG1・ケープフライングチャンピオンシップには参戦しないが、同レースには昨年の覇者ダイスを含む15頭が出走を予定している。