オイシン・マーフィーは木曜の午後、レディング治安判事裁判所に出廷し、20か月の運転禁止と7万ポンドの罰金を科された。その一方で、レースでの騎乗は継続可能となっているが、ただし騎手免許に「新たな条件」が付される可能性がある。
イギリスで4度リーディングを獲得した同騎手は、この日の14時から始まった裁判にて、酒気帯び運転を認めた。裁判所によれば、4月27日の事故から数時間後にレディング警察署で実施された検査では、血中アルコール濃度は100ml中の66mgと、法定上限のほぼ2倍であった。
29歳のマーフィーはロイヤルアスコット開催週に郵便で起訴状を受け取り、法定アルコール限度を超える状態での自動車運転と現場検査への協力拒否の罪で起訴された。ただし、後者の罪状は後に検察側が取り下げている。
テムズバレー警察はバークシャー州ハーミテージにて日付が変わった直後、単独事故の現場で電話をしていた酩酊状態のマーフィーを発見。灰色のメルセデスAクラスは木に衝突し、車の所有者である女性同乗者が地面に倒れていた。
なお、飲酒運転講習を修了すれば、マーフィーの20か月の免停(同罪の最低は12か月)は短縮される可能性があるとされている。
マーフィーは弁護士のアレックス・ディフランチェスコ氏を通じ、同乗者、公衆、関係者に謝罪を表明した。
英国競馬統括機構(BHA)は15時30分、聴聞後に声明を発表し、「非常に重大な犯罪の詳細に失望している」と述べ、彼自身および他者の安全を危険にさらしたと非難した。
声明文では続けて、「彼の行為は、すべての免許保持者に求められる基準を大きく下回るものであり、我々は競馬界を代表する彼らを信頼しているからこそ、共同の名声を守り、競馬が安全な場所であり続けるよう努めている」とした。
BHAは、免許に新条件を追加する作業を進め、「ライセンス管理委員会に付託される可能性がある」と述べた上で、「ここ数週間と同様、マーフィー氏は騎乗業務に就く自由を維持している」と説明した。
声明ではそれに続けて、「このプロセスについては適宜更新を行い、現時点でこれ以上のコメントはしない」と結んだ。
BHAの独立懲戒委員会は2022年2月、レース当日のアルコール検査失格2件を含む5件の違反で、マーフィーに14か月の騎乗停止処分を科した。
2023年2月の再ライセンス時、規制当局は「マーフィー氏が節酒を保ち、違法薬物や娯楽用薬物を避ける必要」があるとする条件を提示。
また「強化された検査体制」の対象とされ、競馬場での検査や毛髪の抜き打ち検査が実施され、BHAチーフメディカルオフィサーのジェリー・ヒル医師への定期報告が義務付けられた。これらの条件は2024年2月に再審議されることになっていた。