2023年の最優秀3歳牝馬、リバティアイランドは10月27日に東京競馬場で行われるG1・天皇賞秋での復帰に向けて、順調な回復を見せている。中内田充正調教師が、Idol Horseの取材に対して明かした。

昨年、日本の三冠牝馬に輝いたリバティアイランドだが、今年の出走は3着に終わった3月のG1、ドバイシーマクラシックのみとなっている。

「調整は順調です。前脚の種子骨靱帯を痛めましたが、幸いそこまで深刻ではなかったので、すでに乗り運動も再開しています。ここまでの調整過程には満足しています」

「天皇賞秋に向けて準備が整えば理想的ですが、今月と来月の様子を見て、レースに向けて本格的なトレーニングを再開できるか判断する予定です」

リバティアイランドはこれまでにG1を4勝しており、2023年のG1・ジャパンカップではイクイノックスに次ぐ2着に入っている。半妹のマディソンガールにとっては偉大な姉を追いかける形になるが、この2歳馬もまた姉とは違った活躍ができるのではないかと、中内田調教師は期待を寄せている。

この2頭の母であるヤンキーローズは、現役時代にオーストラリアで1400mと2000mのG1勝ちがあり、2歳時には1200mのG1・ゴールデンスリッパーで2着に入っている。

「マディソンガールにはかなり期待していますが、姉と比べた上での期待に応えるのは大変なことです。少し小柄で、繊細なところがある牝馬ですが、とても良い馬です」

「9月ごろにデビュー予定ですが、その時期の中京競馬場はレースの選択肢があまり多くありません。ですが、9月中には出走できる態勢が整うと思います」

また、2022年のG1・マイルチャンピオンシップを制した強豪マイラー、セリフォスのシーズン後半戦も楽しみにしているという。2023年は夏場に暑さで体調を崩し、その後のマイルCSで8着、G1・香港マイルは7着と不本意な結果に終わっていた。

Serifos wins G1 Mile Championship
SERIFOS, DAMIAN LANE / G1 Mile Championship // Hanshin /// 2022 //// Photo by JRA

今回、陣営は猛暑に対処できる快適な施設を見つけ、そこで夏の暑さを凌いでいる。

「今年のセリフォスは夏場でも順調に過ごしています。栗東の厩舎から車で40~50分ほどのところにある、チャンピオンヒルズに放牧に出しています。週1で様子を見に行っていますが、エアコン付きの馬房で快適に暮らしているようです」

セリフォスは、10月19日に東京競馬場で行われるG2・富士ステークスで復帰する可能性が高い。2022年に勝った実績があるものの、昨年は回避せざるを得なかったレースだ。12月の香港遠征については判断を保留しているが、今の目標は種牡馬入りの実現に向けて実績を積み重ねることだ。

「まずは、この秋にどんな走りを見せてくれるか次第です。おそらく、富士ステークスが始動戦となり、そこを使ってマイルチャンピオンシップに向かいます。メインの目標は、日本でG1レースをもう1勝することです。あともう1勝、これが必要だと思います」

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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