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日本で最も人気を博している血統に、またひとつ眩いばかりの才能が加わった。

7月13日(土)の函館競馬場で、白毛牝馬のマルガが2歳新馬戦(芝1800m)を2歳コースレコードを叩き出して新馬勝ち。母に名牝ブチコ、半妹にソダシという血統背景を持つモーリス産駒の良血馬が、鮮烈な一歩を踏み出した。

武豊騎手が手綱を取り、単勝1.1倍の圧倒的1番人気に推されたマルガは、スタートから果敢にハナを奪い、後続を寄せ付けず2着に3馬身差をつけて快勝。勝ち時計1分48秒1は、2018年に後のG2勝利馬ウィクトーリアが記録した2歳コースレコードを0.2秒更新するものだった。

母ブチコの産駒からは、すでにソダシ、ママコチャの2頭がG1を制しており、この牝系への期待は計り知れない。

マルガが制した函館芝1800mの新馬戦は、図らずも5年前の同日、ソダシがデビュー勝ちを収めた舞台でもある。ちなみに、須貝尚介調教師は2011年にも、同じ条件の新馬戦で芦毛の人気馬・ゴールドシップを勝利に導いている(ゴールドシップは白毛ファミリーとの関連はない)。

マルガは、白毛牝系の名門・シラユキヒメを起点とする血統の新たな勝ち上がり馬となった。この名血の系譜については、以下で詳しく紹介しているのでぜひご参照いただきたい。

今回の勝利は、武豊騎手にとっても記憶に残るものとなった。新馬戦で1.1倍という異例の支持を受けた騎乗は、21世紀に入ってからはディープインパクト(2004年・阪神)とスマートグレイス(2014年・京都)に続くわずか3例目だ。

「注目度が高かったので、まずはホッとしました」と武騎手。

「マルガは稽古の動きも非常に良かったです。無理にハナに行くつもりはなかったですが、ストライドが大きいので、包まれるリスクを避けてリズムよく走らせました。まだ若さゆえに前向きすぎるところがありますが、将来が楽しみです。能力を適切にコントロールできるようになればさらに良くなるでしょう」

「レコードタイムについては、函館の馬場がかなり速かったので、タイムだけを鵜吞みにしない方が良いかもしれません。ただ、手応えとしては距離的にはマイルが合いそうな感じで、ソダシが勝ったような大きなマイル戦が合うかな、と須貝先生に伝えました」

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの副編集長。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。また、競馬以外の分野では、ナイン・ネットワークでオリンピック・パラリンピックのリサーチャーも務めた。

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