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香港を拠点にしているフランス人騎手、アレクシス・バデルが今夏、日本中央競馬会(JRA)の短期免許を取得し日本で騎乗する予定だ。香港を拠点とする騎手の中で、夏競馬に来日するジョッキーとしてはバデルが今年第一号となる。

過去15年間では、ジョアン・モレイラ騎手、ザック・パートン騎手、ダグラス・ホワイト騎手、ヴィンセント・ホー騎手(チャクイウ・ホー)、ナッシュ・ローウィラー騎手、カリス・ティータン騎手といった香港の大物騎手たちが、オフシーズンにJRAの夏競馬で騎乗している。

バデルは、7月16日の今シーズン最後のハッピーバレー開催を終えた後、香港を発ち東京へ向かう。そしてその10日後、中京、新潟、札幌で開催される週末からJRAで騎乗可能となる予定だ。

Idol Horseに来日予定を明かしたバデルは、「香港のシーズンが終わったら、まず東京に1週間滞在し、7月26日には騎乗できるようになる予定です」と説明。また、滞在期間は8月下旬までの予定だと語った。

9月上旬に始まる2025/26年シーズンの開幕に合わせて、香港に戻る予定だという。

これまでのバデルの日本での騎乗経験は、2023年8月に札幌で開催されたワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)を含めた8レースのみ。その際、WASJの最終戦でJRA初勝利を挙げている。

この札幌での騎乗が実現する5ヶ月前には、ヴォイッジバブルでの香港ダービー制覇、さらにその前年にはウェリントンとコンビを組んで短距離のG1を複数制した実績を持っている。

「昨年は日本に行かなかったですが、今シーズンもまだ申請資格があることが分かったので、(短期免許取得を)チャレンジしてみようと思いました」

「札幌でWASJに参加した際に、皆が言うように日本の競馬は素晴らしいと感じました。だから、日本に行って何か違うこと、新しいことに挑戦するのがとても楽しみです。新しい挑戦ができるのは良いことです」

また、「とても楽しみにしている一方、同時に落ち着いた気持ちもどこかあります。香港でのシーズンは長かったので、冷静な気持ちで臨みます。ですが、やっぱりワクワクするのも確かです」と述べ、新たな挑戦への心境を明かした。

バデルは2016年に短期免許で初めて香港で騎乗し、2020/21年シーズンには香港に本格的に拠点を移した。

彼の妻エヴァさんと2人の娘もこの夏を日本で過ごす予定だ。

「家族みんなで、一緒の旅です。日本で楽しい時間を過ごし、最高のパフォーマンスを見せるために全力を尽くします」

「良いサポートを得て、素晴らしい経験になることを願っています」

バデルの父、アラン・バデル元騎手は1991年のジャパンカップで来日。当時はマジックナイトに騎乗し、ゴールデンフェザントに次ぐ2着に入っている。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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