2025 G1 エリザベス女王杯
競馬場: 京都競馬場
距離: 2200m (芝)
総賞金: 2億8310万0000円 (約189万米ドル)
エリザベス女王杯は、1976年に日本の牝馬三冠最終戦として創設され、1996年に古馬牝馬へと門戸が開かれて以降は、芝中距離路線における秋の女王決定戦として位置付けられている。
ダイワスカーレット、スノーフェアリー、リスグラシュー、ラッキーライラック、ジェラルディーナといった国内外で高い評価を得た名牝がその名を連ねており、今年もまた新たな女王がその栄誉ある系譜に加わることが期待される。
「古馬の壁」実は高い?
2014年以降、このレースを制した3歳牝馬は2頭のみで、直近では2023年のブレイディヴェーグが戴冠している。
今年の3歳勢は、G1・秋華賞2着のエリカエクスプレス、3着パラディレーヌ、さらにG1・桜花賞3着のリンクスティップといった精鋭が中心。いずれも能力は示しているが、古馬の実績馬を相手に、年齢とキャリアの差というハンデをどう乗り越えるかが大きなテーマとなる。

絶好調のクリストフ・ルメール
クリストフ・ルメール騎手は直近2週間で17勝を挙げ、そのうちJRAのG1を3連勝中。さらに先週は地方交流のJpn1・JBCクラシックも制しており、「実質4連勝」の形でビッグレースを次々とものにしている。
その手綱に託されるのが、昨年の桜花賞馬、ステレンボッシュだ。もっとも、今年はここまで3戦すべてで馬券圏外と苦しいシーズンであり、京都でルメール騎手のG1連勝記録を伸ばすためには、ここでの大きな巻き返しが不可欠となる。
レガレイラは昨年のリベンジへ
昨年のエリザベス女王杯で5着に敗れた後、G1・有馬記念を制して頂点に立ったレガレイラは、前哨戦のG2・オールカマーを鋭い内容で勝ち上がり、再び京都に戻ってくる。
ただし、不思議なことに彼女はいまだ関西圏で勝利がない。昨年このレースでは断然の1番人気で敗れ、今年6月のG1・宝塚記念(阪神)でも2番人気で大きく崩れているだけに、「関西で勝てない」という気になるジンクスを振り払うことができるのか。
外国人ジョッキーが存在感
過去10年で8回、エリザベス女王杯の勝利騎手は外国人ジョッキーが占めている。
そこにはJRAのルメール騎手、ミルコ・デムーロ騎手を始め、クリスチャン・デムーロ騎手、ミルコ・ジョアン・モレイラ騎手、クリストフ・スミヨン騎手といったおなじみの名手たちの名が並ぶ。
今年もまた、カナテープに騎乗するダミアン・レーン騎手、リンクスティップに騎乗するクリスチャン・デムーロ騎手、そしてステレンボッシュのルメール騎手と、外国人騎手が有力どころに名を連ねており、その動向は勝敗を左右する大きな要素となりそうだ。
キタサンブラック牝馬の祭りとなるか
中央の平地G1ではイクイノックス、クロワデュノール、ソールオリエンスといった勝ち馬を送り出してきたキタサンブラックだが、これまでG1を制した牝馬はまだいない。
その流れを変える可能性を秘めているのが、ココナッツブラウン、アドマイヤマツリ、リンクスティップの3頭だ。アドマイヤマツリはG3・福島牝馬ステークスを制して勢いに乗り、ココナッツブラウンはすでにキタサンブラック産駒の現役牝馬としては最多の獲得賞金を誇る。その安定感からも侮れない存在だ。
