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騎手の乗り替わりが慌ただしく進むなか、ザック・パートン騎手は、4月26日に行われるG1・チャンピオンズマイルで、香港クラシックマイル勝ち馬のリトルパラダイスに再び騎乗することになった。

また、ジェームズ・マクドナルド騎手は、香港ダービー馬のインヴィンシブルアイビスに騎乗するため香港へと飛ぶ。だが、いずれもチャンピオンズマイルでは“4歳馬の壁”が試練として立ちはだかる。

香港チャンピオンズデーの目玉レースで、ヒュー・ボウマン騎手がインヴィンシブルアイビスではなく1歳上の同厩馬、5歳馬のマイウィッシュを選んだことで、マーク・ニューナム厩舎のインヴィンシブルアイビスは鞍上が空席に。そこで、シドニーのチャンピオンジョッキー、マクドナルドに白羽の矢が立てられた。

また、ヴィンセント・ホー騎手がリトルパラダイスの鞍上を降板することで、パートン騎手が再びパートナーに抜擢。同騎手は4歳クラシックシリーズで別の騎乗馬を選んだことで、一旦鞍上を離れていた。

だが、4歳馬のチャンピオンズマイル制覇例は少ない。2001年の第1回こそ、香港ダービー4着から臨んだレッドペッパーが勝ったが、その後に4歳で勝った年は2007年のエイブルワンと2010年のエクステンションのみ。

4歳でチャンピオンズマイルで敗れた例としては、その後、香港競馬を代表する存在となるエイブルフレンドが、南アフリカのバラエティクラブの2着に敗れた2014年のケースなどがある。

過去、パートンはリトルパラダイスとのコンビで4戦3勝。だが、クラシックシリーズでの騎乗馬として、結果的に期待外れに終わったサゲイシャスライフを選んだため、その間はホーが手綱を取っていた。

リトルパラダイスは今年1月、ホーが騎乗した香港クラシックマイルを鋭い決め手で快勝したものの、その後は1800mの香港クラシックカップ、2000mの香港ダービーはいずれも大敗。ジミー・ティン調教師は鞍上の変更に踏み切った。

「出走するなら、僕が乗ります」とパートンはIdol Horseに語った。「また乗れるのはうれしいですし、この馬たちを相手にマイルでどこまでやれるのか、楽しみにしています」

「香港クラシックマイルは少し特殊なレースでした。流れが落ち着きすぎていましたし、いろいろなことがあったので、あのレースをどう評価すべきかは簡単ではありません。香港クラシックマイルでの走りを一度見せただけでは足りません。やはり、もう一度ああいう競馬をしなければなりません」

「ただ、次の2戦は敗因を説明できる内容でしたし、距離も少し長かったのかもしれません。正直、マイルでのあれだけの走りには少し驚きましたが、あれは4歳馬限定戦でした。今度は年上相手のG1で、それを示さなければなりません。そこがこの馬に問われるところです」

パートンは金曜朝(4月10日)、リトルパラダイスの追い切りに騎乗する予定となっていた。

パートンのクラシックシリーズが完全な誤算に終わり、リトルパラダイスも鮮烈な一冠目と比べたら失速気味に終わったのに対し、ボウマンは今年の4歳クラシックシリーズ3戦すべてでインヴィンシブルアイビスに騎乗し、その継続騎乗は香港ダービー制覇という形で報われた。

もっとも、ボウマンはニューナム厩舎のマイウィッシュにも騎乗しており、直近では先週のG2・チェアマンズトロフィーでラッキースワイネスにアタマ差の2着へ導いている。

そしてボウマンは、G1勝ちこそないが実績豊富なマイラー、5歳馬のマイウィッシュと天秤に掛けた結果、1歳年下のインヴィンシブルアイビスではなくマイウィッシュを選択した。ニューナム調教師との話し合いのあとも、その判断は変わらなかった。

ニューナム師はIdol Horseの取材に対し、「あれはヒュー(ボウマン騎手)の選択でした。ただ、私の意見も聞いてきました」と明かす。「本人としてはほぼ気持ちは固まっていたようですが、こちらがどちらか一方、特にアイビスを強く推すのであれば、考えを変える余地はあると言っていました」

「そこで私は、現時点の完成度を踏まえれば、チャンピオンズマイルで一番の騎乗馬はマイウィッシュだろうと伝えました」

Mark Newnham celebrates after his first Hong Kong Derby win at Sha Tin
MARK NEWNHAM, INVINCIBLE IBIS / Hong Kong Derby // Sha Tin /// 2026 //// Photo by HKJC

マイウィッシュは4歳馬時代の昨年、香港ダービーで惜しい2着に健闘した後、チャンピオンズマイルに転戦して4着。その結果も、インヴィンシブルアイビスが打破を目指す『4歳組は苦戦する』という傾向を補強するものだった。

「マイウィッシュは昨年のこのレースでも良い走りでした」とニューナム師は言う。「1番枠から前々でうまく運べた面はありましたが、それでもやはり、より年長で経験豊富で、より高いレベルで走ってきた馬たちが、若く伸びしろのある4歳馬に対して一枚上なのは当然です」

「インヴィンシブルアイビスが、そうした相手と勝ち負けできる段階にあるかどうかは、走ってみなければ分かりません。ただ、来年を見据えれば、このレースを使った馬の中でも上位の存在になっているかもしれません」

ニューナム師によると、インヴィンシブルアイビスは来週木曜(4月16日)にシャティン競馬場でバリアトライアルを消化する予定。一方のマイウィッシュは、先週末の出走を経て、そのまま本番へ向かう。

一方、チャンピオンズマイルを見送ることになりそうな4歳馬が、前走クラシックカップ勝ちで香港ダービー3着のストーミーグローヴだ。今週発表された選定馬では補欠扱いにとどまり、代わりに同日に行われる2000mのG1・クイーンエリザベス2世カップへの出走枠が与えられた。

ストーミーグローヴのフランキー・ロー調教師は、Idol Horseの取材に「本当はマイルに使いたかったのですが、2000mの方に入れられてしまいました。なので回避させます。2000mのレースは相手が強すぎます」とコメント。

「5月にもう一度、G3・ライオンロックトロフィーを使うかもしれません」

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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Luke Middlebrook

ルーク・ミドルブルック、Idol Horseの香港競馬担当。香港競馬の面白さに魅了され、数年間ブログで香港競馬の分析記事を発信、2016年からはシンガポールに移住した。シンガポールではiRace Mediaの専属専門家として8年間活動し、香港競馬とシンガポール競馬の分析や記事執筆を監督していた。

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