日本の大手生産者、ノーザンファームの副代表である吉田俊介氏が、香港ジョッキークラブ(HKJC)で新たに馬主資格を取得。香港競馬で吉田氏や、日本の有名クラブの勝負服が走る可能性が出てきた。
今回、吉田氏の名前が記載されたのは「プライベート・パーチェスト・ホース(PP)」の年間許可リスト。PP、つまり外国で出走歴がある既走馬の輸入・所有が認められることになった。
HKJCは2022年10月に馬主資格に関する方針を転換し、香港居住者以外への資格を解放。第一弾として、ユーロンを率いる張月勝氏や、南アフリカの著名なオーナーブリーダーであるメアリー・スラック氏が参入を認められた。
香港経済の景気減速が馬主層にも影響を及ぼしているHKJCだが、6月5日発表のリストに吉田俊介氏の名前が載ったことは注目すべき動きだ。
Idol Horseの取材に対し、HKJCは「数年前に設立された制度を利用し、吉田氏はクラブのメンバーに加入しました。この制度は、海外の著名な馬主から限られた人数を対象とし、香港競馬で直接競走馬を所有できる機会を作ることを目的としています。選考基準としては、重賞競走で実績を上げ、かつ生産分野にも関与している馬主であることが求められます」と説明した。
吉田氏はノーザンファーム代表・吉田勝己氏の息子であり、オルフェーヴルやジェンティルドンナなどの名馬で世界的に知られる、黒・赤・黄の勝負服で有名なサンデーレーシングを率いる立場でもある。4月下旬、香港チャンピオンズデーの翌日には広州の従化トレセンを訪問していた。
また、吉田氏と同じ日本人オーナーとしては、岡浩二氏も資格リストに名を連ねている。同氏は2023年、オオバンブルマイでシドニーのゴールデンイーグルを制したことで知られている。
また、南アフリカのドラケンシュタインスタッドを運営するヨハン・ルパート氏の妻である、ゲイナー・ルパート氏も新たに香港の馬主資格を取得。オーストラリアのニューヘイヴンスタッドを率いるジョン・ケリー氏も名前を連ねたほか、ユーロンの張氏も追加で新たな資格を取得した。