リッキー・イウ調教師は、日曜日にシャティン競馬場で行われたチャンピオンズマイルで惜敗したヴォイッジバブルを、来月のG1・チャンピオンズ&チャターカップに送り出し、香港三冠達成を狙う稀な挑戦に臨む意向を明らかにした。
67歳のイウ調教師はこれまで、愛馬の三冠挑戦に慎重な姿勢を見せていたが、週末のG1でレッドライオンに僅差で敗れた一戦から多くの収穫を得たとし、2400mへの初挑戦にも自信を示した。
「また良いレースをしてくれましたし、もちろん勝ちたかったところですが、これでチャンピオンズ&チャターカップに向かうことを決めました」とイウ調教師はIdol Horseに語った。
「ますますリラックスできるようになってきていますし、日曜日にもその姿勢をはっきり見せてくれました。ですから、あと400m伸びても問題ないでしょう。きっと対応できると思います」
ヴォイッジバブルは日曜日、G1レース4連勝まであと一歩に迫ったが、最後まで粘り強く逃げる、単勝90倍の伏兵レッドライオンをわずかに捕らえることができなかった。
ジョン・サイズ厩舎の6歳馬、レッドライオンがゴール前100mで外に斜行し、ヴォイッジバブルと接触した件について、勝敗に影響があったかどうかをめぐる裁決委員会の審議が15分以上に及んだ。しかし、最終的に失格とはならず。総賞金2,400万香港ドルを巡った大一番の頂点を逃した。
「わずかに接触があり、ヴォイッジバブルはバランスを崩して進路もわずかに外れてしまいましたが、ヒュー(ボウマン騎手)がすぐに立て直していました。異議申し立ては当然の判断でしたし、接戦だっただけに時間がかかったのでしょう」

ヴォイッジバブルは、昨年12月の香港マイル、今年1月のスチュワーズカップと、香港のマイルG1を連勝しており、この日も単勝1.6倍の圧倒的支持を集めた。しかし、ジェームズ・マクドナルド騎手はわずかに捉え切れず逃げ切りを許してしまった。
今シーズンは1月のスチュワーズカップ(1600m)と2月のG1・香港ゴールドカップ(2000m)を制しており、5月25日のチャンピオンズ&チャターカップ(2400m)を制覇して、史上2頭目となる香港三冠馬を目指すことになる。
1994年に三冠制覇を成し遂げたのはリヴァーヴァードン。チャンピオンズ&チャターカップが2200mだった時代の名馬だ。イウ調教師にとっても、当時の記憶は今なお鮮明だという。
「私は香港競馬界で古株の一人ですから、リヴァーヴァードンの偉業はよく覚えています。ヴォイッジバブルもあの偉業に続けるといいですね。かなり手強い一戦になるでしょうし、海外馬も何頭か参戦してくるかもしれませんのでいいレースになるでしょうね」
アンビシャスドラゴンが香港三冠制覇を阻まれてから、今年で13年が経つ。あの時、アンビシャスドラゴンはスチュワーズCと香港ゴールドカップを制したものの、チャンピオンズ&チャターカップではリベレーターの後塵を拝し、2着に敗れている。
ヴォイッジバブルがこの5月、三冠制覇ボーナス1,000万香港ドルを目指して未知の2400m戦に挑むとき、昨年の覇者レベルスロマンスに続こうと香港へ遠征してくる海外勢との熾烈な争いも待ち受けていそうだ。
海外勢の登録は昨日締め切られたが、アルリファー、ドバイオナー、ステレンボッシュといった世界の強豪馬たちも名を連ねている。香港ジョッキークラブにとっても、これらの強豪は是非とも招待したい候補となりそうだ。
チャンピオンズ&チャターカップは今季香港シーズン最後のG1となるが、イウ厩舎はその翌週にも、もう一つの重賞タイトルを狙っている。
日曜日のチャンピオンズマイルで、5歳馬のサンライトパワーはラスト200m最速の上がりを繰り出し、自己最高のパフォーマンスを見せて3着に食い込んだ。この馬は今季はクラス3からのスタートだったが、5月31日のG3・ライオンロックトロフィー(1600m)に向かうことが決まった。
「サンライトパワーはこの価値ある3着でレーティングが4上がり、現在107になっています。シーズン最後にライオンロックトロフィーに出走します。本当に素晴らしい走りでしたし、好調を維持し成長を続けています」