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水曜日、香港ジョッキークラブ(HKJC)から発表された香港カップの登録馬にカランダガンの名前が挙がったことで、世界ランキング首位と香港の中距離絶対王者による、歴史的な一騎打ちへの期待が高まった。

しかし、そこから24時間と経たないうちに、フランシス=アンリ・グラファール調教師は東京競馬場での記者会見でその扉を閉ざした。その理由は、大一番からの回復期間の不足だった。

グラファール師は説明の中で、「カランダガンについては、今年は香港には行きません。来年についてはこれから考えます。ただ、ゴリアットとキジサナは予定通り香港に向かいます。2頭とも非常に順調で、良い状態にあります」と今後の予定を語った。

グラファール師とHKJCの関係者は、香港国際競走への登録はあくまで確定事項ではなく、不測の事態への備えであったことを示唆している。つまり、もしカランダガンに軽微なアクシデントがあり、ジャパンカップへの出走が叶わなくなった場合のセーフティーネットとして、12月の香港遠征が位置づけられていたのだ。

しかし、ジャパンカップへの出走が確定した時点で、その魅力的な対決の構図にもかかわらず、香港カップへの転戦という選択肢は疑わしいものであったとグラファール師は述べる。

「私としてもカランダガンがロマンチックウォリアーに挑む姿は見てみたかったのですが、レースが日曜日のジャパンカップから日程が近すぎます。ですので、ここから香港に行くというのは現実的ではありませんね」 

欧州での目覚ましい夏競馬シーズンを経て、世界最高レーティングの保持者として府中に降り立ったカランダガン。同師によれば、シーズン半ばからジャパンカップを秋の最大目標に据え、東京でピークを迎えるよう、特別な調整を組み立ててきたという。

「ジャパンカップ参戦の決断は早い段階で行いました。キングジョージの後には、このレースを目標に定めていました。秋のローテーションをどこにするか考えた際、ジャパンカップに向けて仕上げる方法を模索していましたが、それに適したレースはアスコットでの英チャンピオンステークスしかありませんでした」

また、フランスからの長距離輸送も力強くこなし、日本の環境にもスムーズに適応しているようだ。

「フランスからの輸送については本当に満足しています。旅程も非常にうまくこなしてくれました。スタッフも馬の状態全般や振る舞いについてとても喜んでいます。カイ食いも良く、何でも食べています。ですので、今日の時点で輸送は大成功だったと言えるでしょう」 

一方、ジャパンカップ特有の課題として、レース前の長い待機時間と、18頭立てという多頭数における枠順の重要性を強調した。

「ジャパンカップですので、観客の前、ゲート裏で長時間待機しなければならないのが非常に難しいところです。馬がリラックスして、ゲート裏でエネルギーを消耗しすぎないことを願うばかりです」 

「18頭立てというのは非常に多頭数ですし、枠順は明らかに重要になってきます。10番より内ならどこでも良いのですが、こればかりは運ですので、与えられた枠で全力を尽くすのみです」

上保周平、Idol Horseのジャーナリスト。日本、海外問わず競馬に情熱を注いでいる。これまでにシンガポール、香港、そして日本の競馬場を訪れた経験を持っている。

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マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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