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香港の名スプリンター、ラッキースワイネスが来月のG1・スプリンターズステークス(1200m、中山)に出走することが決まった。マンフレッド・マン調教師が、開幕日の沙田競馬場で予定される復帰戦を経て日本遠征に臨むと明言した。

これまでG1を4勝しているラッキースワイネスは、サイレントウィットネス、ウルトラファンタジーに続く3頭目の香港調教馬による同レース制覇を狙う。9月28日の大一番に先立ち、3週間前の沙田で行われる香港特区行政長官盃(1200m)で始動予定だ。

「開幕日に走って、その後日本に向かいます」とマン師は今後の予定について言及。

金曜朝、シャティンで今季初のバリアトライアルを終えた直後、Idol Horseの取材に対して「日本へ連れて行くのは本当に楽しみです。いつ現地入りするかはまだ未定ですが、もう少し近くなったら計画を立てます」と話した。

7歳となったラッキースワイネスは、バリアトライアル前は落ち着いていたものの暑さで汗をにじませており、オールウェザー1200mでデレク・リョン騎手の手綱に促されながら、リッキー・イウ厩舎のジャイアントリープと並んでゴールした。

LUCKY SWEYNESSE, DEREK LEUNG / Sha Tin trial // 2025 /// Video by Idol Horse

リョン騎手は、5月のG3・シャティンヴァーズ(1200m)で後方から追い込んで4着に入った際にも騎乗。今回も香港特区行政長官盃、そしてスプリンターズSで手綱を任されることが決まっている。

今回の遠征はラッキースワイネスにとって初の海外挑戦となる。マン師は2023年の安田記念は参戦を見送っており、念願の世界挑戦を日本から始まる。一方でリョン騎手にとっては1年半ぶり2度目の日本騎乗。昨年のG1・高松宮記念(1200m、中京)でビクターザウィナーを3着に導いた経験がある。

「もちろんオーナーと調教師には本当に感謝しています。まずは香港特区行政長官盃でいい結果を出したいと思っています」と、真夏の沙田で水を浴びながら語ったリョン騎手。「今日の感触は良かったです。まだ少し余裕がありますが、体調は確実に上向いています。いい動きでした」と語った。

「ここ数週間は天候が悪く、強い負荷をかけられませんでした。そのため息が乱れましたが、全体的には動きは良かったですし、着実に良化しています。大型馬なので仕上げにはしっかりとした稽古が必要です」

ラッキースワイネスは4歳シーズンに10戦8勝の快進撃を見せたが、翌シーズンの終盤は故障で戦列を離脱。昨季は2戦のみで、4月のG1・チェアマンズスプリントプライズ(1200m)は6着、続くシャティンヴァーズでは4着に終わった。

すでにスプリンターズS参戦を決めていたマン師だが、同じ金曜に行われたカーインライジングの圧巻のバリアトライアルの内容は、今季の香港短距離陣にとって沙田以外の舞台のほうがむしろ勝ちやすいのではないか、という印象すら与えた。

KA YING RISING, ZAC PURTON / Sha Tin trial // 2025 /// Video by Idol Horse

デヴィッド・ヘイズ厩舎のスターホース、カーインライジングは、香港特区行政長官盃に向けた調整として沙田のダートコースに登場。ゲートを軽快に飛び出すと、ザック・パートン騎手を背に力強い走りを見せ、直線では後続を14馬身以上も突き放した。

「相手関係を考えれば楽に勝って当然だと思います」とバリアトライアル後に語ったパートン。「まだ仕上がり途上なので本調子ではありませんが、これからどんどん良くなるはずです。負荷を感じていて、その点はむしろ収穫でしたし、これからさらに良化していきます」と述べた。

さらに「大事なのは無事に戻ってきたこと。今日はその第一歩を踏み出せましたし、ここからが本当の勝負です」と力強く語った。

カーインライジングはシャティンのシーズン開幕開催でラッキースワイネスと激突。その後は世界最高賞金の芝レース、ジ・エベレスト(1200m、豪ランドウィック)への遠征が控えており、10月18日の大舞台に照準を合わせた調整を続けている。

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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