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カーインライジング

高い期待、斤量、さらなる野望。

香港特区行政長官盃を走るカーインライジングはトップハンデの135ポンドを背負うが、ファンの期待も背負っている。

カーインライジングのように4連勝中の馬となると、連勝継続への期待が高まるのも無理はない。シーズン開幕日での復帰戦となるが、より大きな目標、12月の香港スプリントへの足がかりとなる一戦だ。

Ka Ying Rising
KA YING RISING, ZAC PURTON / Sha Tin // 2024 /// Photo by HKJC

順調に行けば4戦目での挑戦となるが、初戦となるこのレースでは、ジンクスを跳ね返すことが必須だ。まず、1997年以降、このレースで1番ゼッケン(最重量ハンデ)を着けた馬は勝っていない。

しかし、2004年のザデューク、2018年のウィナーズウェイの2頭は、130ポンドのハンデを背負って勝っている。勝ち馬の傾向として、113ポンドから119ポンドの馬は来やすい傾向のようで、過去29回のうち18頭はその範囲の斤量を背負っていた。

ビューティーウェーヴス

斤量、前走勝ち馬。

今週日曜日のメインレースに向けて、全ての条件を満たしているのはこの馬だ。ベストな斤量、前走勝利という有利な条件で臨むことができる。

伝統のシーズン開幕日の一戦で、115ポンドという斤量は相性が良い。2年前には、ラッキースワイネス(115ポンド)が制した。昨年はトップハンデを背負わされて敗れたものの、勝ったのはビクターザウィナー(115ポンド)だった。

過去の勝ち馬を見ると、113ポンド、115ポンド、119ポンドの斤量は勝ち馬がそれぞれ4頭ずつ存在する。

また、特筆すべき傾向として、前走勝っている馬が好成績を収めている。過去27頭の勝ち馬のうち、12頭が前走勝利を挙げており、前走2着はわずか4頭に過ぎない。今年はカーインライジング(135ポンド)、マジェスティックナイト(127ポンド)、ビューティーウェーヴス(115ポンド)の3頭が条件を満たしている。

ジュネーヴ

ここまで4戦の人気。

デヴィッド・ホール厩舎のジュネーヴは、再び人気を背負って未勝利脱出に挑むのだろうか?

ジュネーヴはここまで4戦で勝利に至っていないものの、毎回高い人気を集め、セイレーンの声のようにファンを惑わしてきた。今回騎乗するヒュー・ボウマン騎手はそのジンクスを打ち破るべく、鞍上に戻って4度目のコンビとなる。

しかし、日曜日の行方はまだ分からない。2回も1番人気で初勝利を逃しているマスターマスターマインドも出走する予定で、こちらが人気を集める可能性もある。

ハイランドラーイ

馬装変更、降級初戦、2年目のPP(出走歴のある移籍馬)。

今シーズン、ハイランドラーイが初勝利を挙げるには、お馴染みの馬装が必要となるのかもしれない。フランシス・ルイ調教師はチークピーシーズを着け、新たな一面を引き出そうと模索している。タイミングとしては、絶好の機会かもしれない。

香港移籍後、最初の3レースは良いところ無しだったが、昨シーズン最後の4戦目は希望の光が垣間見える走りだった。残り300m地点まで先頭をキープし、その後失速して6着に終わったが、期待馬のキングマイルズとザウィナビーに3馬身差のところまで迫った。

ハイランドラーイは北半球産のPPらしく、走る度に期待通りの改善を見せていたが、オフシーズンの間にレーティングを3つ下げる形となった。今回、初めてクラス4の条件戦で走ることになるが、移籍前の最後の3戦(3着・2着・1着)で装着していたチークピーシーズも再使用となる。一変を期待できそうだ。

ジョイフルプロスペリティ

転厩、調教師、騎手。

近年のダニー・シャム調教師は毎年スタートダッシュに成功しているが、ジョイフルプロスペリティもその傾向を活かせるだろうか?

シャム厩舎に転厩したジョイフルプロスペリティは、いくつか有利な要素を持っている。昨シーズンはクラス4で良い走りを見せていたが、勝ち星には手が届かず、今回からクラス5に降級となった。

鞍上のヒュー・ボウマン騎手とは2023年7月以来のコンビ結成となるが、ボウマンは昨シーズンの開幕日でも勝利を挙げており、その再現に期待が持てる。

シャム調教師のスタートダッシュも有名だ。昨シーズンも期待通りの出足の良さを見せ、ビクターザウィナーでラッキースワイネスを破って、クラス1・香港特区行政長官盃を制した他、その後も2勝を挙げた。しかし、今年のメインレースには出走馬はいない。

ジョイフルプロスペリティの他にも、昨シーズンの開幕日で勝利を挙げたシュプリームラッキーと、チャンピオンメソッドを初日の競馬に送り込む。

Luke Middlebrook

ルーク・ミドルブルック、Idol Horseの香港競馬担当。香港競馬の面白さに魅了され、数年間ブログで香港競馬の分析記事を発信、2016年からはシンガポールに移住した。シンガポールではiRace Mediaの専属専門家として8年間活動し、香港競馬とシンガポール競馬の分析や記事執筆を監督していた。

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