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香港ジョッキークラブ(HKJC)は、今週日曜日のシャティン開催で開幕する2025/26年シーズンから施行される、新たな鞭使用ルールを公表した。

香港では5月に鞭の使用ルールに関する見直しが行われると発表されたが、それに伴った改訂ルールが新シーズンから適用される。HKJCのチーフスチュワード(裁決委員長)を務めるマーク・ファンゲステル氏は、100メートル標識手前での鞭使用規程に変更があると明らかにした。

ファンゲステル氏は、木曜朝のシャティンでの記者会見で次のように説明した。

「100メートル地点以前においては、いかなる時も『2完歩以上連続での鞭使用は厳禁』となります。それ以外については、鞭の使用は騎手の裁量に委ねられます」

「ルール100の変更は、馬の福祉および鞭の使用に関する認識上の問題に対処するためのものです。特にWorld Poolの拡大を踏まえ、他の競馬開催国との協調に向けた一歩です」

新規定の実施は、世界トップレースの振興を目的とするWorld Poolの発売スケジュールに香港の全12・G1競走を組み込むと発表されてから9か月後の実現となる。

ただし、World Poolで馬券発売する他の8か国と異なり、香港は競馬施行規程において鞭の使用回数を明示していない唯一の開催国であり続けている。

ファンゲステル氏は「クラブが重視した点の一つは、レース中に騎手に鞭の回数を数えさせないことでした」と経緯を説明。「それを義務付けると、採用する戦術といった実際の騎乗から、騎手の集中がそれてしまうと考えています」と述べた。

ファンゲステル氏は新ルールに移行期間を設けることを明言し、他の国では鞭のルール違反により到達順位が変更された事例がある一方で、香港では「違反を理由とする抗議、異議、失格は行いません」と述べた。

「移行期間の長さは、騎手が新ルールにどう反応するかに左右されます。重大な違反があった場合、当初は罰金の対象となり得ますし、違反が続くようであれば、その時点で騎乗停止処分の発出を開始します」

記者会見の中で同氏は、5月4日のザック・パートン騎手のシェイマスストームでの騎乗、および7月5日のアンガス・チャン騎手のノーザンファイアボールでの騎乗を、「新ルール下では許容されない事例の例」として挙げた。

その際、チャンは100メートル手前までにムチを17回使用し、パートンは同地点までに13回使用している。

HKJCのレーシング・エグゼクティブディレクターを務めるアンドリュー・ハーディング氏は、改定規定が「安全面、福祉面の目標を達成しつつ、同時にファンの期待する形で競馬が行われることを担保する、節度ある変更」になることを期待していると述べた。

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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