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2025年の香港ダービーが日曜日に行われたばかりだが、オーナーたちはすでに来年のダービーに向けた有力候補に目を向け始めている。週末にメルボルンでシャンワーが台頭したことで、その動きはさらに加速している。

現在キアロン・マー調教師のもとで管理されているシャンワーは、4月5日にランドウィック競馬場で行われるG1・オーストラリアンダービー(芝2400m)を最後に、香港でのキャリアをスタートさせる予定だ。このローテについては、元の馬主であるケヴィン・ペイン氏とヴィッキー・ペイン氏も承認済みだと伝えられている。

Idol Horseの取材によれば、このシャンワーの売却は200万豪ドル(約2億円)を超える大型取引だったという。トゥーダーンホット産駒の同馬は、土曜日にムーニーヴァレー競馬場で行われたG2・アリスタークラークステークス(芝2040m)をイーサン・ブラウン騎手を背に制したばかりだ。

ブラウン騎手はペイン夫妻の黄と緑の勝負服を着用していたが、オーストラリアンダービーでは別の勝負服に変わり、レース後に香港へ輸出される予定である。

「ありがたいことに、今回彼に出資してくれたクライアントたちは、アリスタークラークSとその後のシドニーでのダービーに出走させることを認めてくれました」と、マー厩舎のアシスタントトレーナーを務めるジャック・ターンブル氏はIdol Horseに語った。

「彼は非常にプロフェッショナルな馬で、戦術的なスピードに優れており、良馬場を得意としています。去勢して以降は気性も安定しており、メンタル面でも環境に適応できると思いますし、香港のシステムにも合うタイプでしょう」

「イーサン(ブラウン騎手)はレース後に、もし並走する馬がいればもうひと伸びできたと話していました。ここ2戦は圧倒的な内容で勝っており、世代のトップクラスかどうかはまだ分かりませんが、それはシドニーでのダービーで明らかになるでしょう。ただ一つ確かなのは、非常に良い指数を出していて、ヴィクトリアの3歳馬たちを楽に打ち負かしているということです」

シャンワーがアリスタークラークSの勝ち馬として香港ダービー出走を果たすことになれば、それは史上初の快挙となる。ただし、2013年の優勝馬フィリッピ(香港名:ヴァニラ)と、2019年の勝ち馬グローバルエクスチェンジ(香港名:エンジョイング)は、それぞれクラシックカップに出走している。

また、リヴンとアンビシャスジェネラルもアリスタークラークSを経て香港ダービーに出走し、いずれも4着に入っている。

Statuario finished third in the Alister Clark
STATUARIO, DAMIAN LANE / Cranbourne // 2024 /// Photo by Sportpix

そして、このレースで外から脚を伸ばして3着に入ったスタチュアリオも注目を集めた。トワード・リワード・サラブレッズの代表を務めるマット・セリック氏は、シンジケート所有馬であることから、適切なオファーがない限りは過半数の同意を得て売却するのは難しいと語る。

「トワード・リワードにとっての最優先事項は、出資者の皆さんにとって最善の結果をもたらすことです。そのため、どのようなオファーも常に検討し、所有者グループによる投票にかけています」と同氏は話す。

「彼のキャリア初期に香港からいくつかの低額オファーが届きましたが、所有者によって却下されました。ただ、どんな馬にも適正価格というものはあります。所有者の人数が多いほど売却は難しくなりますし、彼には30人以上のオーナーがいます」

「レース後の状態も良好だったので、来週にはオーストラリアンダービーへ進むか、サウスオーストラリアンダービーを目指すか、あるいは別の道を取るかを判断する予定です。とても素晴らしい馬で、すべてのオーナーにとって大きな喜びを与えてくれています」

土曜日のオーストラリアでは、G1・ローズヒルギニー(芝2000m)も行われており、同レースは香港ダービーへの重要な指標として知られている。アリスタークラークSと同様、このレースの勝ち馬が香港ダービーに直行した例はないが、ローズヒルギニーからは香港ダービー馬が何頭も誕生している。

たとえば、2025年の香港ダービー馬であるカップフェラは、前年のローズヒルギニーでリフロケットとチェオルウルフの後塵を拝し3着だった。

その前には、2018年のローズヒルギニーで3着だったフローレが、翌年のシャティンで香港ダービーを制している。

また、ローズヒルギニー経由で最も名を馳せた香港馬はビューティージェネレーションであり、彼は2016年にタルジーノの2着に敗れた後、2017年の香港ダービーではラッパードラゴンの3着となった。その後は名マイラーとして歴史に残るキャリアを築いた。

今年のローズヒルギニーを制したブロードサイディング、および2着のアエリアナは売却予定がなく、いずれもオーストラリアでの4歳シーズンに向けて期待されている。しかし、それ以下の着順に入った馬たちの中には、2026年の香港ダービー候補に名乗りを上げる可能性もある。

Broadsiding en route to winning the 2025 Rosehill Guineas
G1 Rosehill Guineas // Rosehill /// 2025 //// Photo by Sportpix

2016年のG1・チェアマンズスプリントプライズをシャトークアで制したことで知られる有力馬主ルパート・レグ氏は、今年のローズヒルギニーで3着に入ったスウィフトファルコン(マイケル・ウェイン & ジョン・ホークス厩舎)と、4着のプリマス(バリーモアステーブルのグレン・トンプソン調教師)を、いずれも自身のネイビーとゴールドの勝負服で出走させていた。

スウィフトファルコンは次走、オーストラリアンダービーと同日に行われるG1・ドンカスターマイルに出走予定で、負担重量はわずか49kg。とはいえ、最も困難な課題はそもそも出走枠に入れるかどうかかもしれない。長期的には、10月に行われる高額賞金のゴールデンイーグル(芝1500m)を目標に据えることが見込まれている。

一方のプリマスは、トンプソン調教師の元パートナーである故マイケル・モロニー調教師の管理下で同じ勝負服をまとったメリオンと比較される存在だ。

メリオンは、香港のジェームズ・ラウ氏とアリス・ウー氏に売却された。両氏は今年、南アフリカからの輸入馬であるモンディアルで香港ダービーを目指していたが、最終段階で除外されるという憂き目に遭った。

しかし、バリーモアステーブルのレーシングマネージャー、アンソニー・フェローシ氏は、プリマスがメリオンと同様の道を辿る可能性は低いと語る。

「プリマスはダービーに出走する予定です」とフェローシ氏。「現時点では、彼を香港に売却する可能性は低いと考えています」

ローズヒルギニーで6着となったマヨルカサンセットは、オーストラリアンダービーには向かわないことになったが、ビョルン・ベイカー調教師は、来年の香港ダービー向きの馬だと評価している。

「オファーがあれば歓迎しますよ」とベイカー調教師は語った。「これからしっかり休養に入りますが、いい馬ですし、まだ若くて未熟です。来年の今頃には、今の倍くらいの馬になっていると思います」

ニュージーランドから来た遠征馬、チェックメイトは、ランス・オサリヴァン調教師とアンドリュー・スコット調教師のもとで長期にわたるローテーションをこなした末に8着でゴール。この結果をもって、3歳シーズンを終え、土曜日のレース後にすでにニュージーランドへ帰国している。

すでに香港に輸入されている馬の中にも、ダービーを目指す可能性がある馬がいる。ブラジルのG1を2勝しているスノーフィールド、オーストラリアのG2で入着したアノード、さらにイギリスのG3勝ち馬であるメイクユースマイルとシンボルオブストレングスなどがその候補だ。

また、香港に未出走で輸入された『グリフィン』たちの中からも、有力候補がすでに頭角を現しつつある。マンフレッド・マン調教師が手掛けるパッチオブコスモ、ジョン・サイズ厩舎のジュノープライドとスカイジュエリーの2頭がその代表格だ。

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの国際担当。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。

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