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2026年香港ダービーは以前から、枠順の影響が大きい一戦になると見られてきた。

そして木曜、その見立てはまさに現実となった。明確な抜けた存在がいない今年、枠順は勢力図を塗り替え、インヴィンシブルアイビスにははっきりと追い風となった一方、有力ライバルの何頭かには日曜のクラシックへ向けて厳しい条件が突きつけられた。

その点はIdol Horseのエキスパートチームの見方にも表れており、もともと僅差だったランキングには、枠順とそこから生まれる戦術面の影響によって、はっきりとした変動が生じた。

好枠、かみ合う脚質、そして理想の位置を取れる可能性は、これほど混戦のダービーではなおさら重要になる。小さな優位が、そのまま勝敗を分けかねないからだ。

今年の香港ダービーを前に、エキスパート陣が最終ランキングをまとめた。以下がその総合順位だ。

1. インヴィンシブルアイビス

前回順位: 1
枠順: 3
調教師: マーク・ニューナム
騎手: ヒュー・ボウマン
レーティング: 94
香港成績: 9: 4-3-1

首位を守った理由は、もともと高く評価されていた要素だけではない。スムーズな臨戦過程、距離延長を段階的にこなしてきた点、そしてマーク・ニューナム調教師とヒュー・ボウマン騎手のコンビネーション。

そのうえで、自身は3番枠を引き、有力ライバルの多くが難しい枠に入ったことも大きい。

さらに、ニューナム師は水曜夜のハッピーバレーで自身最多となる5勝を挙げ、厩舎はまさに絶好調だ。ここまでの積み上げを見ても、すべてが「今この舞台に合う馬」であることを示している。

Invincible Ibis and Hugh Bowman beat Zac Purton on Beauty Bolt at Sha Tin
INVINCIBLE IBIS, HUGH BOWMAN / Sha Tin // 2026 /// Photo by HKJC

2. ストーミーグローヴ ↑

前回順位: 3
枠順: 7
調教師: フランキー・ロー
騎手: ハリー・ベントレー
レーティング: 98
香港成績: 7: 2-1-1

爆発力のある決め手を備えた馬で、前走の香港クラシックカップ勝利によって、香港ダービーの有力候補であることをしっかり示した。

もちろん、香港ダービー特有のプレッシャーの中で折り合い、最後まで距離をこなせるかという不安は残る。それでも、能力の高さ自体に疑いはない。

7番枠は理想的と言っていい。枠順そのものがこの馬を大きく押し上げたというより、他の有力馬が難しい枠に入ったことで、この混戦ではそれだけでも順位をひとつ上げるのに十分だった。

3. パッチオブコスモ ↑

前回順位: 5
枠順: 6
調教師: マンフレッド・マン
騎手: ディラン・ブラウン・マクモナグル
レーティング: 89
香港成績: 14: 5-0-1

5位から3位へ浮上。引き続き、香港ダービーでもっとも興味深い存在の一頭だ。

ディラン・ブラウン・マクモナグル騎手は水曜夜のハッピーバレー開催で落馬したものの、引き続き手綱を取る。マンフレッド・マン師が、故障明けのこの馬を香港ダービーでピークを迎える状態まで持ってきた手腕も見事だ。

素質のある馬で、さらに上積みも見込める。そのうえで、今回は十分に勝負圏へ加われる枠を引いた。もはや「見落とされがちな一頭」には見えない。

4. リトルパラダイス

前回順位: 4
枠順: 10
調教師: ジミー・ティン
騎手: ヴィンセント・ホー
レーティング: 103
香港成績: 10: 6-1-1

順位は維持したが、枠順は決して楽ではない。ジミー・ティン師は、香港クラシックマイルでは鮮烈だった一方、香港クラシックカップではレース前に気負い、ゲート内でもたれかかり、出遅れ、さらに行きたがってしまったこの馬の立て直しを図ってきた。

今回は10番枠。ヴィンセント・ホー騎手としては、ここは無理をせず、控える形が濃厚だ。だが、それはもともと力みやすいこの馬にとって、理想とは言いにくい。

Little Paradise and Vincent Ho winning the 2026 G1 Hong Kong Classic Mile
LITTLE PARADISE, VINCENT HO / Hong Kong Classic Mile // Sha Tin /// 2026 //// Photo by HKJC

5. ナンバーズ ↓

前回順位: 2
枠順: 13
調教師: フランキー・ロー
騎手: デレク・リョン
レーティング: 100
香港成績: 4: 2-0-1

枠順抽選でもっとも大きな打撃を受けたのがこの馬だ。おそらく先手を取る馬が13番枠を引いた。

デレク・リョン騎手は前へ行くしかないが、楽にハナへ立たせないよう内からも圧力がかかるのはほぼ間違いない。

この並びを克服するには、逃げ馬に乗る高い技術が必要になる。それでもなお最大の強みは、このメンバーで唯一、2000m以上の距離実績がはっきりしている点だ。

6. トップドラゴン

前回順位: 6
枠順: 1
調教師: クリス・ソー
騎手: アンドレア・アッゼニ
レーティング: 87
香港成績: 13: 3-4-2

トップドラゴンの陣営は方針を変え、香港ダービーへ出走することを決めた。臨戦過程は決して王道ではない。

標準的なローテーションを歩んできた馬ではないが、タフで、状態も良く、見た目以上に中身のある一頭だ。

アンドレア・アッゼニ騎手が土壇場で騎乗することになった。派手さのあるタイプではないかもしれない。それでも、この舞台に挑む権利は十分につかみ取っており、しぶとさと確かな地力を持っている。

7. ダズリングフィット

前回順位: 7
枠順: 14
調教師: デヴィッド・ユースタス
騎手: ルーク・フェラリス
レーティング: 80
香港成績: 11: 3-1-2

順位こそ維持したが、この枠は大きな痛手だ。大外14番、世界でも屈指の難しいスタート地点だ。ルーク・フェラリス騎手は厳しい判断を迫られる。

フェラリス騎手は昨年、マイウィッシュで外枠から控える競馬をしてアタマ差2着だった。ただ、今回は同じ形が通用するとは見えにくい。おそらく中団あたりの位置を探る必要があるが、14番枠からそれをこなすのは簡単ではない。

DAZZLING FIT, LUKE FERRARIS / Sha Tin // 2025 /// Photo by HKJC

8. エンブレイゾン

前回順位: 8
枠順: 8
調教師: コディ・モー
騎手: ジェリー・チョウ
レーティング: 88
香港成績: 8: 5-1-0

1400mから一気に距離を延ばして挑む、まさにこのレースの未知数の一頭だ。この戦績で香港ダービーを勝つには、調教師の相当な手腕が必要になる。それでも、周囲の見立てを何度も覆してきた馬であり、才能そのものに疑いはない。

8番枠は、この馬にとって理想的とは言えない。おそらく中団で運び、展開待ちの形になるだろう。距離さえこなせれば通用していいが、そのためには道中でいくらか助けも欲しい。

9. ポープコディ

前回順位: 9
枠順: 9
調教師: ミー・ツイ
騎手: ジェームズ・オーマン
レーティング: 76
香港成績: 15: 1-1-1

戦歴だけを見て強く推せるタイプではないが、香港クラシックカップの内容は、なお評価に値するものだった。あのレースでは最後までしっかり脚を使っており、香港ダービーの2000mはむしろ合いそうだ。

実績や注目度では見劣るかもしれない。それでも堅実で、ここまでの評価を自分で積み上げてきた。今年のような混戦では、その点も無視できない。

10. リーガルジェム

前回順位: 10
枠順: 4
調教師: フランキー・ロー
騎手: アレクシ・バデル
レーティング: 85
香港成績: 12: 3-2-1

クラス2のマイル戦で、後方から差を詰めて上位に食い込んだことで、単なるスプリンターではないことを示した。少なくとも、それによって香港ダービー挑戦に一定の裏付けは加わった。

ランキング圏外から直前に急浮上してきた立場で、なお伏兵扱いではある。それでも、前走の終いの脚は、今回の挑戦がまったく筋違いではないことを示していた。

11. サゲイシャスライフ

前回順位: 11
枠順: 2
調教師: ピエール・ン
騎手: カリス・ティータン
レーティング: 97
香港成績: 5: 2-0-0

どうにかメンバーに滑り込み、ランキングにも戻ってきたが、臨戦過程の勢いは落ちている。喉鳴りの不安もなお残る。2番枠で戦術の幅は広がるが、ここは無理をせず控える競馬になる可能性が高い。

この順位が示すほど見込みが薄いのかと問われれば、必ずしもそうとは言い切れない。早い段階で最上位候補と見られていたのには理由があった。だがその後は勢いを欠き、今は上向いているようには映らない。

12. ビューティーボルト

前回順位: 12
枠順: 11
調教師: トニー・クルーズ
騎手: ブレントン・アヴドゥラ
レーティング: 88
香港成績: 9: 2-3-2

ジェームズ・マクドナルド騎手がこの馬を降り、セラフガブリエルを選んだことで、この馬の評価はさらに難しくなった。もともとあった疑問、つまり本当に2000mを最後までこなせるのかという不安も、より強く意識される形になった。

香港クラシックカップまでは大きく崩れることなく、戦術の幅も見せていた。7着は、初めて3着以内を外した一戦だったが、それでもマクドナルド騎手の選択は誤りだったと見る向きは残っている。

Zac Purton and Beauty Bolt win narrowly at Sha Tin in 2025
BEAUTY BOLT, ZAC PURTON / Sha Tin // 2025 /// Photo by HKJC

13. セラフガブリエル

前回順位: 13
枠順: 12
調教師: デヴィッド・ユースタス
騎手: ザック・パートン
レーティング: 79
香港成績: 3: 0-1-0

ジェームズ・マクドナルド騎手が、ビューティーボルトではなく、デヴィッド・ユースタス厩舎の2番手と見られていたこちらを選んだ時点でも、多くの関係者にとって意外だった。

だが、渡航を巡る問題によって、1週前時点では騎乗馬がいなかった香港のチャンピオンジョッキー、ザック・パートン騎手が土壇場で手綱を取ることになった。

素質や馬体の見映えだけを見れば、ここで通用しても不思議ではない。ただ、前走内容を基準にすると、現時点では勝負圏にいるようには見えない。メンバーの中でも、もっとも評価が難しい一頭のひとつだ。

14. ジュノープライド

前回順位: 14
枠順: 5
調教師: ジョン・サイズ
騎手: キース・ヨン
レーティング: 81
香港成績: 15: 3-6-3

香港で15戦を重ねる中で、自身の評価を押し上げる機会は何度もあった。それでもレーティング81でようやく出走メンバー入りしたにとどまる。堅実ではあるが、他馬の方により大きな上積みを感じる。

メンバー中もっとも小柄な馬であり、オーナーにとってはまず香港ダービーのパドックに立てるだけでも十分に喜ばしいことだろう。堅実さには敬意を払いたいが、ここではやはり厳しい。

IDOL HORSE、多言語で展開するグローバル競馬ニュースネットワーク。

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