競馬場: 中山競馬場
開催日: 4月19日
距離: 2000m
総賞金: 4億3400万0000円(約280万0000米ドル)
皐月賞は1939年に創設された、JRAのクラシック三冠初戦にあたる競走で、英国の英2000ギニーに相当する一戦だ。ただし、本家の英2000ギニーが1マイルで争われるのに対し、こちらは2000mで行われる。スピード型の3歳馬には、5月のG1・NHKマイルカップという別の選択肢もある。
皐月賞を制し、その後に日本ダービーと菊花賞も勝って三冠を達成した馬は8頭いる。最初は1941年のセントライトで、直近では2020年のコントレイル。近年では2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴルもその中に名を連ねる。
レーン騎手、皐月賞初制覇なるか
ダミアン・レーン騎手は近年、日本で大きな勝利をいくつも挙げてきた。中でもリスグラシューで制したG1・有馬記念とG1・宝塚記念、そしてタスティエーラで勝ったG1・日本ダービーは象徴的だ。
ただ、日本のクラシック制覇は、タスティエーラで制した日本ダービーだけだ。実際、レーンは2023年の皐月賞でフリームファクシに騎乗して9着。その年、タスティエーラはソールオリエンスの2着だった。もっとも、その2023年がレーンにとって皐月賞2度目の騎乗で、初騎乗の2020年はサリオスで2着。三冠馬のコントレイルに半馬身差まで迫っていた。
1番人気候補と目されるカヴァレリッツォで勝てば、レーンは皐月賞を制した5人目の外国人騎手となる。最初は2002年、ノーリーズンで勝ったブレット・ドイル騎手。その後に4勝のミルコ・デムーロ騎手、クリストフ・ルメール騎手、ジョアン・モレイラ騎手が続いている。
朝日杯FS組は追い風か、逆風か
シルクレーシングのカヴァレリッツォは、昨年12月、2歳王者決定戦のG1・朝日杯フューチュリティステークスを制し、最優秀2歳牡馬に輝いた。ただ、1949年の創設以来、朝日杯FSと皐月賞をともに勝った馬は5頭しかいない。
今世紀に入って以降は、2012年の朝日杯から翌2013年の皐月賞を制したロゴタイプだけだ。
実際、今世紀の皐月賞馬で朝日杯FSに出走していたのは4頭だけである。その4頭には、2走前の朝日杯で2着だった昨年の皐月賞馬、ミュージアムマイルも含まれる。それでも、12月の1600mで力を発揮した牡馬が、4月の2000mでもそのまま最上位に入るケースはそう多くない。
ホープフルS組の相性は?
2000メートルで行われるG1・ホープフルステークスは、日本の2歳中距離路線を締めくくる大一番だ。ここを経由した皐月賞馬は7頭おり、そのうち5頭は両レース(前身・G1昇格前を含む)を勝利している。
1993年にナリタタイシンが初めて達成、2001年のアグネスタキオン、2010年のヴィクトワールピサ、2019年のサートゥルナーリア、そして翌2020年のコントレイルがそれにあたる。残る2頭、ヴィクトリーとゴールドシップはいずれも2着から皐月賞を制した。
この傾向は、昨年12月のホープフルSを勝ったロブチェン、そして直行で皐月賞へと向かう2着馬のフォルテアンジェロにとって心強い材料だ。

パントルナイーフ、異例のぶっつけ本番
実戦間隔という点では、クリストフ・ルメール騎手が騎乗するパントルナイーフは、今世紀の前例を覆さなければならない。キャロットファーム所有馬である同馬は、昨年2戦目の未勝利を勝ち上がると、続くG2・東京スポーツ杯2歳ステークスも制して高い資質を示した。近年ではクロワデュノール、イクイノックス、コントレイルも勝っている出世レースだ。
しかし、それは昨年11月24日のこと。今回は実に146日ぶりの実戦となる。
パントルナイーフは本来、3月の弥生賞で復帰する予定だったが、左後肢の違和感でそのプランは頓挫。結果として、5か月ぶりの実戦でクラシック初戦に臨むことになる。今世紀の皐月賞馬に、これほど長い間隔で臨んだ例はない。そのアクシデントがパントルナイーフには痛手となるかもしれない。とはいえ、それでも勝ち切れば見事というほかない。
もっとも、過去26年の皐月賞馬のうち18頭は前走1着馬であり、その点はパントルナイーフにとって追い風だ。さらに4頭は前走2着から本番を制している。ただし、今世紀の皐月賞馬に、前走が12月下旬のホープフルステークスより前までさかのぼる馬は1頭もいない。
津村明秀騎手、リアライズシリウスでクラシック初制覇へ
津村明秀騎手は2年前、伏兵テンハッピーローズをG1・ヴィクトリアマイル制覇へ導き、騎手人生で最大の勝利を手にした。あれが初のG1勝利で、現在も唯一のG1勝利だ。しかし40歳となった今年、日曜は初のクラシック制覇に手が届く位置にいる。
一時は有力な2頭の中から騎乗馬を選べる立場にあった。手塚貴久厩舎のアウダーシアがG2・スプリングステークスを勝ち、その前には同厩舎のリアライズシリウスがG3・共同通信杯を制していたからだ。だが、アウダーシアはアクシデントで皐月賞を回避。津村騎手はリアライズシリウスとのコンビで、厩舎の大きな期待を背負うことになった。
この2戦に加え、皐月賞の主な前哨戦には弥生賞、若葉ステークス、京成杯、毎日杯がある。今世紀の勝ち馬で、ホープフルステークス勝ちから直行したサートゥルナーリアとコントレイルを除けば、すべて少なくともそのいずれかを経由している。
中でも近年最も結果に直結しているステップレースが共同通信杯だ。過去14年の皐月賞馬のうち7頭がこのレースを経由しており、そのうち5頭は共同通信杯と皐月賞を連勝、残る2頭も前哨戦2着から本番を制した。
リアライズシリウスがこの流れを受け継ぐなら、津村騎手の初クラシック制覇は多くのファンに歓迎されるものとなるだろう。