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エリキング
1着(5頭立て) 2歳 OP
2000m (芝), 中京競馬場
土曜日 9月21日
レースはたったの5頭立て。単勝は1.4倍の1番人気。まさに負けられない一戦となったオープン・野路菊ステークスでのエリキングだったが、格の違いを見せるような走りで半馬身差の勝利を手にした。
レースを振り返ると、出遅れて最後方からのスタート。最初のコーナーに入る場面では、鞍上の川田将雅騎手の指示に刃向かう素振りを一瞬見せたが、その後は落ち着いて4番手で追走。直線では早々と先頭に立ち、2着のジョバンニの急追を抑えきった。
Eri King (Kizuna x Youngstar)
— F.S.horse-watch (@fshorsewins) September 21, 2024
Chukyo 8R NOJIGIKU STAKES
Turf 2000m 2:02:8(33.4) pic.twitter.com/8LDQtjxk6F
もっとも、今日の走りが『ベストパフォーマンス』かと言われれば、そうではないと答えるのが妥当だろう。馬体重は前走から14キロ増加、そして気性の幼さが垣間見える走り、決して完成度が高いとは言えなかった。現状、磨かれた宝石というよりは原石の方が近い。
川田将雅騎手は「リズムに乗れば良い走りができます」と褒めた一方、「軽い反抗期を迎えているのでゲートや1コーナーでは反抗する態度を見せました。精神面と馬体はまだ成長する見込みなので、そうすればもっと良い走りができると思います」と改善点を指摘した。
エリキングは2023年、セレクトセールにて2億2000万円で藤田晋氏に落札された。G1・ケンタッキーダービー3着のフォーエバーヤングや、G1・愛チャンピオンステークスで3着のシンエンペラーを所有する馬主として知られ、近年急速に規模を拡大しているオーナーの一人だ。
デビュー戦は宝塚記念当時、6月23日の新馬戦。『伝説の新馬戦』とファンの間で称されるように、毎年多くの有望株が集まるレースだが、雨が降る中で一番外を回って1馬身半差の勝利を手にした。

父はキズナ、2024年はG1・皐月賞を制したジャスティンミラノを輩出し、現時点で種牡馬リーディングの首位をひた走る。
母のヤングスターは現役時代、クリス・ウォーラー厩舎の所属馬としてG1・クイーンズランドオークスを制した。引退後は日本に輸出され、日本で産んだ初仔がエリキングとなる。叔母のファンスターも同じくクリス・ウォーラー調教師のもとで、2019年のG1・フライトステークスを勝っている。
中京競馬場に来場していたオーナーの藤田晋氏は「ゆっくりと成長していってほしい」と話し、将来を見据えて今は待つ姿勢を明らかにした。この日はヤングスカーレットという1戦1勝の3歳馬でも勝利を手にしており、2頭の期待馬が共に結果を出す嬉しい一日となった。
由来が気になるその馬名だが、藤田氏が創業したサイバーエージェントが所有するサッカークラブに因んだものだと明かされている。FC東京に所属するブラジル人ストライカー、エリキのあだ名が由来となっており、ウィナーズサークルでは藤田氏が彼のゴールパフォーマンスを真似する仕草を見せていた。
エリキングの3代母、ユーザーフレンドリーは1992年のオークスやセントレジャーを制し、同年のカルティエ賞年度代表馬を受賞したイギリスの名牝だ。ワールドクラスの良血馬が、日本のクラシック制覇を目指す。
将来の展望: まだ荒削りだが、クラシックで期待したい有望株