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Horse To Follow: クロワデュノール

1着(9頭立て) 2歳 G2・東京スポーツ杯2歳S
1800m (芝), 東京競馬場
土曜日 11月16日

3年前にこのレースを制した、イクイノックスの再来を予感させる逸材が現れた。ダービー馬を数多く輩出した『出世レース』のG2・東京スポーツ杯2歳ステークスだが、今年はクロワデュノールが勝利。来年のクラシックに向けて名乗りを上げた。

キタサンブラック産駒のクロワデュノールがその名を世に知らしめたのは6月の新馬戦、1番人気は同じ勝負服のアルレッキーノに譲ったものの、レースでは2番手追走から上がり3ハロン33.8秒という末脚を発揮し、2馬身半差の快勝で初戦を飾った。2着のアルレッキーノは次の未勝利戦を7馬身差で圧勝、それもこの2歳牡馬の評判に拍車をかけた。

2戦目として挑んだG2・東スポ杯では、前走から24キロ増えて504キロという馬体重で出走。状態はピークとは程遠く、余裕残しの仕上げなのは明白だったが、それでも前回同様に2番手から先頭の馬をあっさり交わし、3/4馬身差の勝利。着差は前走ほど広がらなかったものの、それでもその強さに疑いはない走りだった。

鞍上の北村友一騎手はレース後、「まだ100点満点ではありませんが、それでも勝つことができて、本当にポテンシャルの高さを感じます。次は体も絞れて楽に走れると思うので、操縦性も良くなってくると思います。この先も頑張ってくれると思います」と話した。

CROIX DU NORD / G2 Tokyo Sports Hai Nisai Stakes // Tokyo /// 2024

レースの勝ち時計は1:46.8。過去のコントレイルやワグネリアンと比べても特に際立ったものではなく、翌日の日曜日に行われた2歳馬の未勝利戦では、ロートホルンがそれより速い1:45.9を記録している。だが、各馬が牽制し合ったためスローペースで展開は進んでおり、これは評価を下げる要素ではない。

むしろ、注目すべきなのは上がり3ハロンの時計だ。レース全体の上がり3ハロンは33.4秒、JRAの2歳重賞では歴代3位に入る速い時計が記録されており、上位2つはG3・新潟2歳ステークスなのでこのレースとしては歴代最速だ。個別のラップを見ても、クロワデュノールの33.3秒の最速タイムを記録、優秀な部類に入るのは言うまでもない。

2010年以降、東スポ杯で上がり3ハロン最速を叩き出して勝った馬は8頭いるが、7頭は後にG1馬となっている。その中にはイクイノックス、コントレイル、ワグネリアン、サトノクラウン、ディープブリランテの名前も含まれる。

ここで自ずと比較対象になってくるのが、3年前にこのレースを制したイクイノックスだ。2戦目で東スポ杯を勝ったこと、キタサンブラックの息子であること、そしてその強烈な末脚、『イクイノックス二世』との期待を集めるのも無理はない。

2021年のレースを振り返ると、イクイノックスは上がり3ハロン32.9秒を記録し、2馬身半差での勝利。勝ち時計は1:46.2だった。前半のペースもほぼ同程度であり、ラップタイムでは上回っているが、最後の400mは2024年の方が速かったことは付け加えておきたい。

EQUINOX / G2 Tokyo Sports Hai Nisai Stakes // Tokyo /// 2021

そして、2着のサトノシャイニング、3着のレッドキングリーも優秀だった。特にサトノシャイニングは望んでいない形で先頭に立たされる競馬、そして落鉄があったことを考えれば、1馬身以内の僅差まで追い詰めた結果は大健闘と言える。勝ち馬のみならず、敗れた2頭からもポテンシャルの高さを感じるレースだった。

クロワデュノールの次走は明言されていないが、12月のG1・ホープフルステークスは斉藤崇史調教師の候補に入っていることだろう。そして、来年の目標はG1・日本ダービーだ。母のライジングクロスは2006年のG1・英オークスとG1・愛オークスでそれぞれ2着、クラシックの距離でも血統的な不安はない。

今の時点で次のイクイノックスと断言するのは、時期尚早かもしれない。しかし、クロワデュノールとサトノシャイニング、そしてレッドキングリーの3頭は来年のクラシックを賑わせる可能性は、大いにあるだろう。

将来の展望: 2024年の時点で、来年の日本ダービー最有力候補

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