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日本ダービー2025: ダービー馬候補パワーランキング(3月28日更新版)

Idol Horseの日本競馬専門家チームが、2025年の東京優駿(日本ダービー)の有力馬をランキング形式で紹介する。

日本ダービー2025: ダービー馬候補パワーランキング(3月28日更新版)

Idol Horseの日本競馬専門家チームが、2025年の東京優駿(日本ダービー)の有力馬をランキング形式で紹介する。

東京優駿(日本ダービー)は日本競馬における重要なタイトルの一つであり、毎年多くのファンが東京競馬場に詰めかける。府中に集まった観衆は、その年の3歳世代から新たな『王者』が現れる瞬間を心待ちにしている。

東京優駿は1932年に初めて施行され、イギリスのダービーを模して創設された。距離は2400m、1カ月前に行われる皐月賞(芝2000m)に続く牡馬三冠の第2戦として位置づけられている。

東京優駿への重要な布石としては、前年12月に行われる2歳G1の朝日杯フューチュリティステークスとホープフルステークスが挙げられる。また、年明けにはシンザン記念、きさらぎ賞、弥生賞ディープインパクト記念、スプリングステークス、毎日杯などのステップレースが続く。

春も終わりかけ、6月1日の東京優駿に近づくにつれて、皐月賞、青葉賞、プリンシパルステークス、京都新聞杯、そしてNHKマイルカップが重要な前哨戦となってくる。

あと2カ月あまりで迎えるこの大一番は、これまでにディープインパクト、スペシャルウィーク、キングカメハメハ、オルフェーヴル、コントレイル、ドウデュースといった名馬たちを輩出してきた。

そこで、我々は日本競馬の専門家たち招き、ダービー馬候補を1位から18位までランク付けを依頼。各人の評価をもとに、ダービー馬候補トップ18をここにまとめた。専門家たちは6月1日まで、主要なタイミングで随時ランキングを更新していく予定だ。

1. クロワデュノール

調教師斉藤崇史
馬主サンデーレーシング
血統キタサンブラック × ライジングクロス

無敗のクロワデュノールは、2024年の2歳世代の頂点に立つ存在として、12月28日のG1・ホープフルS(芝2000m)を制し、その名を轟かせた。そのレースの結果はその後も高く評価されている。

この勝利はクロワデュノールにとって通算3戦目での3勝目だった。6月に東京競馬場で行われた新馬戦でデビュー勝ちを収めると、11月にはG2・東京スポーツ杯2歳ステークスでも快勝。そこで下した相手は、同じく高く評価されている評判馬、サトノシャイニングだった。

2. エリキング

調教師中内田充正
馬主藤田晋
血統キズナ × ヤングスター

こちらも3戦無敗の牡馬。ホープフルSで2着だったジョバンニとの比較からも、クロワデュノールに迫る実力があることが分かる。エリキングは、9月の野路菊ステークス(中京・芝2000m)、そして11月のG3・京都2歳ステークス(京都・芝2000m)でいずれもジョバンニを2着に退けて勝利している。

今後は、4月20日のG1・皐月賞で始動予定だ。

3. サトノシャイニング

調教師杉山晴紀
馬主里見治
血統キズナ × スウィーティーガール

杉山晴紀調教師にとって、今年のクラシック戦線は非常に充実したシーズンになるかもしれない。サトノシャイニングは皐月賞から東京優駿を目指し、もう1頭の有望牝馬であるエリカエクスプレスは桜花賞と優駿牝馬(オークス)に向かう予定だ。

サトノシャイニングは新馬戦を快勝すると、次走のG2・東スポ杯ではクロワデュノールの2着に健闘した。その後、G3・きさらぎ賞では3馬身差の圧勝を見せ、朝日杯FSで3着のランスオブカオスらを退けている。

Satono Shining winning the G3 Kisaragi Sho
SATONO SHINING, ATSUYA NISHIMURA / G3 Kisaragi Sho // Kyoto /// 2025 //// Photo by JRA

4. アドマイヤズーム

調教師友道康夫
馬主近藤旬子
血統モーリス × ダイワズーム

2021年のドウデュースを最後に、朝日杯FSからダービーを制した馬はいない。アドマイヤズーム陣営は、マイル路線に専念するか、それともダービーを目指すかの判断を迫られている。

現時点では、4月12日のG2・ニュージーランドトロフィー(中山・芝1600m)に出走を予定しており、その後にNHKマイルCを狙うプランが濃厚と見られている。とはいえ、NHKマイルCからダービーに臨むルートも過去には前例があり、21年前のキングカメハメハや、2008年のディープスカイがこの『変則2冠』を成し遂げている。

ADMIRE ZOOM, YUGA KAWADA / G1 Asahi Hai Futurity Stakes // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

5. リラエンブレム

調教師武幸四郎
馬主Gリビエール・レーシング
血統キズナ × デルフィニア

10月下旬の京都で新馬戦を勝った後、次にリラエンブレムが姿を見せたのは、1月13日のG3・シンザン記念(中京・芝1600m)だった。しかし久々の実戦でも期待を裏切ることはなく、朝日杯FS5着のアルテヴェローチェを2馬身半差で下して快勝した。

武幸四郎調教師はかつてライトクオンタムでシンザン記念を制しているが、この馬はクラシック戦線で結果を残せず、桜花賞8着、優駿牝馬では17着と敗れている。

6. ジョバンニ

調教師杉山晴紀
馬主KRジャパン
血統エピファネイア × ベアフットレディ

杉山厩舎からもう1頭、クラシック候補として注目を集めるのがジョバンニだ。これまでに5戦して2勝、そして3度の2着を経験しており、世代トップクラスの実力を証明している。

敗れた3戦はいずれも強豪が相手、野路菊SとG3・京都2歳Sではエリキングの後塵を拝し、G1・ホープフルSではクロワデュノールの2着に終わった。2025年初戦ではリステッドの若葉ステークス(阪神芝2000m)を勝利し、距離適性や安定感からもダービー向きの一頭と言える。

Giovanni running second in the G1 Hopeful Stakes
GIOVANNI, KOHEI MATSUYAMA / G1 Hopeful Stakes // Nakayama /// 2024 //// Photo by JRA

7. マスカレードボール

調教師手塚貴久
馬主社台レースホース
血統ドゥラメンテ × マスクオフ

4戦のうち唯一の凡走が、ホープフルSでの11着という結果だったが、それ以外は内容の濃い成績を残している。

G1好走歴を持つマスクドディーヴァの半弟であり、新馬勝ちのあとに臨んだリステッド競走では、後にG2・スプリングSを制することになるピコチャンブラックを下して勝利している。クロワデュノールが勝ったホープフルSでは精彩を欠いたが、その敗戦を払拭するように、2勝を挙げていたカラマティアノスをG3・共同通信杯で下し、巻き返しに成功した。

8. ピコチャンブラック

調教師上原佑紀
馬主石部美恵子
血統キタサンブラック × トランプクイーン

3月中旬のG2・スプリングSを制し、若き上原佑紀調教師にとって嬉しい重賞初勝利をもたらした一頭。

デビュー戦は7月の福島で行われた新馬戦。ここでは後続に7馬身差をつける圧勝劇を見せ、続くリステッドのアイビーステークスではマスカレードボールの2着に好走。だが、G1・ホープフルSでは苦戦を強いられた。

Piko Chan Black winning the Spring Stakes
PIKO CHAN BLACK, SHU ISHIBASHI / G2 Spring Stakes // Nakayama /// 2025 //// Photo by JRA

9. ファウストラーゼン

調教師西村真幸
馬主宮崎俊也
血統モズアスコット × ペイシャフェリス

デビュー戦の10着は平凡だったが、2戦目で初勝利を挙げると、一気に飛躍。G1・ホープフルSでは、単勝303.3倍という超人気薄ながら3着に好走し、大波乱を演出した。

しかし、その好走がまぐれではないことを証明したのが、3月上旬の中山で行われたG2・弥生賞ディープインパクト記念(中山芝2000m)。ここでも単勝16.9倍の伏兵扱いだったが、見事な勝利を収めた。

10. ヴィンセンシオ

調教師森一誠
馬主キャロットファーム
血統リアルスティール × シーリア

デビューから2戦はともに2000m戦で、いずれも僅差ながら勝利を収めた。3戦目で重賞挑戦となったG2・弥生賞に出走し、ファウストラーゼンの2着に健闘。このレースでは向こう正面で先頭に立ったが、直線入り口で交わされ、その後も食い下がったものの最後はわずかに及ばなかった。

祖母はG1・アメリカンオークスを制し、エピファネイア、サートゥルナーリア、リオンディーズを輩出した名牝シーザリオという良血馬だ。

11. キングスコール

調教師矢作芳人
馬主DMMドリームクラブ
血統ドゥラメンテ × レインオンザデューン

まだ底を見せていない、将来性豊かな1頭。7月の札幌で行われた新馬戦では、先行策から抜け出して快勝を収めた。その後しばらく姿を見せなかったが、復帰戦は3月中旬のG2・スプリングS。単勝3.8倍の1番人気に支持されたものの、結果はピコチャンブラックの3着止まりとなった。

しかし、その内容からは更なる上積みが見込めるパフォーマンスであり、今後に期待がかかる。

12. アルテヴェローチェ

調教師須貝尚介
馬主TO Racing
血統モーリス × クルミネイト

これまでにマイル以下の距離で4戦をこなし、常に高いパフォーマンスを見せてきた。G3・サウジアラビアロイヤルカップではマイル戦で勝利しており、G1・朝日杯FSでは1番人気に推されるも5着に敗れたが、内容は悪くなかった。

続くG3・シンザン記念でも再び1番人気に支持されたが、リラエンブレムの2着に終わっている。東京優駿の2400mという距離には不安が残るが、未勝利馬だった母も2600mで複数回入着しており、スタミナ面に望みはある。

Arte Veloce was a well beaten favourite
ARTE VELOCE / G1 Asahi Hai Futurity Stakes // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

13. アロヒアリイ

調教師田中博康
馬主鈴木剛史
血統ドゥラメンテ × エスポワール

11月2日に東京の2000mの新馬戦でデビュー勝ち。その2カ月後には中山で行われたレースに出走し、素質馬ゴーソーファーの2着に善戦した。続くG2・弥生賞では最後方からの競馬となったが、残り700mから大外を回して進出。厳しい展開の中でしっかり脚を使い、ファウストラーゼンから『クビ+クビ差』の3着に食い込んだ内容は高く評価できる。

14. カラマティアノス

調教師奥村武
馬主サンデーレーシング
血統レイデオロ × ダンサール

デビューから3戦目で初勝利を挙げたのは1800m戦。その後の4戦目では、マイルのこうやまき賞に出走し、差し脚を伸ばしてクビ差の勝利を収めた。さらに続くG3・共同通信杯(2月16日・東京芝1800m)でも末脚を発揮し、マスカレードボールの2着に食い込むなど、着実に成長を遂げている。

15. エネルジコ

調教師高柳瑞樹
馬主シルクレーシング
血統ドゥラメンテ × エノラ

デビューから2戦2勝と無傷の成績を誇り、素質の高さを感じさせる1頭。初戦では後方からの競馬となったが、直線で外に持ち出されると鋭く加速し、1馬身差で快勝。2戦目ではスタートで出遅れたものの、すぐに立て直して内ラチ沿いを追走。残り400mで外に持ち出されると、追われることなく楽に突き抜けて完勝した。

16. ウィクトルウェルス

調教師宮田敬介
馬主シルクレーシング
血統リアルスティール × ウィクトーリア

すでに2400m戦で勝利実績がある、数少ない存在のひとつ。デビュー戦は2000mの新馬戦で2着。続く未勝利戦を1馬身差で勝ち上がると、同じく2000mでの1勝クラスでは3着に入線。そして2月9日、東京の2400m戦で臨んだ一戦では、残り250mでスパートすると一気に抜け出し、そのまま楽々と勝ち切ってみせた。

17. ニシノエージェント

調教師千葉直人
馬主西山茂行
血統イスラボニータ × ビクトリアスマイル

デビューから3戦は勝ちきれなかったが、4戦目となる12月の中山・1800mの未勝利戦で初勝利を挙げた。その経験を糧に、次走ではいきなり重賞の舞台へ。

1月19日のG3・京成杯(中山・芝2000m)では人気薄ながら堂々の勝利を収めた。これが千葉直人調教師にとって、記念すべき重賞初制覇となった。

18. ミュージアムマイル

調教師高柳大輔
馬主サンデーレーシング
血統リオンディーズ × ミュージアムヒル

12月のG1・朝日杯FSでは、アドマイヤズームの2着に好走。その前には、2戦目の1800m未勝利戦を勝ち上がり、さらに11月の黄菊賞(京都・芝2000m)でも勝利を収めている。

そこから3カ月ぶりとなった3月のG2・弥生賞では、スタートからの流れに乗り切れず、残り600m付近で大外から進出。直線ではコーナーで他馬と接触する不利がありながらも粘りを見せたが、最後にアロヒアリイにかわされて4着に終わった。

Idol Horse 専門家チーム: デイヴィッド・モーガン、アンドリュー・ホーキンス、ジャック・ダウリング、上保周平、タカハシ・マサノブ

IDOL HORSE、多言語で展開するグローバル競馬ニュースネットワーク。

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