デヴィッド・ヘイズ調教師が『The Idol Horse Podcast』内で、12月8日のG1・香港スプリントへの出走を控えるカーインライジングの今後の予定を紹介。2025年のジ・エベレストへの挑戦を長期的な目標に据えて、香港ダービーは回避させる意向であると明らかにした。
また、1月に行われる1600mの香港クラシックマイルについては「ぜひ挑戦したい」と、番組の司会を務めるアンドリュー・ルジューン氏のインタビューの中で明かした。このレースは4歳三冠シリーズの一冠目となっており、同世代の馬と定量戦で戦うことになる。
「香港ダービーは目指していません。ジ・エベレストが目標ですから。ですが、香港クラシックマイルには間違いなく出走させると思います。1600mという距離で同世代の馬と戦ってみて、この馬の実力を試してみたいと思っています。その後は距離を戻して、春のG1レースを走らせた後、ジ・エベレストに備える予定です」

1600mの香港クラシックマイル、1800mの香港クラシックカップ、そして2000mの香港ダービーへと距離が伸びる4歳三冠シリーズだが、スピード型の馬がこの三冠レースに参戦することは珍しくない。司会のルジューンはヘイズに対し、クラシックマイルを『圧勝』で突破した場合、香港ダービーに方針転換する可能性はあるのかと質問を問いかけた。
ヘイズはその質問に対しては、「もし、ダービーでの単勝が1.1倍だとしてもおすすめはしないとアドバイスするでしょうね」と回答した。
カーインライジングがダービーよりはクラシックマイル向きだという根拠としては、2ターンのダービーは1ターンのマイルとは全く異なる条件であり、スピード型のこの馬は後者の方が向いていると説明した。15分のインタビューの中で、まだキャリア10戦の彼が『スーパースター』である所以や、この馬がどのような経緯で香港に輸出されたのか触れる場面もあった。
さらに、ヘイズは香港ダービーを目指している有力馬についても言及。オーストラリアで厩舎を共同運営している3人の息子、ベン、ウィル、JDが管理している強豪馬、ミスターブライトサイドが4月のチャンピオンズデーで香港に遠征する可能性があることも明かした。

司会のルジューンは、ヘイズがG1・ジャパンカップを制した日から34年の月日が経ったことも指摘。ベタールースンアップの調教師だったヘイズは、日本での思い出を懐かしみ、当時の自身の若さについて振り返った。
「ええ、当時はもうカラーテレビでしたよ」と冗談を交えて語り始めたヘイズは、ベタールースンアップの評価について以下のように見解を述べた。
「ベタールースンアップは世界レベルの馬でしたが、往年の名馬の中では影が薄いです。当時は1年間でG1レースを8つ制しましたが、歴代の名馬に肩を並べるにはこのレベルの活躍を2~3シーズンは続ける必要があると思います。全盛期は1シーズンのみでしたから」
今のヘイズが期待を寄せているのは、カーインライジングの全盛期が長く続き、往年の名馬としてその名を残すことだ。