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イタリア人ジョッキー、アントニオ・オラーニ騎手のオーストラリア初上陸が迫っている。

来月にローズヒル競馬場で行われるオーストラリアで2番目に賞金が高いレース、総賞金1000万豪ドルのゴールデンイーグル(1500m)でラザットに騎乗する予定となっており、これが豪州での初騎乗となる。

ラザットのジェローム・レイニエ調教師は取材に対して、11月2日のゴールデンイーグルでも、これまで6戦全てに騎乗したオラーニに鞍上を任せると明かした。

「ローズヒル競馬場はそこまで難しいコースというわけではないので、この馬をよく知る騎手に任せたいと思っています」

ラザットはコートダジュールのカーニュシュルメール競馬場からデビューし、今やフランスを代表する短距離馬の1頭となっている。今年初めの段階では『重馬場の1500m』のスペシャリストのような戦績だったが、良馬場のG3・ポールドムーサック賞(1400m)を制すと、その後ドーヴィルのG1・モーリスドゲスト賞(1300m)を驚異的なパフォーマンスで制した。

Antonio Orani
LAZZAT, ANTONIO ORANI / G1 Prix Maurice de Gheest // Deauville /// 2024 //// Photo by Scoop Dyga

このモーリスドゲスト賞で4馬身差の3着に敗れたボーヴァティエ、4着のフローラオブバミューダは、後にG1・英チャンピオンズスプリントS(6ハロン)でも4着と3着に食い込んだ。ともに勝ち馬から1馬身差以内という健闘を見せ、ラザットの強さを証明した。

サルデーニャ島北部の小さな町、ウージニで生まれ育ったオラーニは14歳のときにイタリアの競馬学校に入学する予定だったが、突然の閉鎖という悲劇に見舞われた。その後、フランスに渡ってそこで騎手になる夢を叶えることになった。

今年で25歳を迎えたオラーニの騎手キャリアは、2016年に始まった。それ以来積み重ねてきた勝利数は430勝以上、今年はこれまで91勝を挙げ、3月1日から10月31日までの平地シーズンが対象となるクラヴァシュドール(フランス騎手リーディング)では5位に入る見込みだ。

フランスの他、ドイツ、イタリア、カタールのレースで騎乗歴があり、G1レースはラザットと共に制した今年のモーリスドゲスト賞が初勝利だった。

ゴールデンイーグルにはオラーニの他、ジョアン・モレイラ騎手(アスコリピチェーノ)やシーレン・ファロン騎手(レイクフォレスト)といった海外騎手の騎乗が確定している。

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの副編集長。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。また、競馬以外の分野では、ナイン・ネットワークでオリンピック・パラリンピックのリサーチャーも務めた。

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