イタリア人ジョッキー、アントニオ・オラーニ騎手のオーストラリア初上陸が迫っている。
来月にローズヒル競馬場で行われるオーストラリアで2番目に賞金が高いレース、総賞金1000万豪ドルのゴールデンイーグル(1500m)でラザットに騎乗する予定となっており、これが豪州での初騎乗となる。
ラザットのジェローム・レイニエ調教師は取材に対して、11月2日のゴールデンイーグルでも、これまで6戦全てに騎乗したオラーニに鞍上を任せると明かした。
「ローズヒル競馬場はそこまで難しいコースというわけではないので、この馬をよく知る騎手に任せたいと思っています」
ラザットはコートダジュールのカーニュシュルメール競馬場からデビューし、今やフランスを代表する短距離馬の1頭となっている。今年初めの段階では『重馬場の1500m』のスペシャリストのような戦績だったが、良馬場のG3・ポールドムーサック賞(1400m)を制すと、その後ドーヴィルのG1・モーリスドゲスト賞(1300m)を驚異的なパフォーマンスで制した。

このモーリスドゲスト賞で4馬身差の3着に敗れたボーヴァティエ、4着のフローラオブバミューダは、後にG1・英チャンピオンズスプリントS(6ハロン)でも4着と3着に食い込んだ。ともに勝ち馬から1馬身差以内という健闘を見せ、ラザットの強さを証明した。
サルデーニャ島北部の小さな町、ウージニで生まれ育ったオラーニは14歳のときにイタリアの競馬学校に入学する予定だったが、突然の閉鎖という悲劇に見舞われた。その後、フランスに渡ってそこで騎手になる夢を叶えることになった。
今年で25歳を迎えたオラーニの騎手キャリアは、2016年に始まった。それ以来積み重ねてきた勝利数は430勝以上、今年はこれまで91勝を挙げ、3月1日から10月31日までの平地シーズンが対象となるクラヴァシュドール(フランス騎手リーディング)では5位に入る見込みだ。
フランスの他、ドイツ、イタリア、カタールのレースで騎乗歴があり、G1レースはラザットと共に制した今年のモーリスドゲスト賞が初勝利だった。
ゴールデンイーグルにはオラーニの他、ジョアン・モレイラ騎手(アスコリピチェーノ)やシーレン・ファロン騎手(レイクフォレスト)といった海外騎手の騎乗が確定している。