土曜日、ターフフォンテン競馬場で行われるG2・サウスアフリカンダービーを制すには、まだ引き出されていない未知の素質が鍵になるかもしれない。キーガン・デメロ騎手はそう見ている。今年はまだ際立った牡馬が見当たらない、それが理由だ。
香港競馬から離れ、母国に戻って4か月。デメロが2450mの一戦で手綱を取るのは、アリソン・ライト厩舎のソードスピードだ。4戦2勝のソードスピードは、この日に6つ組まれた重賞のひとつである南アフリカ三冠の最終戦に臨む。
「いい馬ですし、将来に向けても楽しみなタイプです」とデメロはIdol Horseに話す。
「レーティングだけを見れば厳しいかもしれませんが、ダービーはオーナーや調教師にとって何度も巡ってくるものではありません。だからこそ挑戦するべきだと思います。この馬は距離がもちますし、今年のダービーの牡馬勢は、特別に強い顔ぶれだとは思っていません」
実際、今年のメンバーはグランドエンパイアとトラストの不在で手薄になった。この2頭は先月のG1・サウスアフリカンクラシックで1着、2着に入ったが、ダービーではなく、その前のレースであるG1・プレミアズチャンピオンズチャレンジで古馬と対戦する。
ただ、13頭立てのダービーには牝馬が1頭いる。マイク・デコック調教師とマシュー・デコック調教師の共同厩舎が管理するキュリアスガールだ。
キュリアスガールはこれまで6戦4勝で、目下3連勝中。すでに2400m戦を勝っており、前走では2000mのオーモンドフェラリスオークストライアルも制した。それでも陣営は、35分後に行われるオークスではなく、サウスアフリカンダービーを選んだ。
「牝馬同士のレースより、牡馬相手のレースの方が手薄だと見て、こちらを選んだのだと思います。私の見立てではそうです」とデメロは語った。
前走を勝ってサウスアフリカンダービーに臨むのは、ウェイチョン・マーウィング厩舎のディオゲネス、キュリアスガール、そしてソードスピードの3頭だけだ。
ソードスピードは前走、ミカエル・ミシェル騎手を背に51キロで1950m戦を勝ち、ダービー出走を確実なものとした。前々走はデメロ騎手を背にマイル戦へと出走し、61.5キロを背負って6着だった。
「ソードスピードはまだかなり幼いですが、レースでの気性はいいものがあります。私が乗った時はかなり重い斤量を背負っていたので、あえて後ろから行かせて、終いを生かす形を取りました」
「前走は軽い斤量でしたから、ミカエル(ミシェル騎手)にはレース前に『前で運んでほしい』と伝えました。この馬は走りがきれいですし、加速もできます。しっかり流れた中で距離をこなし、そこからもうひと脚を使えるのは大きいですね」
「このレースは、結局のところ距離をこなせる馬が必要です。この馬は今のところ、その条件を満たしているように見えますし、いいタイミングで成長してきています。この舞台に臨むだけの力は示していますから、あとは当日にそれで足りるかどうかです」

デメロは今季、香港競馬でシーズン開幕から実に3か月間を未勝利で過ごし、厳しい船出を味わった。
昨季はG3・プレミアカップを含む12勝を挙げていたが、11月下旬に香港競馬を離れる決断を下した。南アフリカ競馬への復帰初日となった12月5日にいきなり勝利を挙げたものの、再び足場を固めるには少し時間を要した。
それでも、2週間後の開催では1日で3勝の固め打ちを決めると、有力オーナーのローレンス・ワーナーズ氏の主戦騎手にも指名された。
南アフリカの元リーディングジョッキーであるデメロは、香港時代を振り返って「香港競馬では本当に多くのことを学びました」と手応えを話す。
「レースの流れの違いもそうですし、より鋭い判断が求められます。なので南アフリカ競馬に戻ってくると、その経験が確実に役立ちます。いざ香港競馬を離れてみると、騎手としてひと回り成長していると言われる理由もよく分かります。レースの中で、より深く考えるようになるのだと思います」
デメロは土曜日、この日組まれるG1競走すべてで騎乗する予定だ。G1・プレミアズチャンピオンズチャレンジではアイルランド産馬のジエクエーター、G1・コンピュータフォームスプリントはマウントピナトゥボ、G1・エンプレスクラブステークスではコールメゲトリックスに騎乗する。
コールメゲトリックスが迎え撃つのは、ケープタウンの実力牝馬、ダブルグランドスラムだ。同馬はケニルワース競馬場のG1・マジョルカステークスを勝ってここに臨む。
「G1での実績を考えれば、ダブルグランドスラムはかなり手強いでしょう。コールメゲトリックスはレーティング面では、まずは上位争いが目標になると思います。まだG1級の能力をしっかり示したとは言えませんが、安定していい状態を保っています」
また、G2・サウスアフリカンオークスでも、デメロは素質に期待する1頭に騎乗する。前走のG1・サウスアフリカンフィリーズクラシックで4着、今回もおそらく1番人気になるヘイジーデイジーに迫ったデイジージョーンズだ。
「距離がもつかどうかは分かりません。ただ、走り方を見る限り、少しは可能性がありそうですし、このレースの他の馬たちが本当に距離をこなせるのかも、まだ何とも言えません」とデメロはデイジージョーンズについて語る。
「理想は、きちんと流れてスタミナ勝負になることです。前走は、おそらく望んでいたより少し早い段階で動かされる形になりました」
「それでも最後まで脚を使っていましたし、切れたというより、長く脚を使った内容でした。だからこそ、しっかり流れてくれれば、レースの後半でその持ち味を生かせるはずです」
デメロは南アフリカ競馬に帰還した今シーズンについて、「今は全体的にうまくいっています。勝率もいいですし、有力オーナーからの信頼を得て、騎乗依頼を受けていることも誇りに思っています」と順調さをアピールする。
「もう一度流れに乗るまでには、少し時間を要しました。でも今は、またいい形で回り始めていると感じています」