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ジェームズ・クロフォード調教師は今週土曜、ケニルワース競馬場のキングスプレートデーで、勝負になる2頭の有望な牝馬を送り出す。

そして、G1・パドックステークスでリートペティートが勝利すれば、父のブレット師が香港へ移ったのを受けてクロフォード・レーシングの南アフリカ部門を全面的に引き継いで以降、初のG1勝利を手にすることになる。

3歳牝馬のリートペティートは、9月のデビューから3連勝を飾り、続くG1・ケープフィリーズギニーで2着と急速にステップアップしてきた。一方、同厩舎で1歳上の短距離馬、モンプティシェリーは、G1・キングスプレートで牡馬勢に挑むのではなく、G2・セプターステークスへ向かう。

クロフォードは今季ここまで37勝を挙げ、南アフリカの調教師リーディングで6位につける。Idol Horseの取材に対し、複数のG1制覇実績を持つ父のブレットが築いた“一流の基盤”を、さらに押し上げていきたいという野心を語った。

「父が残したものの基準は高いです。目標は追いかけないといけません。私の大きな目標のひとつは、いつか(リーディング調教師の)タイトルを獲ることですし、できるなら父の記録もいくつか更新したいと思っています」

「簡単ではないでしょうが、空を目指して、星に手を伸ばす。1シーズンにG1を2勝したいです」

今季その“1勝目”をもたらしてくれる存在として、彼はリートペティートに期待する。リートペティートは、1800mのパドックステークスで、前年勝ち馬のダブルグランドスラムと対戦する。ダブルグランドスラムは、11月下旬に同じコース・同じ距離で復帰初戦を勝ち、ここへ弾みをつけてきた。

「リートペティートは、ダブルグランドスラムに好勝負を挑めると思います」とジェームズ・クロフォード師は自信を語る。

「パドックステークスへ向けた調整過程は本当に順調でした。それに、2着に負けたことで、雪辱の思いもあります。前走2着に、本人は満足していないんです。今はちょっと気難しさも出てきています。でも、今の彼女は本当に絶好調です」

「彼女は『美しい怪物』みたいな牝馬で、体高はおそらく16ハンド(約1.62m)くらいです。前走は馬体重が523キロでした。まだ成長の余地は大きいと思いますが、とても上品なタイプです。距離が延びるにつれて、さらに良さが出てくると思います」

Richard Fourie guiding Mon Petit Cherie to victory in the G2 Fillies Guineas at Greyville
MON PETIT CHERIE, RICHARD FOURIE / G2 Fillies Guineas // Greyville /// 2025 //// Photo by Candiese Lenferna

モンプティシェリーは、今月後半のG1・マジョルカステークスへ向けたステップとして、土曜のG2・セプターステークスに臨む。先月、1600mのG2・グリーンポイントステークスでデイヴザキングの12着に敗れた後、キングスプレートを回避してここへ向かうことになった。

「4歳を迎えてから、彼女は本格化しました。フィットネス面、脚元の状態、そして厩舎での様子まで、準備は本当に非の打ちどころがないです」とクロフォードは語った。

「個人的には、1200mが彼女にとって『忙しすぎる』とは思いません。むしろ、最後はしっかり脚を使ってくると思う。このレースを勝てる力は十分にあると、本当に思っています」

「この2頭はどちらも、併せ馬に行ったときのほうが、よりいい仕事を見せてくれます。どちらも本当に賢い馬です」

ジェームズ・クロフォード師は、父がケープタウンでメイン厩舎の運営を見ていた時代、クロフォード・レーシングのヨハネスブルグ側を切り盛りしながら腕を磨いてきた。

父ブレットが昨年、シャティン競馬場のオリンピック・ステーブルに厩舎を移した今、彼には自分自身のアイデアと自分自身の野心がある。それでも「週に1回くらい」は、父と互いの知識の広がりや経験を共有しているという。

「父が戦っている舞台はあまりに高いレベルで、あらゆる手を尽くす世界です」と彼は語った。

「香港競馬での調教のやり方や、向こうがどう運営しているかを見ると、まったく違う視点が得られます。精神的に冴えた状態でいられて、頭を新鮮に保って、常に意識を高く持てますし、厩舎を改善して『次のレベル』へ持っていく方法を、常に探すことにつながっています」

「検疫期間をもう少しだけ短くできれば、ですね。海外遠征は間違いなく大きな可能性ですし、適した馬が出てくれば検討したいと思います」

そして、香港向きの“適した馬”が現れるなら、シャティンへの道もまた大きく開かれている。

「そうなったら父に託して、どんな可能性があるか様子見してみたいと思います」

BRETT CRAWFORD, JAMES CRAWFORD / Greyville // 2024 /// Photo by Chase Liebenberg

1979年の北米3歳チャンピオン、スペクタキュラービッドは、1980年1月5日、サンタアニタのマリブステークスを5馬身差で勝ち、4歳初戦を飾った。芦毛の牡馬はその年、9戦無敗でシーズンを終え、年度代表馬の称号を獲得した。

タマモクロスは1988年1月5日、京都競馬場の京都金杯を制し、年度代表馬への第一歩を始動した。小原伊佐美厩舎の4歳馬はその年、5連勝を挙げ、その中には天皇賞春、宝塚記念、天皇賞秋という最高峰レベルでの3連勝も含まれていた。その後、ジャパンカップと有馬記念では2着に入った。

1989年1月6日、ウルグアイ三冠馬のアモデオは、創設100周年を迎えたホセペドロラミレス大賞を制し、歴史的な「4冠」を達成した。

1923年1月8日、ブラックゴールドがフェアグラウンズ競馬場でのデビュー戦を勝利で飾った。2歳時は18戦9勝という成績を残し、創設50周年記念として行われた1924年のケンタッキーダービーを制すと、引退後は米国競馬の殿堂入りも果たした。

マイケル・コックス記者が、90歳を過ぎた元調教師のネヴィル・ベッグ氏の競馬人生を取材。戦時下のニューサウスウェールズ州・ニューカッスルで、労働者階級の家庭で育った少年時代、名牝エマンシペーション、香港時代の思い出、そして生産者としての一面とは。

シェーン・ダイ元騎手が、ザック・パートン騎手の香港ダービー騎乗馬選びを巡る“戦略”を解説。さらに、自身が選ぶベスト騎乗のゴールデンスリッパー制覇についても語っている。

アダム・ペンギリー記者がジョー・プライド調教師を深掘り取材。データよりも自身の直感と「目」を信じる、抜け目のない調教師像を描き出す。そして、かつての“上司”であるジョン・サイズ調教師の影響とは。

マイケル・フリードマン厩舎の3歳馬、ニンジャは、先週末のイーグルファームで開催されたG3・ヴォローグプレートを約5馬身差で勝ち、G1級の可能性を示した。

ファーナン産駒の騸馬であるニンジャは、1月17日のマジックミリオンズ3歳ギニーへ向けて順調な軌道に乗りつつある。さらに、その先にも大舞台が待つかもしれない。

直近8回のマジックミリオンズギニー勝ち馬のうち4頭は、ヴォローグを勝って本番へ向かい、そのうちピエラータとアリゲーターブラッドの2頭は、その後G1を制した。ニンジャもその後を追えるかもしれない。ここまでの成績は5戦3勝で、2戦目のケンブラグレンジ競馬場では11馬身半差の圧勝で未勝利戦を突破している。

キングスプレート
ケニルワース競馬場(南アフリカ)、1月10日

馬齢定量戦のマイル王者決定戦、G1・キングスプレートはブリーダーズカップの優先出走権対象レースでもある。

G1・ケープギニーの覇者、ヤンファンホーイェンは唯一の3歳馬として出走し、昨年G1・ケープタウンメット、G1・ケープダービー、G1・デイリーニュース2000を勝ったエイトオンエイティーンには、英国のチャンピオンジョッキー、オイシン・マーフィー騎手が騎乗する。

開催日にはG1・パドックステークスも組まれ、勢いある3歳牝馬のリートペティートが、名牝ダブルグランドスラムと激突。さらにこの日はG1・ケープフライングチャンピオンシップにも注目が集まる。

アルマクトゥームチャレンジ
メイダン競馬場(ドバイ)、1月23日

G1・マクトゥームチャレンジは、3月末のG1・ドバイワールドカップへ向けた定番の前哨戦として知られるが、G1・サウジカップの創設以降は、2月のリヤド決戦へ向けた格好の前哨戦にもなった。

ジェイミー・オズボーン調教師のハートオブオナーは、そうした大舞台へ向け、マクトゥームチャレンジを使う見込みだ。昨年のUAEダービー2着馬で、年末にメイダンで2連勝を収めている。

なお、同一年にマクトゥームチャレンジとドバイワールドカップを制した馬は、2006年のエレクトロキューショニストが最後となっている。

ジェベルハッタ
メイダン競馬場(ドバイ)、1月23日

歴代の勝ち馬には、南アフリカ年度代表馬の牝馬・イピトンベ、プレスヴィス、ウェルキンゲトリクス、タッチオブランド、バーニーロイ、そして何より香港競馬のスーパースター、ロマンチックウォリアーが名を連ねる。

そのロマンチックウォリアーは2025年の同競走を勝ち、その後、G1・サウジカップではフォーエバーヤングの2着、さらにG1・ドバイターフでも鼻差2着に入った。

レイルウェイステークス
エラズリー競馬場(ニュージーランド)、1月24日

オーストラリアからの遠征馬、アーカンソーキッドが、ニュージーランドの夏競馬を代表するスプリントレースに出走する可能性がある。

ほかにこの1200m戦へ向けて検討されているのは、2024年勝ち馬のワイタク、昨年の1着と2着だったクロセッティとアラバマラス、そして新1000ギニー勝ち馬のキャプチャードバイラヴだ。

スチュワーズカップ
シャティン競馬場(香港)、1月25日

ロマンチックウォリアー陣営が、今年は中東遠征でさらなる賞金を狙うのではなく地元に留まる決断をしたことで、香港の競馬ファンは、G1・香港カップ4連覇のロマンチックウォリアーが、G1・香港マイル連覇のヴォイッジバブルと激突する「香港三冠初戦」を地元で見られることとなった。

昨年5月、ヴォイッジバブルはリヴァーヴァードン以来となる香港三冠完全制覇を実現している。

センテナリースプリントカップ
シャティン競馬場(香港)、1月25日

カーインライジングは驚異の16連勝中で、香港記録となるサイレントウィットネスの17連勝まであと1つ。センテナリースプリントカップは、現スーパースターが伝説の偉業に並ぶための舞台となる。

前走、シャティンでのG1・香港スプリント制覇が圧倒的な内容だったことを踏まえると、この1200m戦で彼を止める馬が現れることは難しいだろう。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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Racing Roundtable, Idol Horse

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