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シーズンを分ける、ひと区切りの時期がやってきた。日本とカリフォルニアでも年末のG1開催が一段落し、1月最初の週末まで小休止を迎える時期だ。欧州の競馬はオールウェザーの条件戦が中心となり、そこから一気に春のクラシックシーズンへ突入していく。

一方、日本競馬とオーストラリア競馬は同じく平穏な時期を過ごし、香港競馬では主役が4歳世代に移り、シャティンの香港ダービーへ向けた道のりが始まりを迎える。

同時にこの季節は、競馬界のスターたちが、2026年に控える最初のビッグイベントへ視線を向ける時期でもある。中東の高額賞金レース、2月と3月に組まれるG1・サウジカップとG1・ドバイワールドカップが控える中、そこに日本勢が参加することは不可欠だ。

月曜のG1・東京大賞典の結果は、その意味で地方競馬に予想外の盛り上がりをもたらした。7歳騸馬のディクテオンが、東京大賞典が国際G1に格付けされた2011年以降で初めて、この大井の大一番を制した地方所属馬となった。

そして今、サウジカップとドバイワールドカップで世界の強豪に挑む準備を進めている。

荒山勝徳調教師は勝利後、G3・コリアカップ勝ち馬で、「ディクテオンおじさん」と呼ぶその馬について、「ここまで来たらドバイ行くしかないですよね」と語った。

同厩舎でJpn1・JBCスプリントを勝ったファーンヒルも合流し、こちらはG1・ドバイゴールデンシャヒーンの候補となる。

1年前に話題の中心にいたのは、香港代表のロマンチックウォリアーと、日本代表のダート界のレジェンド、フォーエバーヤングが中東へ向かうという話だった。しかし、その2頭がサウジカップで再戦する見込みは薄い。

代わってドバイワールドカップでは、ゴドルフィンが擁する米国のスーパースター、ソヴリンティが、G1・BCクラシックを制したフォーエバーヤングと対決する可能性がある。BCクラシックは熱発で出走機会を逃したソヴリンティだが、その舞台はドバイへ移ることになりそうだ。

ゴドルフィンはクラシックシーズンを終えた後も、トップ級牡馬のソヴリンティを現役続行させるという決断を下した。その英断は称賛されるべきだ。

3歳時は6戦5勝、しかもG1・ケンタッキーダービー、G1・ベルモントステークス、G1・トラヴァーズステークスという栄光のタイトルを手にした時点で、世界的なオーナーブリーダーが「当然のように」種牡馬入りさせてしまうのは、あまりにもよくある話だった。

SOVEREIGNTY / G1 Kentucky Derby // Churchill Downs /// 2025 //// Photo by Getty

今回の決断は、アガカーンスタッドが凱旋門賞馬のダリズを現役続行させる選択をしたことと相まって、競馬界に「二重の恩恵」をもたらしている。

アガカーンスタッドの場合、トップ級の3歳牡馬をそのまま走らせるというのは歴史的に見ても稀な動きだ。だが、それこそがこのスポーツに今、切実に必要なものでもある。クールモアがシティオブトロイを2025年も現役で走らせてくれていたなら、と惜しまれてならない。

だが、3歳シーズン以降も一流牡馬が走り続けるという点で、日本は世界の基準だ。例外ではなく原則であり、複数年にわたる実績の積み上げが当たり前として機能している。ファンが求める“つながり”を生み出していることも大きい。

それが、日本の競馬が相対的に人気と活況を保っている理由の一つでもある。先週の有馬記念では、“小さな”中山競馬場に56,409人が集まり、開催日トータルの売上は約5億8,000万米ドル(約900億円)に達した。

その流れの中で、2024年ダービー馬のダノンデサイルは、2025年に制したG1・ドバイシーマクラシックへと再び遠征する構えだ。

さらに、ジャパンカップ2着のマスカレードボール陣営からは、さらに刺激的な話も聞こえてきた。

2026年7月、英国のアスコットへと遠征し、G1・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスに挑む可能性があるというのだ。同じ勝負服のハーツクライがこのレースで3着に入ってから、20年後の挑戦となる。

日本が誇る層の厚い一線級の古馬たちが海外へ向かわなければ、世界の主要レースの多くは薄い顔ぶれになってしまうだろう。

2025年の11月、デルマーで行われたブリーダーズカップ土曜の午後の半ば。ビリー・ロクナン騎手(ビリー・ロックネイン)は騎手控室を出ると、白い乗馬用ズボンに同色のクルーネックベスト姿で、ドア脇に立っていた。

ほどなくして記念写真とサインを求める人々に囲まれ、ぎこちなさは残しながらも応じていた。

ロクナンはまだ19歳だが、名声はすでに高まりつつある。香港ジョッキークラブとJRAが、そう遠くない将来の短期免許候補として彼に目を向けていることは間違いないだろう。とはいえ今のところ、本人の焦点は日々の仕事、すなわち勝利数を積み上げることにある。

Jockey Billy Loughnane
BILLY LOUGHNANE / Epsom Downs // 2024 /// Photo by Alan Crowhurst

英国競馬を知る者にとっては、ロクナンが実働年数以上に長く活躍しているように感じられる。その印象は、おそらくここまでの仕事量の凄まじさと大いに関係している。

ロクナンは今年、英国で221勝を挙げた。これは複数回リーディングに輝いたオイシン・マーフィー騎手が2019年に記録した自己最多を1勝上回り、さらにキーレン・ファロン騎手が21世紀に打ち立てた記録にも並ぶ数字だ。

初騎乗は2022年10月、16歳の時だった。翌年5月にはクラシック初騎乗を果たし、これは偉大なレスター・ピゴット騎手以来72年ぶりとなる最年少の記録だった。

2023年には英国のリーディング見習い騎手となり、2024年にロイヤルアスコットで初勝利、そして9月には、ゴドルフィンのレベルスロマンスでG1初制覇も手にした。

あの11月のデルマーの午後、ロクナンはG1・BCターフで3着に入り、高額賞金を手にしていた。だが48時間後にはもう英国へ戻り、サウスウェル競馬場のタペタで、地味なクラス4の条件戦を制した。草の根の現場を疎かにしないその献身が、次の大舞台の土台になっている。

オメガパフュームは2021年12月29日、G1・東京大賞典で驚異の4連覇を達成。大井競馬場で行われる年末の大一番で、安田翔伍厩舎の芦毛馬をミルコ・デムーロ騎手が勝利に導き、新記録となる4勝目を挙げた。

なお、オメガパフュームの東京大賞典初勝利は2018年12月29日だった。

Omegae Perfume beats Clincher to claim a fourth G1 Tokyo Daishoten at Oi
OMEGA PERFUME, KAZUO YOKOYAMA / G1 Tokyo Daishoten // Oi Racecourse /// 2021 //// Photo by JBIS

ケント・デザーモ騎手は1989年12月31日、世界最多年間勝利の新記録を打ち立て、歴史に名を刻んだ。年間598勝は、同じ北米の名手、クリス・マッキャロン騎手が保持していた従来記録を52勝上回るものだった。

1946年1月4日は悲劇の日だった。ジョージ・ウルフ騎手が、1月3日にサンタアニタパーク競馬場でプリーズミーから落馬した事故の結果、搬送先で亡くなった。

カナダ出身のウルフは1928年にキャリアを始め、その間に3,784戦に騎乗して721勝を挙げ、総獲得賞金は2,856,125ドルに達した。『アイスマン』の異名を持つこの騎手は、毎年、騎手投票で選ばれ、競馬場の内外で高い人格と職業倫理を示した騎手に贈られる「ジョージ・ウルフ・メモリアル・ジョッキー賞」の中で、その名を残している。

マイケル・コックス記者が、社台スタリオンステーションにいる『銀河系軍団』級のスーパー種牡馬について、唯一無二の視点で切り込む。三輪圭祐氏に話を聞き、名だたる顔ぶれの中にいる天才、紳士、そして個性豊かな面々たちに迫った。

シェーン・ダイ元騎手は独占コラムで、オーストラリアとニュージーランドのシステムがスーパースター級の見習い騎手を生み出せていない理由について、率直な見解を語った。

さらに、1997年のチッピングノートンステークスでオクタゴナルに騎乗した自身の経験や、香港で好調を続けるジェームズ・オーマン騎手の近況にも紹介している。

木村和士騎手は12月28日、冬のサンタアニタ開催開幕週のアメリカンオークスでアンバヤの「代打騎乗」をつかみ取り、勝利へ導いた。

デイヴィッド・モーガン記者は2024年9月、木村がカリフォルニア州へと拠点を移した直後に話を聞いており、当時の特集記事が、彼がどこから来て、何を目標にしていたのかを映し出している。

日曜の中山最終レースは、JRAの2025年最後のレースという意味でも、その名にふさわしいファイナルステークスだった。だが、ジョイフルニュースがこの一戦を勝ち切った走りは、彼女にとって「始まり」であることを感じさせた。

この3歳馬の戦績は、デビューから6戦で4勝、2着2回。2024年11月、東京でのデビュー戦2着まで遡る。大竹正博調教師は今季、条件戦を走らせる中でジョイフルニュースに十分な成長の時間を与えてきた。彼女は来年、重賞戦線で存在感を示す準備が整ったように見える。

鞍上の佐々木大輔騎手は6番手に落ち着かせ、4コーナーを回るところで楽に4番手まで押し上げた。先頭馬の外、馬体を並べる位置まで勢いよく進出し、力強い手応えで射程に入る。残り200mで加速を促すと、ジョイフルニュースは素早く、そして滑らかに反応し、2馬身差の勝利を収めた。

その勝ちっぷりからは、まだ余力が残っているようにすら見えた。

社台ファームの自家生産馬であるこの馬は、日本を代表するスプリンターのロードカナロア産駒で、母にジョイニキータを持つ。ジョイニキータは2018年、アルゼンチンのサンイシドロ競馬場で行われた亜1000ギニーの勝ち馬だ。

Joyful News claiming the Final Stakes at Nakayama
JOYFUL NEWS, DAISUKE SASAKI / Final Stakes // Nakayama /// 2025 //// Photo by @Jordan_Jorvon

キングスプレート
ケニルワース競馬場(南アフリカ)、1月10日

キングスプレートは馬齢重量のマイル王決定戦で、ブリーダーズカップへの優先出走権対象レースでもある。今年で165回目を迎える一戦には、南アフリカのスターが集結する見込みだ。そこには2023-24シーズン年度代表馬のデイヴザキングや、G1・ケープギニーを制した3歳の新星、ヤンファンホーイェンも含まれる。

さらにオイシン・マーフィー騎手が、今年G1・ケープタウンメット、G1・ケープダービー、G1・デイリーニュース2000を勝っているエイトオンエイティーンへの騎乗のため、現地へ飛ぶと見られている。

アルマクトゥームチャレンジ
メイダン競馬場(ドバイ)、1月23日

マクトゥームチャレンジの勝ち馬には、偉大なドバイミレニアム、ストリートクライ、グランデラ、エレクトロキューショニスト、エウタンベンといった名馬が並ぶ。昨年はウォークオブスターズが制した。

このレースは同じ舞台で行われるG1・ドバイワールドカップへ向けた前哨戦だが、同一年でのダブル達成は2006年のエレクトロキューショニストが最後。だが、2014年と2015年のアフリカンストーリーとプリンスビショップは、翌年にドバイワールドカップを制している。

ジェベルハッタ
メイダン競馬場(ドバイ)、1月23日

ジェベルハッタは伝統的にG1・ドバイターフの前哨戦とされ、昨年は香港のチャンピオンであるロマンチックウォリアーが強烈な内容で勝利した。

ロマンチックウォリアーはその後、ダートで行われたG1・サウジカップの歴史的な一戦でフォーエバーヤングの2着に入り、さらにドバイターフ本番では、これ以上ないほどの接戦でソウルラッシュに鼻差で敗れた。

レイルウェイステークス
エラズリー競馬場(ニュージーランド)、1月24日

ニュージーランド競馬を代表する夏のスプリント王決定戦は、例年ハイレベルな顔ぶれが揃い、今年の1200m戦も激戦になりそうだ。昨年の1着と2着であるクロチェッティとアラバマラスが顔を揃える可能性がある。

後者は9月、オーストラリアのムーニーバレー競馬場で行われたG1・モイアステークスで2着に入ったが、同月後半に同じ競馬場で行われたG1・マニカトステークスでは10頭立ての最下位に沈んだ。

スチュワーズカップ
シャティン競馬場(香港)、1月25日

香港三冠の初戦として行われるマイルG1は激戦必至だ。昨年の三冠馬で、G1・香港マイルを2度制したヴォイッジバブルと、世界の舞台で実績を示してきたG1・香港カップ4連覇のロマンチックウォリアーが激突する可能性がある。

センテナリースプリントカップ
シャティン競馬場(香港)、1月25日

カーインライジングは驚異の16連勝中で、香港記録となるサイレントウィットネスの17連勝まであと1つ。センテナリースプリントカップは、現スーパースターが伝説の偉業に並ぶための舞台となる。

前走、シャティンでのG1・香港スプリント制覇が圧倒的な内容だったことを踏まえると、この1200m戦で彼を止める馬が現れることは難しいだろう。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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