プログノーシスの陣営によると、秋は天皇賞秋ではなくコックスプレートが目標になる可能性が高い。あくまで、札幌記念の後も予定通りならという条件付きだが、その場合はダミアン・レーン騎手が手配される予定だ。
プログノーシスを管理する中内田充正調教師は、8月13日の札幌記念に向けての1週間前追い切りを終えた後、Idol Horseの取材に答えてくれた。
「札幌記念での走り次第ですが、ここではどんな馬場状態でも良い走りを見せてくれるのではないかなと思っています」
「予定通りなら、天皇賞秋かコックスプレートが選択肢に入りますが、コックスプレートの方に傾いています。この馬は海外遠征に強いので、海外でも良いパフォーマンスを出せると思いますので」
プログノーシスはこれまで3度の海外遠征を経験しており、香港では2023年と2024年にG1・クイーンエリザベス2世カップで2着、2023年のG1・香港カップも2着に入っている。いずれも、勝ち馬は2023年のG1・コックスプレートを勝ったロマンチックウォリアーだ。

もし、国内専念で天皇賞秋を選択した場合、昨年活躍した同厩牝馬のリバティアイランドとぶつかることになる。リバティアイランドは怪我からの復帰を目指しており、主戦騎手の川田将雅騎手が乗る予定だ。
「うちの主戦騎手はその週、東京で乗る予定なので、プログノーシスはダミアン・レーン騎手の方に依頼を出しています」
ダミアン・レーンは国内外で日本馬と共に大活躍を収めており、特に2019年のコックスプレート、宝塚記念、有馬記念を制したチャンピオン牝馬・リスグラシューとのコンビで知られている。2022年には、中内田厩舎のセリフォスでG1・マイルチャンピオンシップを制した実績もある。
メルボルンのリーディングジョッキーを獲得したレーンは、プログノーシスを高く評価している。コックスプレートへの遠征が決まれば、チャンスは充分だと語る。
「一言で彼の強さを表現するとすれば、ロマンチックウォリアーに匹敵する馬だということです。最近の対戦では、ほとんど勝ちに等しい内容でした」
レーンはIdol Horseの取材に対して、プログノーシスのことを語ってくれた。
「ロマンチックウォリアーは昨年のコックスプレート勝ち馬ですし、4月の対決ではプログノーシスが勝っているような競馬でした。その強さを分かりやすく紹介するなら、そういうことです。オーストラリアでも通用すると思います」

中内田調教師によると、オーストラリアでは前哨戦は使わないようだが、10月26日のコックスプレートにたどり着くには障壁は多いと語る。
「馬場状態がどうなるか分かりませんし、非常にトリッキーなコースです。検疫期間が長いことも問題ですね」
「レースの6週間前には、栗東の厩舎を離れないといけません。日本で2週間、おそらく東京競馬場で検疫をして、レースの4週間前にはオーストラリアの現地に到着する流れになります。厩舎を離れて長時間過ごすことになりますし、我々にとっても新しい挑戦です。短期間で香港との間を行き来するのとは違い、簡単なことではありません」
「日本での検査を経て、オーストラリアでもMRI検査が必要です。レースに間に合うかも含め、これら全てを総合的に考える必要があります。安全と動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から、これに反対するわけではありません。公益と競馬のためにも、悪くない取り組みだと思っています」

プログノーシスは札幌記念連覇に向けて、水曜日の朝に1週間前追い切りを行った。追い切りでは障害G1ジョッキーの西谷誠騎手が手綱を取ったが、満足できる手応えだったと中内田調教師は話す。
「本番前の10日か11日前に追い切るいつもの調整過程ですし、良い追い切りができました」
「本当に良い走りで、落ち着きもあり、良い追い切りができました。期待通りの内容だったと思います。札幌記念に向けて、手応えを感じています」