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香港ジョッキークラブ(HKJC)は、中国本土に新設したトレーニング拠点、従化競馬場(チョンファ競馬場)での競馬初開催日を正式に発表した。

アジア競馬の「新しい夜明け」を告げる初回の定期開催は、香港から北へ約150kmに位置する従化トレセンで2026年10月に行われる予定だ。

HKJCのCEOを務めるウインフリート・エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は「日付は確定しており、10月31日になります」と発表。「開催プログラムは後日発表しますが、5レースか6レースになる見込みです」と明かした。

当初、2026年4月から従化競馬場での定期開催を始める計画だったが、夏季の悪天候の影響なども考慮し、建設を完了させるための十分な時間を確保する目的でスケジュールが見直された。

この延期により、中国の『国家馬産業発展計画』に沿って準備を進めるための時間的余裕も生まれた。同計画の新たな5カ年版は、来年初めに公表される見込みである。

エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は「同計画は2020年から2025年を対象としていたため、2026年3月には新たな計画が示されると見込んでいます」と述べ、今後の進行について説明した。

「新計画が今後5年間の方向性を示し、政策面でより明確な情報を与えてくれるでしょう」

「また、馬の頭数やその他の要素を来年どこかの時点で精査した上で、(従化競馬場で)年間どれだけの開催を行うかを決定することになります」

HKJCが従化で初めて競馬を行ったのは2019年3月で、当時は5レース編成のエキシビション開催として実施された。

レースは15分遅れで香港向けに中継され、約3,000人のファンが現地スタンドに集まった。従化競馬場は軍の『飛行禁止区域』内に位置し、香港のシャティン競馬場からは車でおよそ3時間を要する。

エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏によれば、来年10月の開幕開催は、ごく限られた招待者のみが立ち会う形になる可能性が高いという。

「初回開催は、おそらく関係者および招待客のみの開催になるでしょう」と同氏は語った。「そして、11月末に行われる2回目の開催が、一般を含めた本格的な開幕となるはずです」

「これは、中国本土におけるワールドクラスの競馬の幕開けとなるでしょう」

150ヘクタールの敷地に広がる従化競馬場(従化トレセン)は、沙田競馬場の2倍以上の広さを誇る。当初は2010年広州アジア大会に際して、馬術競技の専門会場として設計・建設された。

その後、従化は香港所属馬にとって重要なトレーニング拠点となり、HKJCによれば昨季はカーインライジングやヴォイッジバブルといったトップホースを含む全出走馬の37パーセントが、シーズン中に従化トレセンを利用したという。

あわせて、2024/25年シーズン終了時に公表されたクラブの年次報告書では、中国本土への競走馬輸入を円滑にし、将来的には中国における競走馬生産体制の構築にもつながり得る「馬輸送センター」用地の取得が完了したことも明らかにされた。

この輸送センターについて、エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は「検疫施設は2027年4月に稼働準備が整う見込みです。従化のすぐ近く、疾病非発生地域の境界部に位置しています」と説明した。

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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