水曜日、ビル・モット調教師がソヴリンティのBCクラシック出走取消(スクラッチ)を伝えた頃には、フォーエバーヤングはデルマー競馬場のメインコースで追い切りを終えていた。本命候補のソヴリンティを襲った不運により、フォーエバーヤングの勝機は高まりつつある。
モット師は先に、アメリカの傑出した3歳馬ソヴリンティが火曜日午後3時頃に「再び発熱した」と説明し、抗生物質の投与を受けたと明かした。
「今は良さそうです。体温は平熱よりわずかに高い程度まで下がり、元気そうで見た目もかなり良いです。ただ、ブリーダーズカップには確実に出走できません。スクラッチします」
これを受け、モーニングライン(前売り想定)のオッズは組み直され、新たな一番人気はフィアースネス、フォーエバーヤングとシエラレオーネが続く形になった。いずれも昨年の同レース上位入着馬、フィアースネスは2着、フォーエバーヤングは3着、そしてシエラレオーネは1着という序列である。
坂井騎手の言葉が矢作厩舎の本音を代弁しているとすれば、昨年のケンタッキーダービーとブリーダーズカップクラシックでの雪辱を果たすなら “今しかない” という認識だろう。シエラレオーネとフィアースネスは来年から種牡馬入りを控えているからだ。
「昨年このレースで上位だった2頭と走れるチャンスで、これが最後の機会になると思います。自分の馬の力を最大限に生かして、世界一になれるように乗りたいです」
「能力差はそれほどないと思います。自分がうまく乗ること、そして少し運も欲しいですね」
フォーエバーヤング陣営にはすでに幸運もあった。坂井騎手が最も望んだ5番枠を引き当てたのだ。先月の船橋競馬場での前哨戦勝利から、カリフォルニアへの輸送、そして現地での調教まで、ここまでの準備は計画通りに進んでいるように見える。
そのことは、日の出の柔らかな朝日が肌寒さを和らげる中、フォーエバーヤングが僚馬のアメリカンステージとともにデルマーのダートへ姿を見せた場面でも裏づけられた。2頭は向こう正面からコーナーを回って直線を歩き、折り返してキャンターに移ると、向こう正面で勢いをつけていった。
直線では、G1・BCスプリントに向かう僚馬と並走し、フォーエバーヤングは滑らかに加速して先着した。
「5ハロン地点でアメリカンステージを追走しました。デルマーのような小回りのコースでは、十分なスピードでコーナーを回ることが重要なので、主にコーナ-での感触を確かめたかったんです。100点満点でした」
主要なライバルのフィアースネス、シエラレオーネ、ジャーナリズムも、ほぼ同時刻に馬場入り。いずれも力強く、周回のキャンターは滑らかだった。だが、フォーエバーヤング陣営も現状に満足しており、土曜日のレースでは狙いどおりの場所を勝ち取る決意を崩していない。
「今のところ、すべて順調です」と坂井騎手は語った。「今はとても良い状態にあると思います。今朝の追い切りは非常に良かったですし、現時点で不安はありません」
「全体的にパワーアップしています。完璧に一歩近づいたと思います」
