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G1・インターナショナルステークスにシーザファイアを送り出すアンドリュー・ボールディング調教師は、最終追い切りの走りを「これ以上ない出来だった」と絶賛。水曜日の本番に向けて、調子の良さに自信を深めている。

先月、シーザファイアはグッドウッド競馬場のG1・ナッソーSに出走するも、見せ場を作れず敗北。レース前の数時間にわたる豪雨により、ゲートを使えずスタンディングスタートで始まる波乱の一戦だった。しかし、今季前半に圧巻のパフォーマンスを叩き出した舞台へ戻る今回は、巻き返しに自信をのぞかせている。

同馬は今年5月、同じコース・同距離で行われたG2・ミドルトンフィリーズSを12馬身差の大楽勝。ヨーク競馬場では2戦2勝のパーフェクトな戦績を誇っている。

Idol Horse Podcastに出演したボールディング師は「前回のグッドウッドでは色々と噛み合いませんでした」と、司会のアンドリュー・ルジューンに対してコメント。

「レースの2時間ほど前から激しい雨が降り続いていましたし、彼女が良馬場でこそ力を発揮することは分かっています」

「ゲートを使わない旗振り式のスタートも不運でした。結果的に、出遅れて数馬身ロスしてしました。特にあのような条件下では致命的ですから、理想からは程遠い展開でしたね」

「それでもレース後の反動はなく、順調に来れています。(先週)水曜日の追い切りはこれ以上ないくらい良く、レースへ向けて非常に満足しています。ヨークでは2回走って、昨年のストレンゾールSは完勝、今年のミドルトンでは圧勝ですからね。間違いなくこの馬に合うコースです」

グッドウッドでは不完全燃焼に終わった一方で、シーザファイアにとってはヨークこそが本領発揮の舞台。昨年の同開催では、9ハロン戦のG3・ストレンゾールSを制し、同じくネーヴスミアでのミドルトンSも横綱相撲の完勝劇で制している。

シーザファイアはいよいよ今回、ヨーク最高峰の舞台に挑戦する。2015年のインターナショナルSを制した、母のアラビアンクイーンと同じ偉業に挑むことになる。

「今回は最高のパフォーマンスが求められます」とボールディング師は続ける。「意外かもしれませんが、シーザファイアはG1をまだ勝っていません。何度か善戦はしていますが、ここで初めてのG1タイトルを手にできたら最高ですよね」

4日間にわたるヨークのイボア・フェスティバル開催は、ボールディング師にとっても、そしてシーザファイアの母にとっても、実り多い開催となる可能性がある。紫とターコイズでお馴染み、ジェフ・スミス氏の勝負服が、ネーヴスミアで存在感を放つことになりそうだ。

シーザファイアの半兄であるスピリットミクサーとロイヤルプレイライトも、開催初日と2日目のハンデ戦を狙っている。

「凄いことですよね。アラビアンクイーンは現役時代にデヴィッド・エルズワース厩舎でインターナショナルSを勝っていますが、幸運なことに、その全産駒を私が管理させていただいています」

ボールディング師としては、今年からG1に昇格したシティオブヨークSも早速狙っている。ロイヤルアスコット開催のバッキンガムパレスSを制し、さらに前走アスコットのG2・サマーマイルSを連勝したネヴァーソーブレイヴを、今回初めてG1の舞台へ送り込む。

ネヴァーソーブレイヴは昨年限りで引退したサー・マイケル・スタウト調教師の厩舎から、キングズクリアにあるボールディング厩舎へ移籍してきた。

「始動戦のチェスターでは少し不運な負け方をしましたが、その後はロイヤルアスコットのバッキンガムパレスSで巻き返し、前走のサマーマイルSも本当に良い内容でした」とボールディング師は説明する。

「優秀な素質を持っていますし、スピードも十分です。7ハロンへの距離短縮も全く問題ないと思います」

ジャック・ダウリング、Idol Horseの競馬ジャーナリスト。2012年、グッドウッド競馬場で行われたサセックスステークスでフランケルが圧勝する姿を見て以来、競馬に情熱を注いできた。イギリス、アメリカ、フランスの競馬を取材した後、2023年に香港へ移る。サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、レーシング・ポスト、PA Mediaなどでの執筆経験がある。

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