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2024 皐月賞: G1レビュー

競馬場:中山競馬場
距離:芝2000m
賞金総額:4億3200万円(300万0000ドル)

日本の牡馬クラシック三冠レース開幕戦は、ジャスティンミラノが無敗で制し、さらにレースレコードを叩き出した。キズナ産駒のジャスティンミラノはマーゴットディドを母に持つ血統で、その母はイギリスの5ハロン(約1000m)G1・ナンソープSを勝った実績がある。

レースの後には感動的な瞬間もあった。この馬は先日、阪神競馬場での落馬事故で亡くなった藤岡康太騎手が調教パートナーだったのだが、管理する友道康夫調教師がインタビューで感謝と追悼の意を述べるシーンがあった。

名門サンデーレーシングが誇るスター牝馬のレガレイラは、1週間前に行われた牝馬同士のマイル戦・桜花賞ではなく、より挑戦的なローテを組んだ。レガレイラが3.7倍の1番人気に支持され、ジャスティンミラノは4.8倍の2番人気だった。

レースはペースを引っ張ったメイショウタバルが異様とも言えるハイペースで引っ張り、朝日杯フューチュリティS勝ち馬のジャンタルマンタルは離れた3番手をキープした。戸崎圭太騎手のジャスティンミラノは5番手を追走。一方、レガレイラはスタートからの出足が遅く、かなり後方の14番手を走っていた。

直線に入るとジャンタルマンタルが先頭に立って一気に突き放したが、残り200mの登り坂に差し掛かった辺りで失速。ジャスティンミラノと、ジョアン・モレイラ騎手のコスモキュランダの勝負に切り替わった。2頭はそのままゴールラインまで追い比べを続け、クビ差でジャスティンミラノが制した。レガレイラは6着で末脚不発だった。

2024 皐月賞: レース映像

JUSTIN MILANO / G1 Satsuki Sho // Nakayama /// 2024 //// Video by JRA

勝利コメント

戸崎圭太騎手「前走も強い内容だったので、今回も馬を信じて騎乗させていただきました。3コーナーから4コーナーで戸惑っていたのかなというところはありましたが、またハミをとって伸びていってくれました。初めての課題がいろいろありましたが、すぐクリアしてくれたのは能力の高さだと思います」

注目の存在

レガレイラは直線に入る段階で馬群に包まれており、12着のサンライズアースと接触して吹き飛ばす場面もあった。しかし、進路が開けると明らかな伸びを見せ、上がり3ハロンは最速タイの33.9秒を叩き出した。

シルクレーシングのアーバンシックも注目に値する馬です。道中はかなり後方を追走しており、最終コーナーで膨れながら外に持ち出すと、最後は4着に食い込んだ。父はスワーヴリチャード、曾祖母はウインドインハーヘア。2400mに距離が伸びて真価を発揮するのは、この馬かもしれません。

次はどうなる

次はダービー、東京優駿で再戦となる。ジャスティンミラノはまだ3戦しかしておらず、経験を積んでさらなる成長が見られるかもしれない。これまでのレースぶりからすると、2400mは問題ないように見えるが、スピード血統である母系が一抹の不安をよぎらせる。別路線組の脅威は、キャロットファームのシックスペンスだろう。前走のG2・スプリングSでは、後の皐月賞出走馬を相手に印象的な走りを見せつけた。

デイヴィッド・モーガン、Idol Horseのチーフジャーナリスト。イギリス・ダラム州に生まれ、幼少期からスポーツ好きだったが、10歳の時に競馬に出会い夢中になった。香港ジョッキークラブで上級競馬記者、そして競馬編集者として9年間勤務した経験があり、香港と日本の競馬に関する豊富な知識を持っている。ドバイで働いた経験もある他、ロンドンのレースニュース社にも数年間在籍していた。これまで寄稿したメディアには、レーシングポスト、ANZブラッドストックニュース、インターナショナルサラブレッド、TDN(サラブレッド・デイリー・ニュース)、アジアン・レーシング・レポートなどが含まれる。

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