英国の芝シーズンが本格始動し、G1・英2000ギニーが目前に迫る中で、どうしても浮かぶのが「2歳時からの上積みはあるのか?」という疑問である。
この問いに対してジョセフ・オブライエン調教師は、スコルシーチャンプが明快な答えを示してくれると確信している。土曜日、今シーズン最初の舞台として挑むのは、ニューマーケット競馬場のローリーマイルコースで行われる英2000ギニーだ。
傍からはずいぶんと前のことのように思えるが、G1・ナショナルステークスでの圧巻の勝利は、スコルシーチャンプにとってわずかキャリア3戦目のことだった。昨年9月にカラ競馬場でのゴールを駆け抜けた直後から、オブライエン厩舎での調整は始まっていた。31歳の若さにしてオウニングヒルの調教場を拠点とし、着実かつ緻密な調教を信条とするトレーナーは、これまでと同様に慎重にスコルシーチャンプをこの一戦に向けて仕上げてきた。
「ナショナルS以来、ほぼ毎日調教を重ねてきました」とIdol Horse Podcastに出演したオブライエンはアンドリュー・ルジューンに語った。
「今週末に向けて、少しずつ調整を進めてきましたが、ここまですべて順調。いや、順調そのものです。とても楽しみにしています」
「今季は積極的にレースを使っていきたいと考えていますし、年初のクラシック第一戦で有力馬の一頭として臨めることを楽しみにしています」
ここまでのキャリア3戦すべてで手綱を取ってきたのは、アイルランドの若手騎手の中でも特に注目されている存在、ディラン・ブラウン・マクモナグル騎手だ。昨年11月には、ブリーダーズカップのジュベナイルターフスプリントでマグナムフォースに騎乗して勝利を挙げ、急速に実績を積み重ねている。
今回の2000ギニーは、こうした若手騎手と若き調教師によるコンビにとって、大きな飛躍のチャンスとなる。しかも今年のメンバー構成は例年以上に混戦模様だ。ジョン・ゴスデン厩舎が送り出すフィールドオブゴールドは、先月のG3・クレイヴンステークスで圧巻の勝利を挙げ、現時点での基準的存在ではあるが、絶対的な主役というほどではない。
「確かに今年の2000ギニーは混戦だと思いますし、(フィールドオブゴールドは)前哨戦で非常に見事な内容でした。うちの馬はここまでしっかりと仕上げてきましたし、前哨戦を使わずに本番に臨むというのが当初からの方針でしたからね」