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3月12日、ビューティーアライアンスが水曜日の夜にハッピーバレー競馬場で大差で勝利し、BMW香港ダービーの最終メンバーに劇的に滑り込んだ。3月23日に行われる4歳限定のこの大一番を前に、南アフリカG1で馬券圏内に入った実績を持つモンディアルを押しのけ、最後の1枠を手にした。

わずか9日前、ジョン・サイズ厩舎のビューティーアライアンスはレーティング57と、出走ラインとされる80前後に到達する可能性は極めて低いと見られていた。しかし、3月5日にハッピーバレー1800mのクラス4戦を2馬身1/4差で快勝しレーティングを65まで引き上げると、続く3月12日の同条件クラス3戦では3馬身半差の圧勝を演じ、一気に77まで上昇した。

前走に続いて騎乗したアレクシス・バデル騎手が本番でも手綱を取ることが決まり、3年ぶり2度目の香港ダービー制覇を狙う。

一時は今年の香港ダービーに管理馬を送り込めないかと危ぶまれたサイズ厩舎だが、最終的に3頭を送り込むこととなった。ビューティーアライアンスに加え、香港クラシックカップでしんがり負けを喫したミックリー、そして先週のシャティンでのクラス2戦を後方一気で勝ち、出走を決めたバンドルアワードもスタンバイしている。

香港ジョッキークラブの競馬運営を統括するグレッグ・カーペンター氏は、ビューティーアライアンスの勝ちっぷりが、2000mが舞台の香港ダービーへの出走権獲得に値すると判断したと語った。

「水曜日の勝利によって、同馬をメンバーに加えるべきだという考えが決定的になりました」とカーペンター氏はIdol Horseに対してコメント。「道中のペースは速く、本当に競馬らしい競馬になりました。その中で彼は早めに動いてレースに加わり、長くいい脚を使いました。直線では力強く伸び、最終的には大きな着差をつけて勝利しました。非常に迫力ある走りで、彼を除外するのは難しいと感じました」

「日曜日にバンドルアワードが見せた勝ち方と同様に、ダービーに新たな視点を加え、異なる路線からの挑戦馬として興味深い存在になっています」

サイズ調教師は、近年の4歳クラシックシリーズの傾向が変化してきていると指摘。すでに実績のある有力馬よりも、香港に輸入されたばかりの馬やキャリアの浅い馬が、ダービー有力候補となるケースが増えていると述べる。

「高いレーティングの馬を購入するのが難しくなっています。そのため、かつてよりも低いレーティングで香港にやって来る馬が増えています」

MONDIAL, MUZI YENI / Turffontein // 2023 /// Photo by 4Racing

クォック一族は、これまでビューティーエターナルやビューティージェネレーションで惜敗を喫してきた香港ダービーのタイトル獲得に向け、ビューティーアライアンスで再び挑戦することとなった。一方、長年の馬主であるジェームズ・ラウ氏とアリス・ウー氏は、出走取消馬が出ることを願っている。彼らの所有馬である南アフリカダービー3着馬のモンディアルは、今回の登録で補欠馬の1番手に回ったためだ。

デヴィッド・ヘイズ厩舎のモンディアルは、香港初戦となったクラシックカップでは同厩舎のルビーロットの11着に敗れた。レーティングは80を持っていたものの、ビューティーアライアンスやローライダー(いずれもレーティング70台)よりも下位に格付けされ、出走枠を逃すこととなった。

モンディアルだけでなく、移籍前にオーストラリアのG1で入着実績があるカップフェラも、出走枠確保が危ぶまれる状況だった。

「どの決定も重い責任を伴うものですし、除外となった陣営の失望を思うと非常に心苦しいです」とカーペンター氏は語った。「それでも、決定を正当化できる理由があれば、私はその判断に自信を持てます」

「カップフェラも期待通りのパフォーマンスを発揮できていませんが、それでもオーストラリアではトムキトゥン、リフロケット、チェオウルフなどの一線級と互角に戦い、2000mでG1・3着の実績があります。最終的に、クラシックカップではカップフェラがモンディアルを上回る成績を収めていたことが、出走可否の決定における決め手となりました」

「香港ダービーはもともと魅力的な一戦ですが、バンドルアワードとビューティーアライアンスという異なる路線からの挑戦馬が加わったことで、さらに興味深いレースになったと思います」

ザック・パートン騎手は、クォック一族が所有する過去のダービー上位入着馬の手綱を取った実績があり、今回も負傷からの劇的な復帰を果たして ビューティーアライアンスへの騎乗を打診された。しかし、リーディングジョッキーは「レースまでに間に合わない」としてオファーを辞退した。

「正直、少し悔しいですね。でも、来週には乗れる予定なので、遅れを取っているのは1週間だけです」とパートン騎手は語った。

なお、ライアン・ムーア騎手はミックリーに騎乗する。ベン・トンプソン騎手はバンドルアワードに騎乗し、自身初となる香港ダービーの舞台に挑む。

アンドリュー・ホーキンス、Idol Horseの国際担当。世界の競馬に対して深い情熱を持っており、5年間拠点としていた香港を含め、世界中各地で取材を行っている。これまで寄稿したメディアには、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ANZブラッドストックニュース、スカイ・レーシング・オーストラリア、ワールド・ホース・レーシングが含まれ、香港ジョッキークラブやヴィクトリアレーシングクラブ(VRC)とも協力して仕事を行ってきた。

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