新人の女性見習い騎手、ブリトニー・ウォン騎手が香港での初勝利を挙げた。レース前はプレッシャーを感じていたと振り返るが、ダグラス・ホワイト調教師が緊張をほぐしてくれたという。
ウォンは最初の2開催で11鞍騎乗してまだ未勝利だったが、この日行われたゴールデンシックスティハンデキャップで騎乗したシュヴァルヴァリアントは単勝3.1倍の1番人気。ファンの期待を背負ってレースに臨んだ。
レース前、パドックでの緊張とホワイトとの会話を次のように振り返る。
「『プランB』どころか『プランP』でした。要するに大パニックですよ!」
「レース前、ホワイト先生がレースとプレッシャーについて話してくれて、心に余裕が持てました。『バリアトライアルと一緒だ。スタートを決めれば、あとは馬が走ってくれる』とアドバイスしてくれたんです。その通りに乗ったら、完璧に上手く行きました」

香港で人気馬に乗るプレッシャーを語らせた場合、『ミスター・ホワイティ』ほど適任の人物はいないだろう。1999/00シーズンから13年連続でリーディングジョッキーに輝き、ビッグレース直前でも冷静沈着な態度を崩さず、的確な判断で騎乗することで知られていた。
「彼は『プレッシャーについては全部知ってるよ』と言ってくれたんです。騎手時代も素晴らしく、あらゆることを身を以て経験してきた人です。私にプレッシャーをかけるのではなく、落ち着かせようとしてくれました」
また、ウォンは直線レースで『単純明快』な馬に騎乗できたことも幸いだったと語った。
「シュヴァルヴァリアントは単独で逃げるのが好きな馬なので、自分の10ポンド減量と雨が降った馬場が大きな助けになりました」
ホワイトはレース後、地元メディアとのインタビューの中で、ウォンは自身の騎乗を謙遜しすぎだと話した。
「ブリトニーの競馬は簡単なことじゃないよ。楽な競馬だって思われるかもしれませんが、あの馬は簡単な馬じゃないので。確かにスタートは良いかもしれませんが、時々オーバーペースになりすぎて、最後踏ん張りきれないことがあります。今日のペースコントロールは見事でした」
「彼女は人気馬に乗っても落ち着いていた。スタートも上手く、巧みなレースをしてくれました」
ウォンを最初に祝福した人物の一人は、彼女の所属先であるデヴィッド・ホール調教師だった。彼もまた、オーストラリアとニュージーランドでの修行から戻ってきた25歳の見習い騎手にとって、支えとなっている人物だ。
「ホール先生は私の師匠で、とても緊密にやり取りをしながら働いています。とても気さくなボスなんですよ」
「私が緊張しているときは、いつでも彼のところに行って相談することができます。そういうときは競馬の話は一切しません。私の緊張をほぐして、ベストを引き出すのが本当に上手い人です」