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先週日曜日、中京競馬場はサトノレーヴのG1初制覇に沸き立ったが、ジョアン・モレイラ騎手にとっても大きな一日となった。この勝利により、自身のJRAでの短期免許申請資格の期間が延長される見通しとなったからだ。

また、サトノレーヴにとっても香港の短距離王者、カーインライジングとの再戦に向けて期待を膨らませる勝利となった。

高松宮記念を制した直後、モレイラは馬上から通訳のアダム・ハリガン氏に対してこう叫んだという。

「さらに6ヶ月!」

この “6ヶ月” という数字は、JRAの短期免許申請の資格が2027年3月まで延長されたことを指している。 そして、もう一つ脳裏に浮かんでいたのは、サトノレーヴとの香港再挑戦への期待だった。

「まず第一に、この勝利を嬉しく思います。日本で騎乗できる期間もさらに延びました。日本が大好きですし、ファンの皆さんからの愛と応援に感謝したいです」と、モレイラはIdol Horseの取材に対して語ってくれた。

「期間の延長はずっと待ち望んでいたことですが、確実なものではなかったのでなおさらです」

モレイラが心待ちにしているのは、香港チャンピオンズデーのG1・チェアマンズスプリントプライズ(4月27日・1200m)でのカーインライジングとの再戦だ。2024年のG1・香港スプリントでは3/4馬身差の3着に敗れている相手でもある。

Ka Ying Rising defeats Helios Express and Satono Reve in the G1 Hong Kong Sprint
KA YING RISING, SATONO REVE / G1 Hong Kong Sprint // Sha Tin /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

香港時代のライバル、ザック・パートン騎手が手綱を取るカーインライジングは現在11連勝中。そのうち2勝はコースレコードを更新しての勝利だった。

もし、『再戦が実現すれば』の話だが、モレイラはサトノレーヴにも勝つチャンスはあると見ている。運や相手の調子次第に左右される部分は大きいとしつつも、番狂わせを起こせる可能性はあると話す。

「チャンスはありますよ。たとえば、人間だって明日急に体調を崩して仕事に行けないことがあるかもしれない。それは競走馬にも同じ事が言えます。調子が悪い日もあれば、運に見放されることもあります。もし、カーインライジングにそういうことがあれば、サトノレーヴはその隙を見逃さないでしょう」

「カーインライジングの強さは承知の上ですが、両者の間にそこまで差はありません。香港で対戦したときも着差は僅差でした。勝つにはそこから1馬身伸びるくらい強くなる必要がありますが、その上積みがあることは保証できます」

「実際、この2頭の顔合わせはレースを盛り上げると思います。大差の圧勝ばかりでは面白くないですし、ファンが望んでいるのはワクワクするような白熱したマッチアップだと思います」

今週日曜日のG1・大阪杯では、ステレンボッシュに騎乗予定。3着に健闘した2024年のG1・香港ヴァーズに続いてのコンビ継続だ。

「今週は追い切りでの動きも抜群で、体調も万全でした。これ以上ない仕上がりだと思います。ここまではすべて順調なので、あとは本番でも期待したいですね」

そして、モレイラがまた騎乗したいと切望している堀厩舎の馬はもう一頭いる。ダートで4連勝中、ケンタッキーダービーの出走資格も得ているルクソールカフェだ。

気になるのは実際に出走するかどうかだが、陣営はまだ馬のプランを明かしていない。

「たとえ次走がどこなのかに関わらず、また乗りたい一頭ですね」と語るモレイラは、この馬への期待を隠さない。

「ルクソールカフェは良い馬ですね」

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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