メルボルンカップで僅差の2着、大健闘の走りを見せたワープスピードはレース後も順調な回復を見せており、来週月曜日に日本に帰国する予定となっている。2025年、再びの海外遠征に希望を持たせる活躍だった。
高木登厩舎のワープスピードは火曜日、史上2頭目となる日本勢のメルボルンカップ制覇まであと僅かのところまで迫った。鞍上の菅原明良騎手の導きにより、人気薄を覆す激走を見せた。
「引き上げた後も元気ですし、レースも問題なく走り切り、外傷も特にありません。本当に素晴らしい馬です。みんな大満足の走りでしたし、この結果を誇りに思っています」
遠征先のオーストラリアで調教助手や通訳として陣営をサポートした川上鉱介氏は、Idol Horseの取材に対してこのように語った。
川上氏、調教助手の中垣功氏、そしてオーストラリア在住のもう一人の調教助手である森信也氏、『チーム高木厩舎』は最高の仕上げでレースに送り出すことができた。
ワープスピードはコーフィールドカップでは残念ながら13着に終わったが、メルボルンカップに向けて数回重ねた追い切りでは抜群の動きを披露。火曜日は乾いた良馬場で迎えることができ、馬場状態も功を奏した。
高木登調教師はブリーダーズカップクラシックに出走したウシュバテソーロ(10着)の様子を見るためアメリカに滞在しており、メルボルンに到着したのはレース前日だったという。
「もちろん、高木先生とは電話で連絡を取っており、コーフィールドからメルボルンに向けての調整について話し合っていました」と川上は語る。
「中間の2回の追い切りでは良い動きを見せており、状態は素晴らしかったです。コーフィールドカップの時と比べて大幅に仕上がっていたので、やってくれるんじゃないかという自信はありました」
「基本的に、コーフィールドカップの走りは度外視で臨むつもりでした。雨が降ったせいで重くなっており、自分なりの表現で言うと『粘り気のある馬場』でした。多くの日本馬がそうであるように、ワープスピードもこの手の馬場は経験したことがありません」
「元々重馬場が得意なタイプではありませんが、あんな感じの粘り気のある馬場では厳しかったです。しかし、あれのせいで調子を落としたわけではありませんし、走れなかっただけあって疲労も少なかったようです」
ワープスピードは帰国の途に就く前の数日間を悠々自適に過ごしている。年が明けるにつれて高木調教師は次の海外遠征を計画するかもしれないが、その候補には2023年にシルヴァーソニックが制したサウジアラビアのG3・レッドシーターフハンデキャップ(芝3000m)も含まれることになるだろう。
「今朝は軽く歩かせましたが、明日も同様に引き運動も行います。金曜日に乗って馬の状態を確かめてみて、土曜と日曜は楽に過ごさせます。月曜日には日本に向けて飛び立つ予定ですね」
僅差の2着という結果にも関わらず、日本から来た陣営には残念なムードはなく、明るい雰囲気に包まれていたと川上は明かす。
「オーナーさんたちが現地に来てくださり、友人も大勢駆けつけてくれました。『国を止めるレース』に携わることができて、本当にエキサイティングでした。素晴らしい一日だったと思います」