10日、シーズン最後のハッピーバレー開催で行われた1200mのクラス4・スターシャインハンデキャップ。香港の裁決委員はネブラスカン(Nebraskan)に乗ったザック・パートン騎手の騎乗について審議入りとしたが、調査は後日行われることになった。
単勝オッズ7.8倍に支持されたジョン・サイズ厩舎のネブラスカンは、このレースで勝ち馬から3馬身3/4離れた、4着に敗れた。11番枠からスタートし、残り700m地点までは先頭に並びかけるよう気合いをつけながらの追走だった。
やや体勢を崩すようにコーナーを回って直線に入ったが、その後の追う動作を裁決委員は問題視している。
ネブラスカンは左右にふらつきながら走り、勝ち馬のプリンスオブポーティとも衝突。その後も5着のリーンマスターと2回衝突する場面はあったが、残り50mを切ったあたりで体勢を立て直して、ようやく鞍上も追い始めた。
裁決委員のレポートによると、最後の直線でネブラスカンがふらついたため「本来の走りができなかった」とパートンは述べているという。
また、裁決委員のレポートは、残り175m地点でプリンスオブポーティと接触、残り150m地点でリーンマスターと接触した後、鞍上のパートンは「さらに斜行することを懸念していた」と伝えている。
このため、残り150mから残り50mの間は馬の制御に専念し、体勢を立て直した残り50mからはスパートをかけることができたと、レポートでは説明されている。
裁決委員はこれらのエビデンスをまとめた後、後日調査をするとしている。
パートンは2023/2024シーズンの最終日で11レース中10レースに騎乗する予定だ。騎乗馬の中にはリーディング調教師を争うピエール・ン厩舎の馬が2頭、フランシス・ルイ厩舎の馬が4頭含まれている。
首位を追いかける2位(66勝)のフランシス・ルイ調教師は10頭の精鋭を揃えており、厩舎の快進撃を支えてきたパートンの最後の一押しがタイトルの決め手となるかもしれない。
ルイ調教師とパートン騎手のコンビは34レースで15勝と好成績を残しており、勝率は44%を誇る。クラス2・ジョイアンドファンハンデキャップはコールミーグロリアス(Call Me Glorious)、クラス3・ピンウースパークハンデキャップはパッキングハーモッド(Packing Hermod)が出走を予定しており、将来有望な3歳馬で畳み掛ける布陣だ。
Idol Horseの『香港競馬シーズンレビュー:2023/2024シーズンの注目馬5頭』でピックアップしたパッキングハーモッドは、6月下旬にハッピーバレー競馬場でデビュー勝ちを収めた後、初めてシャティン競馬場で走ることになる。
また、パートンはこの日、クラス4・ビッグプロフィットハンデキャップで3歳馬のステップスアヘッド(Steps Ahead)、メインレースのクラス1・香港馬主協会トロフィーでは4歳世代の有力馬チャンチェングローリー(Chancheng Glory)に騎乗する予定で、この2頭はいずれもルイ厩舎の出走馬だ。