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2024 秋華賞: G1レビュー

競馬場: 京都競馬場
距離: 2000m
賞金総額: 2億1462万0000円(約140万米ドル)

電光石火の末脚、チェルヴィニアがまたしても同世代の3歳牝馬を一蹴した。古馬、牡馬を脅かす存在だと証明するような走りを見せ、秋華賞を制した。

5月のオークスでは接戦をものにする勝利だったが、2000mへの距離短縮を機にそのパフォーマンスはより爆発的なものに進化。2着に1馬身3/4差、快勝で1着を勝ち取った。

木村哲也調教師とクリストフ・ルメール騎手、『チーム・イクイノックス』のゴールデンコンビは早くも次のスーパースターを手にする形となった。年末に向けては、真のスーパースターを決めるべく古馬や牡馬との対戦が待っている。

鞍上のルメールはこれで3度目の秋華賞制覇。牝馬三冠の最終戦は、ディアドラ(2017年)とアーモンドアイ(2018年)に次ぐ勝利となった。

レース展開

5番枠からの発走となったチェルヴィニアは中団で追走。先頭のセキトバイーストはハイペースの逃げを決行、スタミナを削るペースで展開を引っ張った。

ルメールは直線に入っても焦ることなく、前を見ながら馬群で待機。残り300mを切った辺りで進路が空くと、そこから突き抜けた。

チェルヴィニアの末脚はまさに圧倒的、最後は余裕を持ってゴール板を駆け抜けた。

Cervinia wins the Shuka Sho
CERVINIA, CHRISTOPHE LEMAIRE / G1 Shuka Sho // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

注目馬たち

『ウマ娘』で知られる藤田晋オーナーのボンドガールは上がり3ハロン最速を記録して2着、もう一頭のスター候補として素質の高さを見せつけた。

距離を伸ばせば位置取りの改善、少なくともスムーズな加速には繋がるのかもしれない。武豊騎手が騎乗したこの馬は、ここまで3戦連続で後方から上がり最速という競馬になっている。

戸崎圭太騎手が騎乗、桜花賞馬で2番人気のステレンボッシュはチェルヴィニアを見る形で競馬を進めたが、直線では末脚勝負で敗れる結果となった。最後の200mでは進路変更を余儀なくされるも、上がり3ハロンの34.3秒は2着馬と勝ち馬に次ぐ3位の記録だった。

データ

G1での番狂わせが続いた1年だったが、チェルヴィニアは2.3倍の1番人気で勝利。今年は10レースで10人の騎手が勝利するという異例の展開となっていたが、この勝利をもってルメールは2024年にG1を2勝以上した初の騎手となった。

勝利コメント

クリストフ・ルメール「すごく嬉しいです。とてもいい競馬をしてくれました。いつもの通りですが、G1を勝つのは難しいことです。たくさんいい馬がいましたが、今日は良いポジションを取れましたし、ペースが速かったのも合っていました。良いポジションを取ることができて、ずっと自分のリズムで走ることができました」

「冷静に走ったら、最後はとても良い加速をすることを見せてくれます。15馬身ぐらい離れていたと思いますが、こういうペースでゴールまで行くのは難しいですから、心配していなかったです。手応えはとても良かったですし、とてもいい反応をしてくれました。またG1レベルで勝てると思います」

Christophe Lemaire after Cervinia wins G1 Shuka Sho
CHRISTOPHE LEMAIRE / G1 Shuka Sho // Kyoto /// 2024 //// Photo by Shuhei Okada

今後は?

オーナーサイドは、次はG1・ジャパンカップを目指すことを明言。日本、そして世界の強豪を相手に、アーモンドアイ以来となる3歳牝馬での勝利を目指す。

2024 秋華賞: レースリプレイ

マイケル・コックス、Idol Horseの編集長。オーストラリアのニューカッスルやハンターバレー地域でハーネスレース(繋駕速歩競走)に携わる一家に生まれ、競馬記者として19年以上の活動経験を持っている。香港競馬の取材に定評があり、これまで寄稿したメディアにはサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、ジ・エイジ、ヘラルド・サン、AAP通信、アジアン・レーシング・レポート、イラワラ・マーキュリーなどが含まれる。

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